昨年10月に図書館に予約していた、和田秀樹著 「老いの品格」(PHP新書)の順番が回ってきた旨の連絡が有り、先日借りてきて、読み終えた。読書初心者の爺さん、和田秀樹氏の著作を読むのも、今回が初めてのこと。ブログに、和田秀樹氏が考え出したと言われる「あかさたなはまやらわ」を、書き込んだ時点で知り、読んでみようと思った書だ。
振り返り記事 ⇨ 「あかさたなはまやらわ」、「何?・・・」
■内容紹介文
長年、老年精神医学に携わり、6,000人以上の高齢者を診てきた著者は、いい歳のとり方をする人と、そうでない人がいることを日ごろ実感している。
いい歳のとり方をしている人は、老いを素直に受け入れ、老いの現実にジタバタしたりビクビクしたり、あるいは何かに固執したりすることなく、老いそのものを楽しもうとする。本書では、そうした魅力的な理想の老人を、「品のある老人」「賢い老人」「おもしろい老人」という三つのカテゴリーに分けて解説し、それらを備えていることが「老いの品格」であるとする。
そのようなすてきな老人になるためにはどうすればよいか。著者は、「知識に経験を交えながら議論する」「いつまでも現役の消費者でいる」「墓より金より名前を残す」など、具体的なヒントを提示している。
70代、80代を安心して快活に生きる方法を説く書。老いることに勇気が湧き、老いを楽しみたくなる一冊だ。
■目次
プロローグ 「こんな老人に私はなりたい」
第1章 「老いることにジタバタしない人には品格がある」
第2章 「加齢を怖がる必要はない」
第3章 「常識に縛られない、おもしろい老人になろう」
第4章 「お金や肩書への執着を捨てる」
第5章 「だてに歳はとっていないと誇れる老人になろう」
第6章 「すてきな高齢者になるために必要なこと」
あとがき
■70代、80代を安心、快活に生きるための興味有るヒント・ピックアップ
著者老年精神科医和田秀樹氏がなりたい老人とは、
①品のある老人、②賢い老人、③おもしろい老人
「何を得たい」より、「どう生きたい」かを考え、その通り生きたい。
結果として望ましいものを得る。
出来ないことは諦めて、出来ることを活かす。結果、老いの時間が豊かになる。
まだ起こっていないことに対して不安を抱く(予期不安)人が多い。
根拠の無い不安に振り回されるのは不幸。
例えば、高齢ドライバーに自動車事故多発ニュースで不安になり、
運転免許証を自主返納する人が多いが、実際は、75才以上ドライバーと
30代~60代ドライバーの事故を起こす確率は、ほぼ同じで、
16才~24才の若年ドライバーが事故を起こす確率の方が突出して高かったりする。
一方で、運転を止めた高齢ドライバーの要介護認定になるリスクは、運転を続ける人の
2倍以上になったりするという調査報告も有る。
孤独を恐れず、好きな生き方をしよう。一人になった時のための予行演習をしておく。
日本人の良くない点は、予期不安が強い割に、実際そうなった場合の対策を立てていない人が
多い。
例えば、ガンになりたくないと言って、しょっちゅう「ガン検診」を受けていながら、
では実際、ガンになった場合、どこの病院に往くか等決めていない・・等々。
昔は、「物知り老人」=「賢者(村の長老)的」で尊敬されたが、現在は、スマホ、パソコンで
誰でも直ぐ分かる時代。物知りであることに越したことはないが、それ以上に、
知識を加工する能力が必要。ただ鵜呑みでは無く、経験をまじえて語る等。
常識的でないことこそ、高齢者のおもしろさだと思う。常識的、道徳的なこと、
当たり前なことだけを言っていたのでは、「おもしろい老人」とは、なれない。
テレビのコメンテーター等でも、賢そうに見えて、よく聞いてみると、常識的なことしか
言っていない人がいる。一方で、支離滅裂に見えても、他人とは異なる真髄を突いていることを
言っている人もいる。
非常識な老人は、困り者だが、常識的だけの老人もつまらない。
ユニークな発想を生み出すのには、学歴は関係無い。
ウヨク老人もサヨク老人も、柔軟さが大事。
世の中に、ただ一つしか正解が無いと言えるものは、稀であり、いろいろなパターンが
有り得ることを体感的に知っているのは高齢者。人生いろいろで多様性を認めることが出来る。
変節は、立派。付和雷同は、みっともない。
「やってみないとわからない」精神で、チャレンジしよう。
人生が実験だと思えば、長く生きている程、多くの実験が出来、楽しめるということだ。
めざしたいのは、洒脱な老人。
ホルモンバランスの変化を味方にしよう。
高齢期、男性は、男性ホルモンが減少し、人付き合いが億劫になり、一方、女性は、反対に
アクティブになる傾向がある。「年甲斐も無く」等と考えてしまい行動を抑えたりすると
老け込みやすい。意欲が有るなら、アクティブに動く、脳を使うことが大事。
感情を豊かにしても、感情的にならないことが大切。
高齢になると脳の前頭葉が萎縮して、感情のコントロールがきかなくなる。腹を立てて、
大声で怒鳴る高齢者がよく見かけられる。感情を押し殺してはならないが、
よく笑い、喜怒哀楽をはっきりすることが大切。
自然にまかせず、「そうなる」と意識して生きる。
「高齢者」と一括りされても、個人差が大きい。
どんなに老いてもその先のことは誰も経験していないことであり、生きるヒントになれば
幸甚である・・で終わっている。
同感、共感する部分も多々有りだった。