早川書房 1988
中井紀夫氏の短編である。中井紀夫氏という人を
知らなかったが、〈能なしワニ〉シリーズで冒険
アクションの世界を描いていたという。
果たして、これはSFなのだろうかという疑問が
沸々と湧いてくる。恋人とのデートに行こう、と
しているのだが、自分がショートしてしまって、
体がうまく動かない上に、思考が止まらなくなって
しまうのだ。これは狂ってしまった、と言うことな
のだろうか? きっと、狂ってしまった人と言って
いいのではないか、と思う。連想ゲームの様に途切
れなく思考する割にはちゃんと歩くのもままならない。
恋人の元へとたどり着こうとしているものの。
ラストはネタバレしちゃっていいのか、いや、ぼくの
解釈では轢かれて、死んじゃう、っていうものなんだ
けれど、どうなのか?