実在のルイジアナ州知事、ヒューイ・ロングをモデルにしているという作品。
実直な、下級役人であったウィリーが、州知事にのしあがる。
誰よりも正義感に燃え、汚職を憎む彼が、権力の座についたとたん、同じく汚職にまみれていく。
先日見た「ホリデイ」では、兄妹を演じたジュード・ロウとケイト・ウィンスレットがここでは、もつれた愛憎を持つ関係。
ジュード・ロウって、ロマンスでもシリアスでも、やっぱり絵になります。
この作品はあちこちに、人の心の深い穴がある。
何よりも汚職を憎み、正義感に燃えていたウィリーが、いつしか、自分自身汚職にまみれている。
自分の身を守るためには、汚い手段も辞さない。
始めは貧しい人々を守るはずだったことが、いつか、地位・名誉を守るための言い訳にしか過ぎなくなっている。
愛し求め合ったはずの2人が初めて体を合わせようとするときに、彼が拒む。
それは、何か、美しいものが壊れてしまいそうな、そんな気持ちだったのだろうか。
ただ、彼女にとってはそれが深い傷となって残っており、それが悲劇の元にもなる。
ウィリーが実の父親以上に敬愛する、高潔な判事。
その判事にも、後ろ暗い過去があった。
実は、このことの深い後悔が、その後の誰にも尊敬される判事への道をたどらせたのではなかったか。
ジャックは、初め、ウィリーの実直さに惹かれたはず。
いつしか、彼はもとの彼ではないと解ったはずなのに、どうして最後まで付いていったのだろう。
飛んで火にいる夏の虫・・・。
危険と知りつつ引き寄せられてしまう、ということか。
とうとう、ウィリーのために判事の暗い過去を掘り起こすことになってしまう。
さてとね、ストーリーはこのように重厚で、深いとは思うけれど、いまいちのめりこめない感じなのは、どうも、ショーン・ペンのせいではないかと・・・。
何というか、彼って、日本人には暑苦しすぎませんか?
ほかの映画の役を見ても、そう感じることが多いので・・・。
ファンの方には怒られると思うけど。
だから、ケイト・ウィンスレットと関係があったというくだりでは、ぞっとしてしまう。
うーん、単に個人的好みでしょうか・・・。
ジュード・ロウみたいにちょっとニヒルに構えてる感じが、やっぱり好きだなあ。
2006年/アメリカ
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ショーン・ペン,ジュード・ロウ,アンソニー・ホプキンス,ケイト・ウィンスレット | |
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