古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ジョン・レノン対火星人     高橋源一郎

2018-03-18 10:23:15 | 小説の紹介
新潮文庫(絶版)


ドスケベーにしか書けないような作品だな、と思って調べたら五回も


結婚されてた。これはモノホンのスケベ-の女たらしだな。


でも、作品は悪いわけじゃない、ボクはスゴい好きだし、言語の壁とか、


ジェンダーを乗り越えた、優れた作品だと思う。


どこか夢のようで、人間の思考って、そもそも一直線じゃないような気


がする。あっちいったり、こっちいったり、つまり、スゴく人間的なん



だよね。ある意味、スゴく人間くさいっていう。そして、同時にそういう



邪な部分を取り除いて、ピュアなところだけを抽出したようなところがあ


る。それが、読んでいて不快じゃない、理由なんだと思う。
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私生活       神吉拓郎

2018-03-17 09:48:39 | 小説の紹介
文藝春秋  昭和57年5月~昭和58年10月号 「オール讀物」。


都会的センスの光るものから(いささか古びてはいるが)、ちょっと怪しげな



釣りのはなしまで、小話が詰め込まれている。



私生活というタイトルから、身辺雑記的なものなのかな、と思うと趣は違うん


ですね。


ちょっとタイトル変えれば、おもしろいのにな、とも思うが、この神吉さんにとっ


ての日常を描いたのでしょう。


それにしてはへんてこな話しが多いです。


日常とは一筋縄ではいかない、ということなのでしょう。
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ハリガネムシ     吉村萬壱

2018-03-16 10:04:32 | 小説の紹介
文藝春秋     2003年5月。



あまりの酷さに失笑するしかなかった。文章が酷いというんじゃあない。



文章は芥川賞をとっているのだから、ちゃんとしているのだが、イタい、


というか、人間の持つ滑稽さといおうか、生の営みの性に対する切なさ



哀しみを最後には感じてしまった。


人間はこうも墜ちていくのだ、と思うと、女と男の関係の怖さ、とか、


おかしみ、を感じる。


文学というものの本質を突いている、といえばいえるワケである。
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東京居酒屋探訪   大道珠貴

2018-03-15 09:40:27 | 本の紹介
講談社文庫 2006年9月。



東京中の居酒屋をのみあるく、といっても、その文章のほとんどは



自身の思い出話である。


ボクは大道さんなんて知らなかったから、そのルックスの姉御みたい


な感じから、ちょっと怖い人なんじゃねえ、と勝手に思っていたが。


ボクは勝手に姉御と呼んでいたが、先生は学生時代のあだ名が姉御だっ


たらしい。


その姉御が描いたと思えないかわいらしいさし絵もある。


この人はアル中じゃない、といっているが、朝から酒って、やっぱりそれっ


てアル中じゃねえの?
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ゴーストバスターズ 冒険小説   高橋源一郎

2018-03-14 03:45:36 | 小説の紹介
講談社 1992年



書く前に決めていたことが七つあったらしくて、ことごとくそれを



クリアしている。ポストモダン小説といえば簡単だが、これは文学の


革命であった。ストーリーは散文の寄せ集めのようになっているが、それ



を構築していくと、偉いものができあがって行く。後半、一気に読ませる。


どうなるのだ、と冒険小説と銘打っているだけに、ハラハラしてくる。


夢というテーマがあって、それに、呼応するように白昼夢のような話し、そ


れでいて小説になってくるところが高橋教授が超人マンであるゆえんなのだ。


そうだ、たしかに源ちゃんマンは、たしかに空を飛び、我々を知らずしらず


のうちに助けてくれるのだろう。
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よなかの散歩      角田光代

2018-03-11 00:59:24 | 本の紹介
オレンジページブック   2011年。


四十歳っておばさんだろうけど、角田女史は若作りが止められないという。


スパッツをレギンスという言い方をためらいつつも、、はきたがる。


スイーツも言いたくないとか。


きっと、角田さんには、子供さんがいないから、(読む限りはいそうにない)


なんですよ。


レシピを使わないでも料理を作れるようになったとか。ボクは逆に、レシピ


通り作ったことがない。でも、おいしく作れる(自分で言っちゃう)。


ケーキは別だけど。


まひるの散歩につづいて、読んだんだけど、くだけた文章だけど、しっかりと


していて、しゃちほこばっていなくて、読みやすかったです。
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ペンギン村に陽は落ちて    高橋源一郎

2018-03-10 01:08:37 | 小説の紹介
集英社 1985年~1989年。


マンガは文学になり得るか? または文学はマンガを超えられるか?


に果敢に挑戦した書。


ペンギン村で起きる夢と現実の入れ替え、ドラえもん、キン肉マン


など、お馴染みのキャラが文学として蘇ってきた。


ただ単純に面白いから読むという、そこがいろいろ考えなくていい


マンガとの共通項かと。
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とらちゃん的日常       中島らも

2018-03-07 20:21:16 | 本の紹介
文春文庫   2004年


故・中島らもさんのネコ愛が語られる。


らもさんの家は生物がいっぱいいたそうである。実に楽しそうである。



とらちゃんが暮らした家はわかぎえふ女史の実家である。


片足のライバルの登場など、ネコ好きでなくとも楽しめる。


お馴染みの麻薬話もあり、幻覚キノコが自販機で売っていたという。


また、トリップしたもようが爆笑必至で語られる。
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犬の足あと 猫のひげ    武田花

2018-03-06 02:55:18 | 本の紹介
中公文庫 1996年2001年。


今まで出版したフォトエッセイ、エッセイ集から選んで編纂してある


作品集。


ボクは読んだことなかったものばかり所収されていた。


花女史の写真はえっ? これなに? と思う写真が多く、一筋縄では


いかない。なんでこんなものがこんなところに………と。


この作品に出てくる人たちもそうで、家の中に仔猫の死骸のある人や


深夜に誕生日パーティーをする怒りっぽいお母さんのいる家族やらがでて


くる。


この世の中、奥深いなあ、と思わせてくれる、日常の中に潜むディープ


さがテーマとなっているようである。
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公園通りの猫たち      早坂暁

2018-03-05 01:14:38 | 小説の紹介
講談社文庫。1989年12月


先日、亡くなった早坂さんである。ご冥福を祈る。では、早速、書評


だが。


渋谷の眠らない通りに屯する猫たちに餌を与え、かわいがっている。


餌を与えるのはどうかと思うが、読後感はなんか、この太郎やら巡査


が全部作られごとのように思えてくる。確かに写真はあるが、よく作


り込まれた虚構のような………なにせ脚本家だからねえ。


猫に対する思いはあるんだろうねえ。


でも、餌をやってるんだったら、本物の猫思ってるってことにならない


んじゃないかとも思えてくる。ダメですよ、猫に餌あげちゃ。
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