古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

大風呂敷と蜘蛛の糸   野尻抱介

2023-06-10 11:26:09 | 小説の紹介
ハヤカワ文庫  SFマガジン2006年4月号

彩瑛という女子大生が公募で宇宙へ行く企画に、

凧の要領で行く案で応募し、それが実現してい

く。本当に凧で成層圏に行けるのだろうか、と

ふと疑問にも思う。空気が薄すぎ、風もあるのか?

と思って読みすすめると、ヘルメットにひびが

入ったと思ったら、蜘蛛の糸だった。蜘蛛が高度

80キロにいるのだ。

ぼくは星と星とを渡り歩いたるする話が、割りと

SFでは好きなのだが、こういう手合いもあるのか

とSFの奥の深さを知った。これは、この短編集の

トリだった。この短編集、収穫だったな。抱介氏

なんて、ちっとも知らなかった。SF好きとしては

こういう人にもっと知名度をあげていって頂きたい

と思う。

 (読了日 2023年5・18(木)5:37)
               (鶴岡 卓哉)
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