たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

諸田玲子著 「鬼あざみ」

2022年12月01日 18時45分10秒 | 読書記

図書館から借りていた、諸田玲子著「鬼あざみ」(講談社)を読み終えた。本書は、江戸時代、盗人のヒーローとなった実在の人物、「鬼坊主」こと清吉の情婦となったおもんを主人公にした長編時代小説である。おもんは、諸田玲子描く、架空の人物なのだと思われるが・・・。

▢目次
第1部 悪女 (一)~(十六)
第2部 盗人 (一)~(十三)

▢主な登場人物
おもん、おさだ、与平、与一、小助、与助、
加治屋惣兵衛、おきみ、甚右衛門、清吉、
三右衛門、善五郎、治平、
上野早太郎、文蔵、
伊奈木裕之助、
粂次郎、虎蔵、三吉(吉五郎)、矢三郎、彦市、杵次郎、
(葵小僧の首)

▢あらすじ
第1部の(一)では、鬼坊主一味の両国回向院での荒稼ぎ後、おもん粂次郎を出会うところから始まっているが、(二)からは、遡って、おもんが16歳の時、郷里下総国八丁目村を出奔し、艾問屋加治屋惣兵衛の後添えにおさまっていた叔母おきみを頼って江戸に向かう途中、小塚原仕置場で、「葵小僧の首」と運命的な出会いをし、加治屋では、目的?、計画?を果たし、清吉と出会い、鬼坊主一味を作り上げ、「悪」の道を突き進んでいく過程の物語になっている。
第2部では、掏摸、押し込み、かっぱらい、荒稼ぎ、火付け等が横行、治安が乱れる江戸の町で、神出鬼没、変貌自在の鬼坊主一味捕縛を幕閣から厳命された町奉行所、火付け盗賊改、同心上野早太郎、岡っ引き文蔵等が総力を上げて追い詰める過程の物語。ついには、鬼坊主一味は捕縛され、主犯は獄門打首、佐渡金山送り等となるが・・・・。
清吉は、小伝馬牢で大芝居をし、市中引き回しの途中では、辞世の句を読み上げる等、それが評判となり、後に、歌舞伎、講談、落語等にもなっているのだという。
清吉の辞世の句
「武蔵野の 名ははびこりし 鬼あざみ ときの暑さに かくはしおるる」
三吉の辞世の句
「常張の 鏡にうつる 紙幟 今は噂の 天下一面」
粂次郎の辞世の句
「商売も 悪も左官の 粂なれば 小手は離れぬ 今日の旅立ち」
野っぱらの真ん中までくると、女は胸にかかえた丸い物を地面に置いた。うずくまって抱き寄せ、なで、さすり、睦言をささやき、唇を合わせ、髪をまきつけ、乳房を押しつけ、嗚咽をもらし、泣きじゃくる。・・・・、女は空を見上げた。手で涙をぬぐうと、燃え盛る首を置き去りにして、おもんはいずこともなく去って行った。


因みに、
「鬼坊主清吉」を主人公にした時代小説に、池波正太郎著「にっぽん怪盗伝」に収録された1篇「鬼坊主の女」が有ることが分かり、「ブログ内検索」してみたら、すっかり忘れてしまっていたが、昨年の12月に読んでおり、なんとなく記憶が蘇ってきた。

振り返り記事
2021年12月1日
池波正太郎著 「にっぽん怪盗伝」
「鬼坊主の女」
👇
こちら


 


この記事についてブログを書く
« 師は走り冬将軍も忙しく | トップ | サトイモ収獲、他 »

読書記」カテゴリの最新記事