古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

無芸大食大睡眠   阿左田哲也

2023-06-08 06:44:36 | 本の紹介
集英社文庫  昭和58年

これは1988年に発表され、文庫化された阿左田氏による

エッセイ集だ。こういう戦後の芸能史みたいのが、割りとぼ

くは好きで、高峰秀子とか、知りもしないくせに、入江たか

子なんてのを見ると、わけもなくドキドキしたりする。

阿左田さん、美女好きそうだもんなあ、なんか、阿左田氏くら

いゲスな男は美女と写ると映える気がする。とても似合いそうな

気がするから不思議だ(なんか、悪口言ってるな?)

ヴィデオをたくさんコレクションしていたらしい。そのヴィデ

オはどうなってしまったのだろうか。なんかこの人に関しては

不良の色が濃くて、わくわくしてくる。お行儀のよい作家の本が

多い昨今、こういう人はもう出ないのではないか、と思うよ。

    (読了日 2023年5・16(火)23:02)
                   (鶴岡 卓哉) 
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ひと恋しくて  久世光彦

2023-06-06 03:34:31 | 本の紹介
副題 余白の多い住所録   中公文庫  1998年

久世氏の忘れられない76名の人格診断。久世氏

というのは、とても人をうまい具合に褒めるのが

上手な人だ。なかなかこんな感じにうまく人を表

現するのは難しいものだ。もう鬼籍の人が多い。

知っているところで言うと、工藤静香女史をなん

とも不思議な顔、という。太宰治氏のことも書い

てある。50過ぎまでファンであることが恥ずか

しかったという。又なんとかさんみたいに公言

するのはなんともウソクサく、恥ずかしい感じ

がする。ぼくのハハなんかすごく嫌っているが、

よくわかる。太宰はそっと、心の拠り所にする

のが正しい在り方だ。昭和天皇をこよなく愛し

た久世氏は2006、3,2、70歳で亡くな

っている。テレビプロデューサーとして広く知

られていた人である。ぼくの大好きなムー一族

を作った天才である。

(読了日 2023年5・16(火)16:30)

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ゆりかごから墓場まで   野尻抱介

2023-06-05 08:01:59 | 小説の紹介
ハヤカワ文庫    2007年

昔、ボディウォッシャーという体を洗ってくれる全自動装置

の話を友だちにすると、爆笑していたが、よく調べると大阪

万博でそういうのが発表されていて、似たようなことを先人

は考えておったのだな、と思ったりした。この、ゆりかごから

墓場まではC2Gスーツといって内部で排泄から食事まで太陽

電池だけでまかなおうとする装置でした。2700万円するそ

うだ。それを付けて歩いて旅に出たが、あっけなく追いはぎに

やられてしまった。そのあと、火星探査に使われたという話し

だ。火星には有人で行けるようになるのか、そこら辺は分から

ないが、瞬間移動装置があった、とウソの証言をする人がTVに

でていたが、あれは虚言症だったのだろうな。写真もなにもなく

ウソを言っているのは明白だった。

         (2023年5・14(日)27:34)
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使いみちのない風景  村上春樹・文 稲越功一・写真

2023-06-03 07:06:03 | 本の紹介
中公文庫   1998年

この本には「使いみちのない風景」と「ギリシア島の

達人カフェ」と「猫との旅」というエッセーが収録さ

れていて、とても趣味のよい写真が挟み込まれている。

こういう写真のいっぱいある本って好きなんだよねえ。

ぼくはきっと村上春樹氏の持つ世界観が好きなのだろ

うねえ。「使いみち~」では「世界の終わりとハード

ボイルド・ワンダーランド」の書かれた背景が語られる。

旅はお好きじゃないらしいが、結果的に旅と言うもの

をしてしまったらしい時期に書かれている。この頃の

春樹氏はとてもよいね。なんというか、この時期までが

ぼくの春樹氏を好んで読んでいたときだ。それは大いに

若さと才能と言う問題を抱いているとも思うんだけれど

ね。この装丁の写真の箱はなんだろう。未来へ続く、タイム

マシーンのようにぼくには思えるんだけれど。

    
    (読了日 2023年5・13(土)0:26)
                  (鶴岡 卓哉)  
                
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