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「清少納言のきつーい一言」・まんがゼミナール 「枕草子」 その32

2021年12月11日 11時37分01秒 | 読書記

足腰大丈夫な内に出来る限り、不要雑物処分・身辺片付け整理をしよう等と思い込んでからすでに久しいが、正直なかなか進んでいない。それでもここ2~3年には、押し入れや天袋、物置、書棚等に詰まっていた古い書籍類等をかなり大胆に処分してきた。ただ、中には「これ、面白そう・・」等と目が止まり、残してしまった書籍もまだまだ結構有る。その中に、漫画家赤塚不二夫著、元東京学芸大学附属高等学校教諭石井秀夫指導の古典入門まんがゼミナール「枕草子」(学研)が有る。多分、長男か次男かが、受験勉強中に使っていた「枕草子」の解説本・参考書の一つのようだが、錆びついた老脳でもなんとか読めそうな、まんがで描いたくだけた内容、その内いつか目を通してみよう等と仕舞い込んでいたものだ。ながびく新型コロナ禍、不要不急の外出自粛中、ふっと思い出して、やおら引っ張りだしてみた。当然のこと、本格的な「枕草子」解説本、参考書とは異なり、限られたサワリの部分に絞ったものであるが、学生時代に多かれ少なかれ齧っていたはずの日本の代表的な古典、清少納言の「枕草子」も、ほとんど覚えていないし、「古典」に疎く、苦手な人間でも、十分楽しめそうで、御の字の書である。


「清少納言のきつーい一言」・まんがゼミナール「枕草子」 その32

第195段 「ふと心劣りとかするものは」
言葉遣いについて異常に潔癖で保守的だった清少納言は、卑しい言い方、言葉の乱れを極端に嫌った女性だったが、そんな彼女の自論が述べられている段。

「おんどれ!」「あかんたれ!」
フッ!、としらけた気分にさせられるのは、女かて男かて、品のない言葉を見聞きしたときでおます。
「屁!」「おなら!」
これは、何よりあきまへんことどす。ほんの言葉一つで、上品にも下品にもなるでおます。
そうは言うても、こない思うてるワテかて人より立派な言葉遣うてるわけやおまへんで・・。
ええと悪いの判断の基準なんてわかりはしないものでおまスが。とは言え、ほかの人は、よう知らへんけど、ワテは自分の気分で決めるのや。下品な言葉、間違うた言葉も、それを知っていて、ことさら言うのは、かめへんどすが。
「ワッ!、いかしたお方!」「あったまに来ちゃった!」
日ごろ、癖になった言葉を、気にもせんと口に出すというのは、聞き苦しおます。
「おスんの人気は、たいスたもんだベ。サインしてけれ・・・」「コッカイギインがコッケイとは思わねべか?」
そんな言葉遣いが、似合わない身分の男やお年寄りが、わざとへりくだった田舎じみたなまりを使うのはいやらし!。
「ホラホラ、のろくさしくさって!」
もう年配の女房が乱暴で下品な言葉を平気で遣うのを、まだ若い女房は、ひどくきまり悪く聞いてる様子どす。
何を言うにしても、
「ナウいくないわあー・・」「ルンルン気分」「君に胸キュン」
等と言うのは、大変みっともなく、聞こえるわ。ましてこんな言葉遣いを、手紙に書くんは、お話にもならへんでおす。物語やまんがなどに下手な言葉遣いしてあると、がっかりして、作者本人まで、だめに思えます。


原文だよーん

ふと心劣(おと)りとかするものは、男も女も、ことばの文字いやしうつかひたるこそ、よろづのことよりまさりてわろけれ。ただ文字一つにあやしう、あてにもいやしうもなるは、いかなるにかあらむ。さるは、かう思ふ人、ことにすぐれてもあらじかし。いづれをよしあしと知るにかは。されど、人をば知らじ、ただ、心地(ここち)にさおぼゆるなり。


(注釈)

急に幻滅を感じるものは、男でも女でも、言葉遣いの卑しいのは、何事にも勝って嫌なことだ。ただ、用語一つで、妙に上品にも下品にもなるのは、一体どういう分けであろうか。と言っても実は、このように思う私自身が、格別人より優れている分けではあるまいよ。どれを良い悪いの基準として判断したらよいのか分かりはしないのだ。しかし、他人はともかく、ただ、自分の気持ち一つでそのように思われるのである。

(つづく)
あと 4段、頑張れ!


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