図書館から借りていた、宮部みゆき著、新装版「日暮らし」(上)(下)(講談社)を読み終えた。本書は、前作「ぼんくら」の続編、「ぼんくらシリーズ」の第2作目の作品になる。
先日、何の気無しに借りてきて読んだ「ぼんくら」に、続編があることを知り、借りたものだが、やはり引き込まれてしまい、一気に読破してしまった。
前作「ぼんくら」では、鉄瓶長屋を舞台に、数々の事件やゴタゴタが発生したが、謎や火種は残されたままだった。本書は、その1年後からの話という筋立てになっている。
本書も、「ぼんくら」同様、連作短編形式で構成されているが、「おまんま」「嫌いの虫」「子盗り鬼」「なけなし三昧」が序章で、「日暮らし」が本章、「鬼は外、福は内」が終章という感じの長編ミステリー時代小説とも言える気がする。
主人公の、馬面でさばけた本庄深川方臨時町廻り同心井筒平四郎、超美形で聡明、驚異的な推理力洞察力を持つ13歳の弓之助を中心に、その謎解きをしていく物語である。
▢目次
「おまんま」「嫌いの虫」「子盗り鬼」「なけなし三昧」「日暮らし」
「鬼は外、福は内」、(解説)
▢主な登場人物
井筒平四郎、妻女、小平次、
弓之助、おとよ
お徳、彦一、花一、おみね、おさん、おもん、
幸兵衛、おえん、お秋、喜一、
佐吉、お恵、
湊屋総右衛門、宗一郎、久兵衛、おふじ、みすず、
葵、お六、孫八、おはつ、
政五郎、お紺、三太郎(おでこ)、
佐伯錠之助、八助、杢太郎、
晴香先生(お春)
表題の「日暮らし」だが、本書のキーワードになっている。「おまんま」では、思い悩んでいたおでこ(三太郎)が手習いで書いた文字が「ひぐらし」だった。各篇にも、「ヒグラシ」「ひぐらし」「その日暮らし」が、登場している。
登場人物の多くの底辺には、親兄弟妻子との離別の苦しみ、恨み憎む者に対する苦しみ、求めるものが得られない苦しみが有り、事件、ゴタゴタが起こるが、宮部みゆき描く、個性豊かなキャラクターの主人公達が、絡み合いながら、温かい人情を醸し出しながら、真相を究明し、謎を解いていく物語である。ユーモラスな会話や描写が、随所に散りばめられており、飽きさせない。
「一日一日、積み上げるように。てめいで進んでいかないと、おまんまいただいてさ。みんなそうやって日暮らしだ」
本書のメインは、やはりで、佐吉が、葵殺しの下手人として捕らえられたことから始まる「日暮らし」で、(一)から(十八)からなる長編。事件は、湊屋総右衛門によって、もみ消されてしまうが、佐吉の無実を信じる平四郎、弓之助、政五郎、三太郎が、その闇に挑戦する。「本当の下手人は誰なのだ?」、弓之助は、平四郎に、「叔父上、ここはひとつ白紙に戻してみてはいかがでしょう」と言う。「人」ではなく「事」?、「通りモノ」?、・・・、15年前の事件から・・・、「葵殺しの下手人は、◯◯に、間違いありません」・・。弓之助の推理で、過去の目くらましが晴れていく。
「日暮らし」は、前作「ぼんくら」を読んでいないと、ストーリーが見えてこないと思う。
「鬼は外、福は内」では、お六と彦一が出会うという場面もあり、物語がどんな展開になっていくのだろうか、楽しみになる。
続編に、「おまえさん」が有るようで、近日中にまた借りてこようと思っているところだ。
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今日は外出中で出先よりスマホでお礼のコメントを送付しています。
(^_-)-☆帰宅しましてゆっくりと見せて頂ますネ。
🔷それではまた👋・👋!
当地、今日も、晴れていますが、下り坂で、夜には、雨という予報も出ています。
北海道等では、早くも、降雪予報がでており、季節は冬に向かってひた走りですね。