映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

宮松と山下

2023年09月01日 | 映画(ま行)

宮松の秘密と真実

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エキストラ俳優の宮松(香川照之)は、いつもその他大勢、
斬られたり撃たれたりして死ぬ役ばかり。
それだけでは生活できないので、ロープウェイのメンテの仕事もしています。
そんなある日、宮松の前に現れた男が、彼に「山下」と呼びかけます・・・。

本作、宮松は分かったけれど、では山下は誰なんだろう、
なかなか登場しないなあ・・・などと思って見ていて、
いきなり宮松のはずの男が山下と呼ばれるのにビックリです。

さて、実は数年前、宮松は記憶を失っていて今の生活を始めました。
その彼を知る男が現れて、宮松の本当の名前、山下と呼びかけたのです。
それでようやく宮松は本当の自分の身元が分かり、
妹とその夫が暮らしている実家へと帰ります。

さて、本作に登場する人物たちは皆、言葉少な。
彼らは本当の自分の思いを決して口にしません。
だからわたし達は、せっせと想像力を働かせて
彼、彼女たちの本当の思いを推測しなければなりません。

すると疑問が湧いてくるのです。
本当に宮松は記憶を無くしているのか・・・?

宮松は以前、タクシー運転手をしていて妹と2人暮らし。
その妹への感情がどうも微妙なところ。
彼はその頃の生活から逃げ出したかったようではある。

何もかも捨てて忘れ去ってしまいたかった・・・?

最後のタバコのエピソードも謎が多いです。
私は過去も今も、宮松には喫煙習慣はなかったのでは?という気がしたのですが・・・。
見ようによってはどうとでも採れるシーンばかり。

エキストラの仕事は、ちょい役でも映画に出れば、
誰か自分を知っている人が気づいて現れるかも知れない、と思ったからかも知れないし、
もしくは、死人ばかりを演じることで、今までの自分を殺し、
これからも死んだように生きるという気持ちの表れなのかも知れない。

とても奥深い作品です。

監督・脚本は関友太郎、平瀬謙太朗、佐藤雅彦という
監督集団「5月」の初作品ということで、力の入り具合がよく分かります。
しかーし!!。
香川照之さんの不祥事が取り沙汰されるようになったのが2022年8月。
本作は2022年11月公開。
というかむしろよく公開中止にならなかったなあ・・・と思うくらい。

本来ならもっと評価されるべき作品なのではないかと思いました・・・。

 

<WOWOW視聴にて>

「宮松と山下」

2022年/日本/87分

監督・脚本:関友太郎、平瀬謙太朗、佐藤雅彦

出演:香川照之、津田寛治、尾美としのり、野波麻帆、中越典子

謎度★★★★☆

寡黙度★★★★★

満足度★★★★.5

 


ミセス・ハリス、パリへ行く

2023年08月12日 | 映画(ま行)

自分らしく輝くこと

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1950年代、第二次世界大戦後のロンドン。

夫を戦争で亡くした家政婦、ミセス・ハリス(レスリー・マンビル)は、
勤め先の家でディオールのドレスを目にします。
ため息が出るほどの優雅な美しさ。

その美しさに魅せられた彼女はコツコツとお金を貯めて、
フランスへドレスを買いに行くことを決意。
そしてようやく資金ができて、ミセス・ハリスはパリへ。

でも実のところディオールの店は、彼女には場違い。
威圧的な支配人コルベール(イザベル・ユペール)に、追い出されそうになりますが・・・。
店の会計士やモデル、サシャーニュ侯爵ら、彼女は出会った人々の心を動かしていきます。

ミセス・ハリスがドレス代を稼ぐくだりも色々あって楽しいのです。
何しろ家政婦で稼ぐだけでは生活するのにやっと。
そう簡単にはお金は貯まらないのですけれど・・・。
イチかバチかの大勝負に敗れてすっかり絶望してみたり、
でも幸運の女神はやっぱりいたようで。

それにしてもクリスチャン・ディオールは庶民にはあまりにも敷居が高い。
お金持ちの夫人らが集まるホールでファッションショーが繰り広げられ、
その中で気に入ったものを注文することになります。
それから採寸と何度かの仮縫い。
まさに、その人のためだけの一品に仕上がるのです。

わがままなご婦人ばかりを相手にしている店の従業員たちは、
現金を抱えてやって来たこの風変わりの客、
ミセス・ハリスを好きになっていきます。

ドレスができあがるまで、こんなに日にちを要するとは思わなかったミセス・ハリスは
宿泊費の用意もなく、あきらめて帰ろうとするのですが、
会計士の青年が自宅に招いてくれるのです。
そして、妻を亡くしているサシャーニュ侯爵も、
彼女に好意を寄せてくれているようで・・・。

さて、ここで侯爵が本気でミセス・ハリスに言い寄ったりしなかったのがよかった。
彼女はほんの少し、期待してしまったのですが。

ここで大金持ちに見出されて結婚などしたら、目も当てられない。
本作はそんなシンデレラストーリーではなく、
あくまでも自らの力で歩む一庶民の女性の物語なのですから。

そんな豪華なドレスを持っていたって、いつ、どんなときにそれを着るのか?
全くムダだろうと、人は言う。
けれど彼女に取ってこのドレスこそが自分の生き様であり矜持であるわけで。
人にはそれぞれ、このドレスのような「何か」が必要なのかも知れません。

 

 

それから、ミセス・ハリスが憧れのパリに着いてみれば、街は薄汚いゴミの山。
ちょうど労働者のストライキが行われていて、
ゴミの収集がストップしていたのです。

お金持ちのためだけのドレス、
お金持ちにばかり都合のよい支払いの慣習。

ミセス・ハリスは結局ディオールの店の営業改革にまで貢献してしまった・・・。
ちょうど時代が少しずつ変わっていく所でもあったわけですね。

 

さて念願叶って、美しく豪華なドレスを手に入れ、帰国したミセス・ハリス。
しかし、物語はそこでは終わらない。

最後のひねりがまたスバラシイ。
まさに、尻尾の先まであんこが詰まったたい焼きみたいな・・・、
おいしい一作でした。

<Amazon prime videoにて>

「ミセス・ハリス、パリへ行く」

2022年/イギリス/116分

監督:アンソニー・ファビアン

原作:ポール・ギャリコ

出演:レスリー・マンビル、イザベル・ユペール、ランベール・ウィルソン、
   アルバ・バチスタ、リュカ・ブラボー

女性自立度★★★★☆

自分らしさ度★★★★☆

満足度★★★★★


ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE

2023年07月27日 | 映画(ま行)

恐るべし・・・

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ミッション:インポッシブルシリーズ第7作にして初の2部作。
そのPART ONE。

と言うかつまりその前編だけでこの164分。
超大作ですね・・・。
でも、それほど長くは感じません。

IMFエージェント、イーサン・ハント(トム・クルーズ)の新たなミッション。

全人類を脅かす新兵器を悪の手に渡る前に見つけ出す
・・・と言うとあまりにもザックリしていますが、説明すれば長い。
つまりはハッキングにより本当の情報をニセ情報にすり替えてしまうという、
現代ならではの究極の「力」を発揮することができるための鍵。
まさに、その「鍵」を探し出し入手することが使命であります。

これは悪の組織以前に、どの国でも喉から手が出るくらいにほしい。
そのため今回は、ハントは自分のチーム以外すべて敵という状況になってしまいます。
世界各国を巡り、あらゆる敵と命がけの攻防が繰り広げられます。

いつもながら、ドキドキハラハラの連続。
カーチェイスはもちろんのこと、
断崖絶壁からバイクで空中にダイブ、
疾走する列車の上での格闘、
鉄橋から滑り落ちていく列車からの脱出等々・・・。
最後のほうは、もういいってば、やめて~と言いたくなりました・・・。
命がいくつあっても足りなさそう・・・。

これを    スタントなしで撮っているというのは本当にスゴイ・・・。
先日、バイクで崖からダイブするシーンのメイキングを見ました。
本人がやっていることはもちろんですが、
バイクのジャンプやスカイダイビングなど事前の練習もたっぷり。
本番も一度きりではなくて、何度も何度もあの崖からジャンプ。
トム・クルーズの体力と執念、恐るべし・・・。

まあこれは、とにかく見るしかないという作品で、あまり記すべきことはないのです・・・。

<シネマフロンティアにて>

「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」

2023年/アメリカ/164分

監督:クリストファー・マッカリー

出演:トム・クルーズ、ヘイリー・アトウェル、ビング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン

 

ドキドキハラハラ度★★★★★

満足度★★★★☆


MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない

2023年07月12日 | 映画(ま行)

何度も繰り返せば、自ずと・・・

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小さな広告代理店に勤める吉川朱海(円井わん)。
憧れの人のいる大手広告代理店への転職を目指しながらも、仕事に追われる日々。

ある月曜の朝、後輩2人組から
自分たちが同じ一週間を何度も繰り返していることを知らされます。
他の社員たちにも、1人ずつタイムループのことを説明し理解してもらいますが、
ループ脱出の鍵を握る永久部長(マキタスポーツ)だけが
いつまで経っても分かってくれません。

どうにか部長に気づかせてタイムループから抜け出すべく、悪戦苦闘する社員たち・・・。

とても特殊な設定のタイムループ。

何度も同じ一週間を繰り返していることは、本人が特に意識しなければ、
まるで夢を見たように前の一週間のことが記憶から消え去り、忘れてしまうのです。
だから同僚にいきなり自分たちが「同じ一週間を繰り返している」と言っても、
何をバカなことを・・・と思われて、信じてもらえない。
それを信じてもらうために、先に起こることを言い当てたりして、
証拠を示していきます。

回りくどく、1人ずつこの状況を理解してもらうのは、
最終的に部長にもの申すことのできる人に順番にたどり着くため。

というと、部長は頑固で融通の利かない人物かと思えば、
そうではなく、部下思いのまっとうな上司。

まあとにかく吉川たちは、仕事の締め切りを抱えててんやわんや、
家にも帰らず泊まり込んで仕事をし続けるような一週間を繰り返していたのですが、
何度も同じことを繰り返すうちに、
クオリティの高い仕事を素早く仕上げるようになっていきます。
そして何よりも、チームワークができあがる。

タイムループというSF的テーマでありつつ、
しっかりとしたお仕事ドラマになっているのがなんともシャレているのです。

部長が持っているタイムループ脱出の鍵が、二重仕掛けになっているのも、うまい!!

 

面白いです!!

 

<WOWOW視聴にて>

「MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」

2022年/日本/82分

監督:竹林亮

脚本:夏生さえり、竹林亮

出演:円井わん、マキタスポーツ、長村航希、三河悠冴、八木光太郎

 

タイムループ循環度★★★★☆

お仕事ドラマ度★★★★☆

満足度★★★★☆


耳をすませば

2023年07月06日 | 映画(ま行)

アニメのその後のストーリー

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ご存じ、ジブリの人気アニメの原作である、柊あおいの名作漫画を実写映画化したもの。
アニメで描かれた中学時代の物語に加え、
主人公2人が大人になった10年後のオリジナルストーリーが語られます。

松坂桃李さん出演ということで、興味はあったのですが、
いまさら「耳をすませば」の続きの話と言われてもなあ・・・と、
余計な物を作ってしまったのでは?という疑念が浮かび、
公開時には見ないで終わっていました。

この度は、それでもまあ、見なくてはなんともいえないわけで、その検証です。

天沢聖司くんが目指していたのは、アニメではバイオリン職人だったのが、
本作ではチェロ奏者に変わっています。

中学時代のストーリーは・・・

読書好きな中学生・月島雫(安原琉那)は、
図書貸出カードでよく名前を見かけていた天沢聖司(中川翼)と出会います。
はじめの印象はよくなかったものの、彼に大きな夢があることを知り、
次第に惹かれていきます。
そして、そんな聖司に背中を押され、雫自身も夢を持つようになります。
やがて聖司は夢をかなえるためにイタリアへ旅立ちます・・・。

そして、離ればなれになったまま10年が過ぎたところから本作が始まります。
中学時代の出来事は本編の合間合間に挿入される形です。

出版社で働きながら夢を追い続ける雫(清野菜名)。
イタリアで奮闘する聖司(松坂桃李)を思うことで、自分を奮い立たせていましたが・・・。
夢である児童向けの物語はうまく書けず、そしてまた仕事もつまずいている、
自信喪失している雫。
聖司は確実にチェロ演奏家としての地位を固めているのに・・・。
そんな雫の焦りの姿を描いています。

とはいえ、小さいながらも出版社で、
自分の好きな児童文学分野の編集者となっているなんて、
願ってもないことじゃん、と私などは思うのですが。
その割に、あまり仕事熱心でなさそうなのがなんともナサケナイ。
第一彼女の児童文学観というのが、
「子供に夢を与えるもの」というのがあまりにも浅薄。
私はそんなんじゃないと思うのだけど・・・。
そんなだから、いくら書いても入賞しないはずだわ。
・・・と、なぜか私は辛口になってしまう。

遠距離恋愛10年。25歳。
あまりにも2人ともピュア過ぎないかなあ・・・と、物足りなくも思う。

そして15歳に持った夢に、そこまでこだわらなくてもいいのではないか、
と思ったりもします。
それが変形していく道だってあってもいい。
やっぱり本作は蛇足に思えてなりません。

 

ところで少年時代の天沢聖司を演じた中川翼くんは、
まさに長じたら松坂桃李さんになりそうな雰囲気で、これはよかった♡

 

「耳をすませば」

2022年/日本/114分

監督・脚本:平川雄一朗

原作:柊あおい

出演:清野菜名、松坂桃李、山田裕貴、内田理央、松本まりか、田中圭、安原琉那、中川翼

夢を追う度★★★★☆

満足度★★★☆☆

 


水は海に向かって流れる

2023年06月23日 | 映画(ま行)

恋愛不信女子と

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高校に入学した直達(大西利空)は、通学のために叔父・茂道(高良健吾)の家に居候することになります。
そこは、シェアハウスで、その住人は・・・

いつも不機嫌な顔をしている会社員の榊さん(広瀬すず)

女装の占い師・颯(戸塚純貴)

海外を放浪する大学教授・成瀬(生瀬勝久)

そして、親に内緒で会社を辞め、漫画家となった叔父・茂道

ここで新しい生活を始めた直達ですが、いつも不機嫌な榊さんは、
気まぐれにおいしいご飯を振る舞ってくれたりするので、
直達はいつしか榊さんに淡い気持ちを抱くように・・・。
しかし、彼と榊さんには思わぬ過去の因縁があったのでした・・・。

榊さんは、10年前に不倫をして出て行ってしまった母親に怒りを持ったまま、
もう自分は恋愛なんかしないと思い込むくらいに怒りが凝り固まっていたのでした。
しかしここへ来てその10年に決着をつけるような大きな出来事が・・・。
あくまでも夫婦間の「不倫」という出来事ではありますが、
そこに子供がいると、問題は大きくなりますね。
でも、人の世にそういう出来事がなくなることはないでしょう。
となれば、どのようにそれを乗り越えるのか、ということが大事になります。


変な住人たちが住むシェアハウスがステキでした。
直達クンの同級生、楓ちゃんはすごくいい子だったのですが、残念でした・・・。

<シネマフロンティアにて>
「水は海に向かって流れる」
2023年/日本/123分
監督:前田哲
原作:田嶋列島
脚本:大島里美
出演:広瀬すず、大西利空、高良健吾、戸塚純貴、當真あみ、北村有起哉、生瀬勝久

青春度★★★★☆
不倫騒動度★★★★☆
満足度★★★.5

 


MEMORIA メモリア

2023年06月07日 | 映画(ま行)

音と記憶

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タイの名匠、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督による、コロンビアを舞台とした作品。

南米、コロンビアのメデジンに住む農園家のジェシカ(ティルダ・スウィントン)。
入院している姉の見舞いにボコタを訪れます。
そんな明け方、ジェシカは大きな爆発音のようなもので目を覚まします。
それ以来、彼女は自分にしか聞こえないその音に悩まされるようになります。

そんな中で、ジェシカは建設中のトンネルから発見された
人骨を研究する考古学者と知り合います。
そして発掘現場近くの町を訪れます。
そこでジェシカはエルナンという風変わりな男と出会い・・・。

 

カメラを固定し、長ーいワンシーン、というところがとても多いのです。
それも、セリフの応酬のようなシーンではなく、
ほとんどセリフもアクションもないという。
近頃はちょっとした映像なども早送りで見る方が多いそうで、
私はそういうことはほとんどないのですが、
本作はつい早送りしたくなってしまいました・・・。

しかし、この長さも間も、それこそが監督の意図なのだから、
と自分を納得させつつ見ていきました。

本作は音と記憶についての物語。

「音」自体は、どうかよく分かりませんが、
「音楽」と記憶が結びついているというのは割とありますね。
昔聴いた音楽を今聞くと、当時のことが思い出される。
時にはそれを聴いていたシチュエーションまでが思い起こされたりもする。

そうだ、歯医者で聞く歯を削る音・・・、
これで恐怖感が蘇ったりもしますけどね。

さて、ではジェシカにしか聞こえない爆発音のような音は、いったい何なのか?

もしかするとこれは未来の記憶なのか。
それとも、人類が聞いてきた太古からの記憶なのか・・・?

ラストを見ながら、そんなことを思ったのでした。

 

<WOWOW視聴にて>

「MEMORIA メモリア」

2021年/コロンビア、タイ、イギリス、メキシコ、フランス、ドイツ、カタール/136分

監督・脚本:アピチャッポン・ウィーラセクタン

出演:ティルダ・スウィントン、エルキン・ディアス、ジャンヌ・バリバール、フアン・パブロ・ウレゴ

 

じっくり見よう度★★★★★

満足度★★★☆☆


もっと超越した所へ。

2023年05月24日 | 映画(ま行)

ふがいない男たちと、往生際の悪い女たち

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2020年。
4組の男女の話がそれぞれに展開していきます。

デザイナーの真知子(前田敦子)と、バンドマン志望の怜人(菊池風磨)。

もと子役で、今はバラエティタレントの鈴(趣里)と、アザとかわいいゲイ男子・富(千葉雄大)

金髪ギャルの美和(伊藤万理華)と、フリーター泰造(オカモトレイジ)

風俗嬢・七瀬(黒川芽以)と、もと子役で、今は売れない俳優・慎太郎(三浦貴大)

それぞれ、なかなかいい感じに進行中なのですが・・・。

 

途中から時は2年前に遡り・・・
なんとこの4組が実は別の組み合わせだったことが分かります。
しかしそれは、主に男達のダメさのために破局していたのでした。

 

そして、2年後の今、男達のダメさはそのまま変わらず、
やはりまた破局に向かうようで・・・。

本作はもともと、同名の舞台劇だったのですね。
それなので、本作も主に舞台はこの4組のペアの暮らす室内。
それが舞台劇ならではのラストの演出となっていまして、
この映画に於いても、その演出をうまく活用してあります。

素晴らしく面白くて見応えのある作品でした。
オススメです!

 

<WOWOW視聴にて>

「もっと超越した所へ。」

2022年/日本/119分

監督:山岸聖太

原作・脚本:根本宗子

出演:前田敦子、菊池風磨、三浦貴大、趣里、千葉雄大

 

構成度★★★★★

展開の意外性★★★★★

満足度★★★★★


MEMORY メモリー

2023年05月19日 | 映画(ま行)

記憶障害の殺し屋

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リーアム・ニーソン、まだまだ頑張ってますね!

完璧に仕事をする殺し屋として、裏社会で絶大な信頼を得ていた
殺し屋、アレックス(リーアム・ニーソン)。
しかし近頃アルツハイマーを発症。
任務の詳細を記憶することもおぼつかなくなり、引退を決意しました。

そして、最後と決めた仕事のターゲットが少女であることを知り、契約を破棄。
しかし依頼側がそれで納得するはずがありません。
すぐさま別の殺人者が動き出し、アレックスをも抹殺しようとします。
アレックスは独自で調査を進め、
財閥や大富豪を顧客とする人身売買組織の存在を突き止めていきます。

また一方、FBIの捜査官ヴィンセント(ガイ・ピアース)らも、
この人身売買組織の黒幕を探ろうとしていて・・・。

米国とメキシコ間で、麻薬の密売問題がよく映画になりますが、
この度は人身売買ということでした。
アレックスとFBIは同じ標的を追うことになり、最後には共闘的な動きをしますが、
所詮アレックスは殺し屋ですので、ことはそう簡単ではありません。

記憶障害のアレックスは、腕に大事なことを書き込んで、
なんとか記憶消滅に抗います。
確かに、こんな殺し屋は今までいなかったかも。
これまで老齢にもめげず最強の男を演じたリーアム・ニーソンも
ついに弱みをみせたか・・・。

それにしても、アレックスの信条として
「決して子供は殺さない」なんていうのはどうにもね・・・。
大人ならよくて子供だとダメなのかよ。
そのココロは・・・?

いや、分からなくはないけど、すっきりしません。
これまでどれだけ人を殺したか分からない。
それはどうせ悪人だから良いのか? 
その「悪人」という判断は誰がする?

こんな作品で、つべこべ言うのはルール違反ではあるけれど、
あまりにもノーテンキなのもどうかと思う。

やはり単純に、「家族を守るために闘う」とした方が無難です。
いまさらマンネリを恐れても・・・。

 

<サツゲキにて>

「MEMORY メモリー」

2022年/アメリカ/114分

監督:マーティン・キャンベル

出演:リーアム・ニーソン、ガイ・ピアース、モニカ・ベルッチ、タジ・アトウォル、レイ・フィアロン

動機づけ★★★☆☆

血まみれ度★★★★☆

満足度★★★☆☆

 


MOTHER

2023年04月12日 | 映画(ま行)

母の支配力から逃れられない

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実際に起きた、少年による祖父母殺害事件に着想を得たもの。
さすがに、重いです。

男達と行きずりの関係を持ち、その場しのぎで生きてきたシングルマザーの秋子(長澤まさみ)。
実家にお金をせびりに行っても、あまりにも度重なることなので
すっかり愛想を尽かされ、絶縁すると宣言されてしまいます。
彼女は息子・周平(少年期・奥平大兼)に異様に執着。
自分に忠実であることを強いるのです。
母以外に頼る者のない周平は、なんとか母の要求に応えようともがきます・・・。

秋子は、生活保護などを受けたとしても、
パチンコなどにつぎ込んでしまい、いつもお金がないのです。
なんとか仕事に就こうなどという意欲もゼロ。
従ってなんとか男にすがって生きようとするも、こんな女に付く男はやはりクズ男。
周平の妹の父となる男(阿部サダヲ)は、
秋子の妊娠を知ると去って行って、
その後ようやく秋子の生活が底辺なりに落ち着いた?と思えるときに
またやってくる、どうにもならないヤツなのでした。

母はいきなりいなくなって何日も帰ってこなかったり、
時には住む家もなく、母子3人でホームレス状態ということも。
周平は小学校も不登校で、その後学校へも行っていません。
こんな、ネグレクトそのものの母なのに、彼は彼女のそばを離れません。
ある程度大きくなって、母から離れるという選択肢もあったのですが・・・。
こんな生活なら施設の方がよほどマシとも思えます。
実際そのように勧める福祉関係の職員もいたのです。
それでもなお、周平は母のそばを選んだ。

心理学的に言う「グレートマザー」そのもののような秋子は、
子供を支配し抱え込むあまりに、周平を少しずつ壊していっているようです。

このような厳しい生活状況であればあるほど、周平は母を頼りにするほかない。
それはそろそろ自立を迎える年齢になっても、
心の奥深くに刷り込まれてしまっていたのかも知れません。

そしてやがて、恐ろしい事件に繋がっていく・・・。

このとんでもない「母」役を、長澤まさみさんが素晴らしく演じていました。
そして奥平大兼さんもこれが初出演だったのですね。
私は彼も推しておりますので、皆様、よろしく。

 

「MOTHER」

2020年/日本/126分

監督:大森立嗣

脚本:大森立嗣、港岳彦

出演:長澤まさみ、奥平大兼、阿部サダヲ、夏帆、仲野太賀、土村芳、浅田芭路

 

生活破綻度★★★★★

ネグレクト度★★★★★

満足度★★★★☆


#マンホール

2023年02月17日 | 映画(ま行)

順風満帆のようでも、人生の穴にご用心

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不動産会社営業成績ナンバーワンの川村俊介(中島裕翔)は、
社長令嬢との結婚も決まって、将来を約束されています。
結婚式前夜、渋谷で開かれたパーティで酩酊。
帰り道、マンホールの穴に落ちてしまいます。

深夜、穴の底で目を覚ました俊介。
足を怪我していて、思うように動けません。
誰に電話をかけても出てくれなくて、
警察に助けを求めてもマトモに取り合ってくれません。
そしてスマホのGPSはどうやら誤作動しているらしく、
なぜか、ここは渋谷ではなくて、全く別の見知らぬ場所であるようなのです。

ようやく連絡が取れたのは、以前別れたモトカノ。
彼女に助けを求めたけれども、そもそも自分のいる場所が分からない。

そこで俊介は、「マンホール女」というアカウントをSNS上で立ち上げ
(女性を装った方が助けを求めやすいと考えた)、
ネット民たちに場所の特定と救出を呼びかけます。

次第に分かってくるのは、
どうやら俊介はパーティで何者かに薬を仕込まれて眠ってしまい、
遠く離れたこの穴に運ばれたらしい、ということ。
誰かの底知れない悪意が感じられて恐くなってきます。
しかも実は俊介は数多くの過去の女を捨ててきていて、
恨まれる心当たりはありすぎるほど・・・。

しかしまあ、どのようにしてこの場所を特定し、誰が真っ先に救出に現れるのか。
それとも、穴の中で漏れ出るガスや、流れ込む謎のアワによって命を失ってしまうのか・・・?

ほとんど穴の中、哀れな男一人のシーンがずっと続くばかりなのですが、
状況は刻々と変化、スリルとサスペンスに満ちています。

そして、終盤には意外な展開が!!
そこの所は「ネタばらし厳禁」だそうで、どうぞ劇場でお確かめください・・・。

中島裕翔さんの汚れ役、熱演でした!!

<シネマフロンティアにて>

「#マンホール」

2023年/日本/99分

監督:熊切和嘉

脚本:岡田道尚

出演:中島裕翔、奈緒、永山絢斗

スリル度★★★★☆

満足度★★★☆☆

 


モエカレはオレンジ色

2023年02月09日 | 映画(ま行)

大人の対応、ありがと~

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同名コミックを実写映画化したものです。
Snow Manの岩本照さん主演ということで、ミーハー視聴。

転校先でクラスにうまくなじめない女子高生・萌衣(生見愛瑠)。
彼女が、シャイで真面目な消防士・蛯原(岩本照)と出会い恋心を抱きます。
彼との交流を通し、前向きになっていく萌衣。
そして蛯原も少しずつ心を開いていきます。
蛯原に感化され、救急救命士にないりたいと思うようになる萌衣ですが、
意外にも蛯原には反対されてしまい・・・。

ちょっとぶっきらぼうで照れ屋さん。
けれど、ガタイがよくて頼りがいのある蛯原。
いかにも岩本照さんのためにあるような役なので、たっぷり楽しめました。

 

高校生女子と、成人男性のラブストーリーというのは、ちょっとアブナイところがあります。
しかし、この蛯原さんは、しっかりと大人として対処。
彼女が高校生であるうちは手を出しません。
おばちゃんは、そこのところで本作に◎です。

実はですね、先に見た「カノジョは嘘を愛しすぎてる」では、やっちゃってるんですよ。
女子高生と、佐藤健さん演じる秋が。
あ、いや、キスだけですが。
う~ん、高校生同士なら気にならないけれど、成人男子だとちょっと気になる。
と、こういう倫理観はやはりおばちゃんの古くさい思い込みなのだろうか・・・
とかなんとか思い、先のブログには書かなかったわけですが、
本作を見て、やっぱりこちらの方がいい!!と思った次第。
蛯原さん、大人の対応ありがと~!!

 

・・・と、一体どういう感想なのやら。

 

<Amazonプライムビデオにて>

「モエカレはオレンジ色」

2022年/日本/97分

監督:井上正典

原作:五島ノン

出演:岩本照、生見愛瑠、鈴木仁、上杉柊平、浮所飛貴、古川雄大

 

胸キュン度★★★☆☆

満足度★★★☆☆

 


メタモルフォーゼの縁側

2023年02月05日 | 映画(ま行)

異世代交流のススメ

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一人でこっそりBL(ボーイズ・ラブ)コミックを楽しむ17歳高校生・うらら(芦田愛菜)。
そして、夫に先立たれ、孤独に暮らす75歳・雪(宮本信子)。

ある日、うららがバイトする書店に雪がやって来ます。
美しい表紙にひかれてBLコミックを手に取った雪。
初めてのぞく世界に魅了されます。
雪とうららは、一緒にBLコミックを読んでは語り合い、
立場・年齢を超えて友情を育んでいきます。

うららは、これまで何か一つのことに打ち込むということもなく、どこか自信のないオンナノコ。
そろそろ将来の方向性も考えなくてはならないけれど、何も考えつきません。

そんなうららは、同じ団地の幼馴染みのことが好きなのですが、彼には彼女がいます。
その彼女というのが、すらりとしてロングヘアの美少女。
うららはBL好きのことを周囲に知られるとオタクとか変人とか思われそうで、
ずっと隠してきたのですが、
彼女はちっとも気にせず、BLは面白いと言って周囲の友人達に広めたりもします。
そして、海外留学という目標を定めるや、熱心に勉強を始める。

こんなカッコイイ彼女に、うららはとてもかなわないと思い、
逆にイヤミを言って、さらに自分が傷ついたりしている・・・。

そんなうららを見守るのが雪。

やがて、うららは自分で漫画を書いてコミケに出店することを決意します。
それからがまた大変なのですけれど。
それはさておき、目標を定めてそれに向かって努力することの、
つらいけれどもまた楽しさをも体験することに。
うららが大人への階段を上っていく様が心地よいです。
ここで雪は、変にうららを褒めあげたり過剰に励ましたりもせず
あくまでもそっと見守るという立ち位置なのもいい。
大人としての上から目線ではなくて、あくまでも「友人」。
こういうのが、世代間ギャップを埋めるコツなのかも知れません。

さて、それで雪さんの方。
私なら萩尾望都さんや竹宮恵子さんの、元祖BLコミックに親しんできたので、
今時のBLコミックを見ても驚きもしませんけれど、
雪さんはそれよりももう少し上の世代のようなので、こんな感じなのでしょう。

むしろこういう物に胸をキュンキュンできる
みずみずしい感受性を持っているというのはステキなことです。
そして、大好きなことは自分のうちだけにとどめておくのは惜しい気がして、
誰かに話したくなってしまうのですよね。
その感じ、とてもよく分かります。

そして雪さんがお気に入りのコミック誌の発行年月日を確かめ、
およそ1年半で1冊出ていることを知り、
「ああよかった。次の巻までにはまだ生きていられそう」なんて思う。
こういうのも、ちょっと身に覚えがあったりして。

いくつになったって新しい趣味は始められるし、
そして年齢が全く異なる友人関係というのもいいですね。
そういうのが当たり前の世の中ならいいな。

 

「メタモルフォーゼの縁側」

2022年/日本/118分

監督:狩山俊輔

原作:鶴谷香央理

脚本:岡田惠和

出演:芦田愛菜、宮本信子、高橋恭平、古川琴音

青春度★★★★☆

満足度★★★★☆


モリコーネ 映画が恋した音楽家

2023年01月24日 | 映画(ま行)

幸せな時間をありがとう

* * * * * * * * * * * *

「ニューシネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督が、
師であり友でもある映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネに迫ったドキュメンタリー。

エンニオ・モリコーネは1960年代以来500作品以上の映画・テレビの音楽を手がけ、
2020年7月に亡くなっています。

本作のように直接カメラの前でモリコーネが自身を語るというのは極めて稀なこと。
それも、ジュゼッペ・トルナトーレ監督だからこそ、だったのでしょう。

モリコーネは、本来は父の後を継いで、トランペット奏者を目指していたそうです。
しかし音楽学校での成績は凡庸。
教師が、作曲の方が向いているのでは?と言うので、
そちらの道を歩み始めたのだとか。
・・・等々、モリコーネの映画音楽との出会い以前の話もたっぷり語られたそのあとに、
いよいよ映画との出会いがあって、
そしてあの、「荒野の用心棒」のテーマ曲が流れた時には思わず泣きそうになりました。
なんとも独特で鮮烈。
当時大ヒットとなったのも無理はありません。
ついでにそこで映し出された若き日のクリント・イーストウッドも、
シビれるほどにカッコいいなあ・・・!! 
また、見たくなってしまいました。

他にもニューシネマ・パラダイス、アンタッチャブル等々、
45作品の傑作から選ばれた名場面が紹介されています。
そして、それぞれの著名な監督やプロデューサー、音楽家へのインタビューを通じて、
モリコーネの偉業を振り返ります。

驚くべきはモリコーネの作曲風景。
ピアノなんか使わないのですね。
ペンと五線紙さえあればいい。
音楽家とはそういうモノなのか・・・

ところがモリコーネは、全世界の人々にその音楽を愛され、その名を馳せながらも、
アカデミックの音楽界からはほとんど無視されていたとのこと。
人気がありすぎるが故の妬みもあったのかもしれません。
そんな音楽は正当な「音楽」ではない、外道だ・・・などと、
いかにも“権威” ある者が言いそうです。
そのため、モリコーネにも若干の劣等感があったようで・・・。

でも現在、モリコーネの音楽が様々なアーティストにアレンジされて演奏されたり、
また、サブスクの影響もあるのでしょう、
若い人たちにもどんどん受け入れられているといいます。
今や音楽はジャンルも時代も超えてボーダーレス。
やっと時代がモリコーネに追いついたのかも知れません。

モリコーネの音楽と映像の結びつきがどれほどわたし達の心を揺り動かしたことか。
幸せな時間をありがとう、と言いたい。

結構長い作品なのですが、退屈はしません。

<シアターキノにて>

「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

2021年/イタリア/157分

監督・脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ

出演:エンニオ・モリコーネ、クリント・イーストウッド、クエンティン・タランティーノ、ウォン・カーウァイ

映画音楽のきらめき度★★★★★

映画の歴史発掘度★★★★☆

満足度★★★★☆

 


マイ・ブロークン・マリコ

2023年01月21日 | 映画(ま行)

遺骨を抱いた一人旅

* * * * * * * * * * * *

ブラック会社の社員、シイノトモヨ(永野芽郁)。
ある日、親友のイカガワマリコ(奈緒)が亡くなったことをテレビのニュースで知ります。
マリコは幼い頃から実の父親に虐待を受けていました。
そんなマリコのことが不憫で、シイノは父親の元からマリコの遺骨を奪い取ります。
そして、以前マリコが行きたいといっていた小さな海辺の町へ旅することに。

マリコは父親から虐待を受け、長じて父親の元を離れれば、
今度はろくでもない男と付き合っては
また別のクズ男と付き合い始めるということを繰り返し始めます。
彼女の心はとうに壊れていたのかも知れません。
そんなマリコは、唯一シイノにだけは心を許し、
まるで子犬のようになついてすり寄ってきたものでした。

シイノは若干メンドクサイと思いながらも、慕われていることに悪い気はしません。
そして考えてみれば、自分自身もマリコ以外に心を許せる友人はいないのでした。
しかし、そのマリコが自分に何も告げずに自死してしまったということに、
シイノは傷ついてしまうのです。

遺骨を胸に抱いたシイノは、2人のこれまでのことを思い返しながら、
電車やバスに揺られて旅をします。
無断欠勤した会社の「クソ上司」からの電話も無視。

行き着いた海辺の田舎町ではひったくりに遭って、
遺骨以外の荷物をすべて奪われたりもするのですが・・・。

そこで彼女を助けてくれた青年・マキオ(窪田正孝)がいかにもワケあり、お人好しの感じ。
いい味出てるな~。
見てるだけで癒されます。

とにもかくにも、シイノの抱えた悲しみやら鬱屈やら・・・
それらが浄化されていく物語。

いいものを見た、という感じです。

 

<Amazon prime videoにて>

「マイ・ブロークン・マリコ」

2022年/日本/85分

監督:タナダユキ

原作:平庫ワカ

出演:永野芽郁、奈緒、窪田正孝、尾美としのり、吉田羊

 

マリコのブロークン度★★★★☆

シイノの威勢の良さ★★★★☆

マキオの癒やし度★★★★☆

満足度★★★★☆