MF文庫 2010年
ぼくの遅まきの青春時代、四天王時代の真っただ中だった。三沢、
小橋、川田、田上の四強といわれた人たち。ああ、あのころのプ
ロレスは最高に輝いて見えた。1998年の広島大会で、メーンで
三沢光晴がエメラルド・フロージョンを繰り出して、勝った試合で
馬場社長と握手したということが幻覚であったような気がしてくる。
うーん、あのころのおれっちはプロレスに夢中だったからなあ。
川田氏のちっちゃいのに驚いたり、田上のでかさにびっくりしたり
していた。そのころのことが走馬灯のように巡り巡る。馬場社長の
ことはいくら読んでも読み飽きることがない。その上、ジャンボ鶴田氏
のことも書いてある。ジャンボといえば、日本人最強レスラーと
名高い男である。そのジャンボ氏、馬場社長、三沢光晴氏、橋本新也氏
ゲイリー・オブライト、ウィリアム氏、テリー・ゴディ氏などキリがない
くらいのレスラーが亡くなっていった。で、ぼくはプロレスをまったく
みない人になってしまったというわけだ。