古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

しずかな日々     椰月美智子

2018-03-03 23:51:30 | 小説の紹介
2006年10月 講談社文庫。野間文芸賞、坪田譲治文学賞、W受賞


小学五年、おじいさんと過ごすことになった日々を静謐な目で追う。



なんでもない日常が輝いていた、ということがよく伝わってくる。


空き地での野球、お泊まりでふざける風呂、グッピーを飼育すること……



誰にでもあり得た日常が文学によってここまで高められるという。



文体が読んでいて、飽きさせない緊迫感を生み出していて、すごく、ひりひり


とした青春前夜のいい意味での青臭さみたいなものを感じる。


このおかあさんがへんな占いみたいなのをやっていて、それがいいアクセント


になってるんだよね。


傑作といってしまっていいんじゃねえ? ボクはこの椰月さんのを初めて読ま


せていただきました。どうやらこの作品が傑出しているようです。
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全東洋街道      藤原新也

2018-03-02 02:28:14 | 小説の紹介
集英社文庫 (上)、(下) 昭和58年1月


イスタンブールから発して、日本の高野山に達するまでの


400日の紀行文。イスタンブール、猥雑極まる街、けど、7


0年代の日本って、今よりもっと猥雑な感じがしてたと思う


んだけど、まあ、生活感ともいえると思うけど。



鉱石の街といい、宗教的にも日本人にはキツそうである。



トルコでは、山羊の脳みそをラクーと言う酒の肴にすすめられる。



上海で、無表情の人たちにで会い、香港では、中国から豚の膀



胱の浮き袋に捕まって泳いできた、という兄弟とで会う。



どこの街も汚い。やはり、日本が一番いいと思う。



ボクは世界旅行は遠慮しておきます。檀一雄さんもヨーロッパをも




のしたけど、ボクは旅行するなら国内にとどめたい。



とても、ボクにはムリそうです。読むのだけで充分満足でした。






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