文春文庫 2009年
星野源氏はほんとうにバカなのだろうか。ぼくにはバカ
には思えない。いや、だめエピソードだけ拾えば、そりゃ、
バカに違いないが、彼はとてもユニークで、ある意味
とても利巧なのだ、と思う。誰にもマネのできない「恋」
という歌をヒットさせ、一世を風靡する前夜、彼はこんな
エッセイ集を出していたのか。でも、彼はかわいい奥さんと
結婚したし、ひとりではない、と思っているのだろうか。
あんなかわいい奥さんがいたら、もうこんなだめなエッセイを
書いても説得力ないしな。羨ましいかって? ぜんぜん。
やっぱり、ぼくはひとりがいい。彼がひとりが好きだと言って
いたのは、あれはウソだったのか、とも思うが。いや、
彼(源氏)も病気したりして、心細くなったのかもしれない
しなあ、とひとり好き、生活の達人(自分で言っちゃう)の
ぼくは、かわいそうに、と思ったりする。
(読了日 2023年5・23(火)22:50)
(鶴岡 卓哉)
星野源氏はほんとうにバカなのだろうか。ぼくにはバカ
には思えない。いや、だめエピソードだけ拾えば、そりゃ、
バカに違いないが、彼はとてもユニークで、ある意味
とても利巧なのだ、と思う。誰にもマネのできない「恋」
という歌をヒットさせ、一世を風靡する前夜、彼はこんな
エッセイ集を出していたのか。でも、彼はかわいい奥さんと
結婚したし、ひとりではない、と思っているのだろうか。
あんなかわいい奥さんがいたら、もうこんなだめなエッセイを
書いても説得力ないしな。羨ましいかって? ぜんぜん。
やっぱり、ぼくはひとりがいい。彼がひとりが好きだと言って
いたのは、あれはウソだったのか、とも思うが。いや、
彼(源氏)も病気したりして、心細くなったのかもしれない
しなあ、とひとり好き、生活の達人(自分で言っちゃう)の
ぼくは、かわいそうに、と思ったりする。
(読了日 2023年5・23(火)22:50)
(鶴岡 卓哉)