映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

フル・モンティ

2008年05月05日 | 映画(は行)

(DVD)
フル・モンティは、「素っ裸」の意味。
イギリス北部、シェフィールド。
25年前は鉄鋼業で大いににぎわったけれど、今はすっかり寂れて失業者があふれている街。
やはり失業中のガズは、元手がいらなくて体が勝負の男性ストリップショーを思いつき、仲間を集める。
彼は離婚した妻との間の息子ネイサンの親権を手に入れるためにお金が必要。
友人のちょっぴりおデブのデイブ、
気取っていやみだけど、ダンスができる元上司、
気弱そうな元音楽隊、
歌も踊りもダメだけどアソコが立派なヤツ、
踊りはうまいけどもうトシの黒人。
・・・これらのポンコツメンバーをかきあつめて、ダンスの練習。
しかし問題は、踊れない・恥ずかしい・妻にいえない・・・・。

こういうダンスは、照れてはダメですね。
多少、デブであれ、年寄りであれ、貧弱な体であれ、
堂々と動けばそれらしくチャーミングに見えてくる。
要は、気持ちをどこで切り替え、割り切るか、なのですが、
この映画では、それぞれがもう失うものも失くし、開き直った時に、それができる。
財産とか、世間的な地位とか・・・これらのものも脱ぎ捨てて、まさに「素っ裸」になるわけです。

ガズの息子が、彼らのしようもない取り組みの、第一の理解者。
やっぱり、少年はいいなあ・・・。
デイブの奥さんがまた、デイブをきちんと愛していることが伝わって、これもよし。
ちょっと太目のこのデイブは、なんだかタカ&トシのタカさんに似た感じ。
親近感覚えてしまった。
そして、映画ラストのショー。
そうか、帽子はああして使うのだったんだ・・・。
飛び切り楽しくて、なんだか、私もこんなショーを生で見たくなっちゃったりして!

1997年/イギリス/93分
監督:ピーター・カッタネオ
出演:ロバート・カーライル、トム・ウィルキンソン、マーク・アディ、レスリー・シャープ