たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

諸田玲子著 「ちょぼ」

2021年06月03日 15時44分22秒 | 読書記

新型コロナウイルス感染拡大防止対策で 4月25日から5月11日まで、3回目の「緊急事態宣言」が出された当地、その後5月31日まで延長となり、さらに6月20日まで延長されている。それに伴って利用している市立図書館もずっと休館中だったり、一部サービス停止だったりが続いており、通常の貸し出し期間は借りた日から2週間と定められているところ、最初に指定された返却期限に拘らず全て、「返却期限=6月15日」に延長する処置がされている。「緊急事態宣言」発出前に借りていた本が3冊有るが 何事にも、期限、締切が迫らないと重い腰を上げない爺さん、「読書も 一時休業?」、「ゆっくり、読みゃ ええわい」と決め込んできたが、気がつくと、残り2週間ちょっとなり、やっとその気になり、読み始めたところだ。
その内の1冊、諸田玲子著 「ちょぼ」(新潮社)を 読み終えた。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう爺さん、読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも その都度、備忘録としてブログに書き留め置くことにしている。


加賀百万石を照らす月
「ちょぼ」

(目次)
ちょぼ
鬼退治
お猿どの
おんな戦
湖畔にて
妙成寺

(前田家家系図)
(ちょぼ関連地図)


「ちょぼ」とは、前田利家の側室の一人で 後に前田家三代、加賀藩二代藩主となる前田利常の生母、寿福院の通称千代保のことで、この寿福院(千代保)を主人公にして描いた作品である。
戦国時代、織田信長、前田利家に滅ぼされた朝倉家の家臣、上木新兵衛一家は 高木村に落ち延びていたが、ある時、上木家の三女幾世(4歳)が 山中で利家と出会うところから物語が始まる。幾代は、9歳で自ら志願して、前田家の奥女中として府中城に奉公、「千世(ちよ)」、さらに「千代保(ちょぼ)」と呼ばれるようになり、やがて利家の側室となり、猿千代を生む。猿千代は 利家の四男であり、しかも側室の子供、利家の正室まつとの確執もある中で、長兄利長に次いで、前田家三代、加賀藩二代藩主前田利常となる。結果、藩主の生母となった千代保、45歳にして、まつに代わって人質として江戸に送られ、金沢に帰ることなく没するが、前田家、加賀百万石を盤石にするため貢献、尽力した人物。 
利家の正室まつには、奉公時代「ちょぼ、ちょぼ」と可愛がられていた千代保だったが、人質交代時期の頃からは、険悪な関係になってしまい、「まつが加賀藩前田家の太陽なら、自分は月、好敵手に恵まれた半生はこの上ない幸わせと思って・・・」と述懐する。
寿福院(千代保)の生き様が見事に描かれた作品であるが、戦国戦乱時期、豊臣から徳川、江戸時代初期の緊迫した時代背景も読み取れる歴史小説でもある。
寿福院は、菩提寺、能登羽昨の妙成寺に五重塔を建立させる等、信仰心篤く、月光菩薩等と慕われた。「妙成寺の五重塔は、400年余の歲月を経てもなお、秀麗かつ荘厳な姿で訪れる人々を魅了しつづけている・・」で 物語は締め括られている。


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4 コメント

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四十七人目の忠臣 (アナザン・スター)
2021-06-03 21:17:54
諸田さんも、時代物を書かせたら人物描写が素晴らしい方です。
毎日新聞に連載していた四十七人目・・・も、明日はどうなるのかと、どきどきしながら読みました。

宮部みゆきさんの、赤穂浪士討ち入りを歩くに触発されて、吉良邸から泉岳寺まで徒歩で行きましたのも、この本に由る処が大きいです。

早速、図書館に予約入れておきます。
ご紹介ありがとうございます。
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アナザン・スターさん、こんばんは、 (takezii)
2021-06-03 21:46:42
数年前までまるで読書の習慣等無かった爺さんですが、つい最近になってからのこと、諸田玲子作品にハマっています。
同感です。
「四十八人目の忠臣」は まだ読んでいませんが 読んでみたいと思っていました。
「ちょぼ」は 極く最近発刊された書で、図書館に予約してから順番が回ってきたのは5ケ月後でした。
コメントいただき有難うございます。
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無断で (アナザン・スター)
2021-06-04 17:41:44
すみません。
本のお好きな方が、ブロ友さんで居まして
お断りなく紹介してしまいました。

わたくしは、早速に図書館に予約しました。
6月20日までは閉館中で難儀です。
ありがとうございました。
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アナザン・スターさん、こんばんは、 (takezii)
2021-06-04 21:18:43
実は 私も 昨年 相互フォロワー登録しているある方のブログ記事を拝見して知った本なんです。後期高齢者、もう本を買うなんてことは出来ませんので 図書館に予約、辛抱強く順番がくるのを待っていた次第です。
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