古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

至高聖所(アバトーン)    松村栄子

2018-10-01 04:19:58 | 松村栄子
福武書店   1991年~1992年


これほどまでに人間の内面を描くのが巧みな作家というのもなかなか


いないのではないか。


さすが第106回芥川賞を受賞しているだけのことはある、と読み応え充分


である。


学園ものといえる、女子大学生の沙月が主人公でピアニストになるだろう


と思っていた姉がいる。同室の真穂というかわった女子がいて、その真穂


が書く舞台劇の台本が至高聖所(アバトーン)を扱っている、ということから


このタイトル。


いろいろな文学的な仕掛けが縦横に張り巡らされていて、伏線もいろいろあった。


読んでいて、楽しく、文学的に充実した時間を過ごせた。


同時所収の「星の指定席」中学校の女教師を描いた秀作です。
コメント
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