小学館文庫 1995年
荒唐無稽なストーリーというか、ご都合主義満載というか
自由奔放に手塚氏はこのmwという毒ガスをめぐるストー
リーを構築されている。
まったくマンガ的というか、あり得ない話がごろごろ転が
っている。支店長の娘にカツラを被っただけで、なんで美
知夫は似てしまうのか? あり得んだろ。いろんな女にカ
ツラを被っただけで似てしまう。おかしな話だ。整合性は
まったくないが、マンガの神様だから許されるのだ。
これは異世界なのだ。まったく現実とは異なる世界の話
なのだ。誰かの夢の中、そう、手塚氏の夢の中をのぞいて
見ているのだ。これは、彼が見た白日夢だ。いや、おもし
ろかった。……合掌。