新潮文庫 昭和40年
この文庫の初版でたのが55年前くらいである。読み継がれている文学の
面白さ、強さ、を読んでいて感じた。
趙行徳という男の目を通しての中国の戦争の歴史の一端が垣間見えて
くる。
そのストーリーの奇抜さは群を抜いている。初めの5ページを我慢して
読めば、あとはその作品の面白さに身を委ねれば良いのだ。
それにしても1000年ころの中国人というものは、戦いに明け暮れている。
そんなに殺し合いが好きなのだろうか。人が多いので、殺し合って、人を
減らしているのだろうか、とさえ思えてくる。
それにしても、趙行徳という男は不死身とも言える強運の持ち主として
描かれるが、なんとも魅力に溢れた男たちで物語は語られてゆく。
ボクがこの時代に生まれていたら、カップラーメンを待っている間に
殺されていただろうな。あっ、カップラーメンないか?......合掌。