幻冬舎文庫 平成15年
ご自分をチガイのわからない女とおっしゃるが、頭が
いいのは文章を読めばおのずとわかる。
牡蠣の腐ったのをたべても、カニシチューの腐ったのを
たべても、腹を下さない女。うーん、またくすごい女だね。
さすが、檀師匠の娘だ。
檀一雄さんが病床で、「願わくは 花の下にて春死なむ
そのきさらぎの望月のころ」はすごくキレイで、ボクもギャ
クジョーして暗誦してしまった。こんな美しい句が頭でこ
だましている人になりたい。
子分の使い方もわかる、いとおかしな本であった......合掌。
(鶴岡 卓哉)