映画と本の『たんぽぽ館』

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「グイン・サーガ外伝21/鏡の国の戦士」 栗本薫

2007年07月13日 | グイン・サーガ

「グイン・サーガ外伝21/鏡の国の戦士」 栗本薫 ハヤカワ文庫

グインの114巻、今回の外伝と次の巻で、月刊グインになっちゃいますね。すごいですね。
実のところ、外伝はいいから、早く本編が読みたい!というのが本当のところなんですけど。
本編で月刊になったら、すごいけどね。
しかし、私は魔道の世界、妖魔との対決、そんな内容はあまり好きではありません。
なんでー?
魔法、魔術、あやかし・・・そのような設定だと、結局なんでもありということなのではないかと、思うのよね。
どんな大変なこともあり得るけど、どんな助かり方も自由自在では、ずるいじゃないですか。
現実という制約の中でどのように戦い、どのように生き延びるのかということにこそ、面白みがあるのではないかと。
では、この本は、つまらなかったと・・・?
いや~。それがですね、やはり、栗本氏の筆力というか、やっぱり読み出したら、やめられないですよ。
よくもまあ、ネタが尽きずに、こんな怪異を次から次へと考え出せるものだと、感心しちゃったりして。
でもね、そうは言っても、この本の興味はやっぱりその、あやかしの世界ではなくてですね、・・・ネタばらしでいいのかな?
ここは言わなきゃ話がすすまない。
うん。グインになんと愛妾がいて、彼の子供を身ごもっていると・・・!!
ひえ~。エーと、この話は今の本編より、未来の話なんですね。
はい、今のいやったらしい、タイスを出て、パロに行って、やっとケイロニアに帰りつく。
その後の話なんですね。
あの、外伝の第一作『7人の魔道師』より、まだ先の話。
言葉のはしはしから想像するに、何らかの事件があって、グインとシルヴィアの結婚は破綻するということらしい。
まあ、もともと破綻していたようなものですからねえ。
はじめ愛妾ヴァルーサ、と名前が出てきたときには、ちょっと驚きましたけどねえ。
いやいや、愛人がでてきたからって憤慨するほど純情ではありませんが、グインのイメージというものがあるでしょうが。
でも、つまり、シルヴィアとの結婚が解消した後の関係というのなら、まあ、納得できるかなと。
えー、結局シルヴィアって、どうなっちゃうんでしょ。
いやな予感がしますけどねえ・・・。
これって本編の続きじゃないと分からないのでは?
それって何年先のことなの~?
ほんと、栗本さんって、意地悪。
それで、今しもグインの子供(たぶん王子)が生まれる!というところで、終わりですもんねえ。

満足度 ★★★★