「素敵な活字中毒者」所収。 昭和十一年
活字を愛する余り、少年時代に活字を買いに文字
通り走っていたと云う。あぁ、ぼくだって負けない
くらい活字が好きなのだ、と喝采を挙げたくなる。
「少年世界」と「日本少年」と「少年」と云う
雑誌があって、それぞれ特徴があって、「少年世界」
は毎号小波山人がおとぎ話を執筆していたと云う。
押川春浪、江見小蔭の名も踊り、当時のことがイキイキと
描かれてゆく。ポオやドイルの探偵小説を愛読し、古本屋
も開業していたと云う。
そして、小説家となることによって活字そのものと結婚
してしまった、と云うことだ。今の時代、直ぐにプリンターで
活字めいたものを印刷できるが、やはり、活字とはちと
違う。水に濡れても滲まない活字にすごい僕は憧れを抱い
ている。
(読了日 2024年12・2(月)20:20)
(鶴岡 卓哉)
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