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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

96時間 リベンジ

2013年01月20日 | 映画(か行)
最強の父親、再び



            * * * * * * * * *

『96時間』の続編です。
元CIA秘密工作員のブライアン。
前作では娘を誘拐され、怒りに燃えた彼は、
犯罪組織人員を根こそぎに叩きのめし、娘を取り戻したのでした。

→「96時間」



今作では、別れた妻レノーアと娘のキムを伴い、
イスタンブールでバカンスを過ごそうとしたブライアンに、
またもや危機が訪れます。
前作でブライアンに息子を殺されたアルバニア系犯罪組織のボスが、
復讐のため一家を襲撃。
レノーアと共にブライアンは捕らえられ、
また、残されたキムにも危機が迫る・・・。



この手のドラマではふつうのコトになってしまっていますが、
行く手を塞ぐものは、皆殺し。
たった一人、二人を救い出すために、
正義の名のもとに、大勢の人が死んでいきます。
ドラマだから・・・ほとんどストレス解消のように平気でそんなシーンを見続けているわけですが、
実はこの虫けらのように死んでいく人々にも家族があって、恋人や友がいて・・・。
まあ、まともに考え始めたらこんなドラマは見られません。
そんなところを逆手に取って組み立てられたストーリーともいえますが、
けれどもちろん、そういう深刻な内容ではありません。
前作同様、家族を守ることに文字通り必死のブライアンが
ひたすらに敵をなぎ倒して突き進む、
そのスピード感に、他のことを考えるスキもない、
ひたすらに力技の作品となっています。



しかし、拉致され覆面をされて車に載せられても、
彼は冷静に状況を見極め、分析しています。
何秒直進してからどちらに曲がったか。
外の物音も決して聞き逃さない。
常に冷静な判断力と鋼鉄の意志。
守るべきものを持っているこの男を怒らすと実に怖いのです。
けれど、娘のボーイフレンドの家まで探り当てて押しかけるのはいかがなものかと・・・。
まあ、ここまでの不器用な親バカぶりが、
ほっとする所ではあります。



また、この親にして・・・と思うのは、
今回は娘キムも父親を助ける行動を起こすところ。
いいですね!こういうのは好きです。
さすがです。
前作で、娘の父親への信頼が取り戻されたからこそできる
二人の連携プレイですね。
トルコの町並みがまたエキゾチック感たっぷり。
屋根伝いの逃走・追走劇は、こんなふうなゴミゴミした街でなければダメですもんね。
気がつけば、またしても死体の山を築いてしまうこのストーリーを、
結局は楽しんでいる。
いいのですが、もう続編は作らないでほしい・・・。



「96時間 リベンジ」
2012年/フランス/92分
監督:オリビエ・メガトン
制作・脚本:リュック・ベッソン
出演:リーアム・ニーソン、マギー・グレイス、ファムケ・ヤンセン、リーランド・オーサー、ジョン・グライス

目が離せない度★★★★★
親バカ度★★★★★
満足度★★★☆☆