弱小ブログながら、楽しみに読んでくれはる人もいるかもしれない
のに、だいぶ、ごぶさたしてしまって、お待たせしました。
パソコンの不具合が重なり、更新できずにいました。
今日はパソコンもいい天気に御機嫌なようです。
では、いってみましょう。
「猫殺し」その他の短編、所収。 文藝春秋 1994年
ばあちゃんが呆けて、猫のことでもめるので、オボは、「もう殺す
しかねえ」ということになって、老猫をボストンバックにしまいこみ、
袖無川に沈めて、殺そうとする。
じゃぶじゃぶとはいり、猫を救出して、子供たちはスキをついて逃走。
その三人を山をのぼったりして、ずっと追いかけてくる赤目男。ここら
辺はまるで悪夢だ。いや、この短篇すべてが悪い夢のようである。
川沿いに行くと、赤目男はぬかるみに落っこちる。ロープだけ投げやって
子供たちはまた逃げていく。ぬかるみに落ちて、身動きのできなくなって
しまった赤目男の状態こそ、この短編の見どころだ。追っては、もう
追ってはこれない。それを助けてやりさえする。でも、まだ、追ってくる
のじゃあないか、と怯えている。サスペンスっぽさもあって、おもしろか
った。