古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

異国の窓から 宮本輝

2024-08-16 07:22:52 | 本の紹介

角川文庫 1988年

 

ドナウ川を巡る紀行物語。大上記者との

 

小競り合いがひとつの読みどころとなって

 

ゆくのか。っていうか、大上記者との小競

 

り合いしか心に残らへんかった。あわわ。

 

あと、留学生を東京に3年だったか引き受ける

 

くだりね。

 

ぼくのお脳が悪しきものなのか、一冊の本を

 

読んでここまで心に響かなかった本も珍しい。

 

いや、面白くないわけじゃないんだけど、文体

 

なのかね。なんかよう分からんが心に響かへん

 

かったわ。あっ、そう言えば、輝氏も大阪弁やった

 

わ。って、わし大阪人とちごうたわ、あい、睡魔

 

篇。チーン。

 

(読了日 2024年7・25(木)20:36)

               (鶴岡 卓哉)

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こんなこと 幸田文

2024-08-13 04:24:02 | 本の紹介

新潮社文庫 昭和25年

 

「父」と「こんなこと」が収録された本書。

 

本書についての考察は塩谷登氏の解説をお

 

読みになるといいだろう。獅子が子を谷に

 

落とすようだ、という指摘は、まさにその

 

通りだ、と思う。露伴氏に仕込まれて、か

 

なり痛い目にあったようだが、ぼくの父は

 

なんちゃって作家なのだが、そう大してう

 

るさいことは言わなかった。いびられては

 

いたが。まだ、健在だが露伴氏とは比べる

 

べくもなく小人だ。文氏はお正月を恐れて

 

いたそうで、露伴氏が不機嫌でやねこかっ

 

たらしい。性教育についても言及していて、

 

文氏はなかなか初心らしからぬところもあ

 

ったようだ。すべて作品の出発点となった

 

本書。文氏の入り口としてはよかったので

 

はないか、と思っている。

 

(読了日 2024年7・22(月)23:20)

 

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父   幸田文

2024-08-12 11:30:36 | 本の紹介

新潮社 昭和24年

 

文女史は露伴の娘であり、その父を看取った

 

ことが描かれている。たいてい、誰もが親を

 

看取ることになるだろう。文女史の場合、

 

文豪の気難し屋とあってはいろいろ悩みも

 

多かったようである。いろいろ我が儘を露伴

 

は言ったらしく、例えば、氷を食べたいと

 

言えば、文さんは氷を駆けずり回って、手に

 

入れたという。愛憎入り混じった感情が渦巻

 

いていて、読むのもなかなかにして辛いも

 

のがある。決して、楽しい読書というわけ

 

にはいかない。苦読である。読書というものは

 

耐えるということでもある、ということを

 

教えられた気がする。文豪を父上に持つ悲哀

 

というか苦労、悼み入ります。

 

寝たきりになって、その大変さが身に沁みて

 

分かってくる。

 

ああ、わしの親も寝たきりにならなければい

 

いなあ、と思った。

 

(読了日 2024年7・18(木)23:20)

                (鶴岡 卓哉)

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河童のタクアンかじり歩き 妹尾河童

2024-08-11 10:59:28 | 本の紹介

南海トラフも注意報が出てますね。いやですね、来て

 

欲しくないです。被災された方々はすごく暑いのに気

 

の毒です。

 

まあ、あんまりくるくると神経質になり過ぎて病気にな

 

っちゃうとあれなんで、河童さんのレビューでも、どうぞ。

 

文藝春秋 1983年

 

なにを隠そうこのぼくはタクアンが大好きで、食卓には

 

必ず寒干しのタクアンが並ぶのだ。

 

1983年当時、タクアンと言えば、塩と麹で漬けたもの

 

だったそうだが、今のスーパーのどこに行っても、麹で

 

漬けた本式のタクアンはどこにもない。調味液に漬けた

 

ものがほとんである。タクアンを通して、社会を見る、

 

という試みはとても面白く、刑務所や洋上にまで話は飛び

 

飛び飛びに飛んで、話は一見するとタクアンとは関係なく

 

なっちゃってくる。けど、はっきりとしたのは、タクアン

 

大好きがどうなるかと言うと、自分で漬けちゃう、という

 

のは共通してあるようだ。ニューヨークでタクアンを食べる

 

必要があるのか、ちと疑問だが、タクアン好きは世界中に

 

いらっしゃるようだ。

 

(読了日 2024年7・15(月)23:15)

               (鶴岡 卓哉)

 

 

 

 

本文とは一切関係ないんですよ。昔、行った日御𥔎ですね。

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銀座旅日記 常盤新平

2024-08-08 05:46:58 | 本の紹介
ちくま文庫  2006年

2003年から2006年までの三年半、「ダカーポ」

に連載していた日記。

山口瞳氏を師匠に持ち、銀座を遊びの主戦場にしてい

た新平氏。

とんかつばっかり食べている印象。あと、朝食に塩鮭ね。

粉を吹いたようなのがお好みだったとか。

広島にも訪れていて、ぼくもよくいくアカデミイ書店も

でてくる。

愛猫家としても知られ、ブラッキーという猫もかわいが

っていらした。あと、好きなものは、シチリア。ゴッド・

ファーザーⅠ・Ⅱ・Ⅲを一日かけて見たりしている。

当然、旅行もされていて、2006年ころには胃癌手術を

受けて、タバコも止められている。2013年に亡くなられ

ている。享年82歳。

(読了日 2024年 7・9(火)15:05)
                (鶴岡 卓哉)   

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本の運命 井上ひさし

2024-08-01 14:40:55 | 本の紹介
文春文庫 1997年

本についての本っていうのが、ぼくはとても

好きであり、この本も、2010年75歳で

亡くなった井上氏の本に対する姿勢を大いに

伺える本となっている。


ぼくは本を線引きしたりして、汚すのがムリで

本に書き込んだことは一度としてないのだが、

ひさし氏は赤線で線引きすることを薦めている。

これは確かにと思ったのは、遅く読むと速く読める

という理論。じっくりと丁寧に読めば読むほど、

速く読めるかもしれない。

井上氏の家には13万冊の蔵書があり、自宅が

壊れたというのはあまりにも有名な話だ。

山形の方にその13万冊をつかって、図書館を

つくったらしい。

ひさし氏の幼少時代から大学生くらいまでを語って

いて、面白く読める。野球がお好きだったらしいね。

映画も映画館に行き、高校時代毎日観ていたという。

その捻出したおカネは、図書館の本をうっぱらったり

いろいろな悪さをしていたらしい。

75歳とは、ちょっとまだ若かったね。

(読了日 2024年6・28(金)0:46)
               (鶴岡 卓哉)

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日記+「だからロッドを抱えて旅に出る」PT1 残間正之

2024-07-31 03:01:46 | 本の紹介
今は、3:10。昼間は暑くて、なにも

できない。カフェもクーラーがないので、

人が来ないし。

文学賞も落ちてしまったしで、ちょっと

落ち込んで、書く気も起きないですが、

次は、ちょっと目線を変えて、応募する

のを変えてみようかと思います。

なんだか、こう書いてみると、ちょっと

元気も出るかもです。

未来には、明るい何かが待っていると信

じるのも悪くないかな、と思っています。

今日の本は釣りの本ですよ。

枻(えい)出版社 1999年

釣り、に行く、ではなく、タイトル、

旅に出る、となっているように、いろいろ

なところに旅に出て、釣りをしている。

残間(ざんま)さんは、写真家でもあるらしく

て、秀逸な写真が多数載っている。

ぼくはこの本の中で、パイク釣りがいちばん

心に残った。最後ってこともあるのかもしれない。

オランダで行ったが、伝説のガイドを伴っても

釣れない。この人のメーンテーマは釣れない

釣りらしいので、真骨頂だろう。

最後にエサ釣りで引き上げるのだ。この本は

「フィッシング」という本に寄稿されたもの

らしくて、かなり専門的知識のある人が読む本

らしく、ぼくはかなり、よく分からなかった。

専門用語が、レギュレーションって、そこで

釣るルールらしいのだが、それさえ、分からな

かった。

絶版になっているらしいので、読むのは難しい

かもしれない。

(読了日 2024年6・26(水)21:47)
                (鶴岡 卓哉)



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最後の読書   津野海太郎

2024-07-14 06:53:23 | 本の紹介
新潮社 2018年

ツノウミ・タロウではなくツノ・カイタロウ

と読むらしい。

ちゃんとした賞も獲っておられるし、晶文社

のおえらい人だという。しらんかったわ。

80になられるらしく、本が読めなくなった

いや、もう読めない、と読書に関しての老年化

に伴う障害について、つらつらと書いておられる。

でも、そんなに退屈でもなく、この人の

文体には光るものが確かにあるので、ただの

老人の繰り言とはちと訳が違う。そこには

文体というものがあるからだ。

解説で鈴木敏夫氏の文章が載っていたが、やはり

これは退屈だった。比すると、津野氏の文章は

ピンと糸が張っている感じがした。そういった意味

では、鈴木氏は津野氏の引き立て役にはぴったり

だったんじゃなかろうか。

(読了日 2024年5・30(木)17:00)























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〈映画の見方〉がかわる本 ブレードランナーの未来世紀 町山智浩

2024-07-13 08:53:06 | 本の紹介
新潮社 2006年

第一章 デヴィッド・クローネンバーグ監督「ビデオ

ドローム」から口火を切る。支離滅裂、本人の

クローネンバーグ監督すら自分でわからない、という

難解な作品をどう料理するのか? 
 
第二章 ジョー・ダンテ監督「グレムリン」この

奇妙で怖い映画をどう批評するのか。おもし

ろくて映画好き全ての人に読んでみて欲しい。

第三章 ジェームズ・キャメロン監督「ターミネー

ター」考えてみれば、すべてSF。第四章も、

テリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」

結果的に個人的には一番好きなってしまった映画、

オリヴァー・ストーン監督の「プラトーン」

第六章 デヴィッド・リンチ監督「ブルー・ベルベッド」

この不思議で怖い映画。説明するのも怖い。

第七章 ポール・ヴァーホーヴェン監督「ロボコップ」

そして、締め括りは第八章、リドリー・スコット監督

「ブレードランナー」この映画もけっこう暴力的だ

よな、でも、SF好きで嫌いな人はいないと思う。





































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思い出を切りぬくとき  萩尾望都

2024-07-10 19:40:12 | 本の紹介
河出文庫   2009年

いくら少女漫画を読まないぼくでも望都

さんという大天才漫画家のことは知って

いた。

へえ、エッセイなるものを描いていら

したのか。古本で見つけて、速攻買っ

て読んでみた。その挿し絵にやられた

ポーの一族か、読んでみたいぞ

いつか読んでみたいぞ。中島らも氏は

少女漫画を愛読していたらしいが、羨まし

すぎるぞ。ぼくも、読んで見たい、少女漫画!

うーん、アマゾンで今なら買えるけど、

いかんせん、ポチる勇気もない。

このエッセイは、顔はあっちに向いたり、

そっちに向いたりするが、どこか読者に

気が向いてくれていて、天才ってそうなんだよ、

ナチュラルなんだよね。音楽でもそう、モー

ツァルトでも、気取ったところなんてなかった

と思うもんな。

















































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