キングスマン誕生秘話
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第一次世界大戦を背景とした、スパイ組織「キングスマン」誕生秘話です。
1914年。
世界大戦を裏で密かに操る闇の組織に、英国貴族オックスフォード公(レイフ・ファインズ)と
息子コンラッド(ハリス・ディキンソン)が立ち向かいます。
オックスフォード公は戦わない、平和主義者。
なんとか交渉で戦争を収めたいと考えるタイプです。
それに対して、息子コンラッドは、さすがにその若さ故に
功を上げるため戦争に行きたくてたまりません。
でも父がそれを許しません。
コンラッドは、友人たちから「白い羽根」を送りつけられたりします。
そう、ヒース・レジャーの「サハラに舞う羽根」を思い出しました。
白い羽根というのは臆病者の印なのです。
しかし19歳になったコンラッドはようやく自分の意志で入隊します。
そしてその身分から、本来は前戦にでるようなことにはならないはずなのですが、
彼はあえて下級兵になりすまして激戦の地へ・・・。
この辺りが、すっかり戦争映画になっていまして、なかなか見所たっぷりなのです。
しかし、言葉をなくすような悲劇が私たちを待っています・・・。
謎の悪の組織の本拠地はそびえ立つ岩山の頂上にあります。
各国の重鎮を操作できる立場の者たちがそのメンバー。
その中にはロシアの怪僧ラスプーチンもいて、
この人物が、確かに並外れて奇々怪々。
この人物とオックスフォード公、コンラッドとの対決シーンもあってこれがまたスゴイ。
イギリスとドイツ、そしてロシアの国王が親戚同士。
本作中は3人をすべてトム・ホランダー一人で演じていました。
この3人がガッツリと戦争状態に突入しているというのがなんとも皮肉な歴史の一幕ですね。
終盤の、レイフ・ファインズのアクションシーンには驚きました。
こういうこともする方だったんですねえ・・・。
というか、礼儀正しい英国紳士が見せるアクション。
これがこのシリーズのウリなのだった!!
そしてこれがまた、とてつもない高所の崖の上での死闘。
スリルたっぷり、しかもユーモアも交えていて、いかにも洒落ています。
この時代性と、アクション、ユーモア、そしてアンビリーバブルな悲劇。
とにかく心を揺さぶられます。
私はこのシリーズの中ではこれが一番気に入りました。
・・・こうして、ロンドンの紳士服の店がキングスマンの本拠地となる。
納得、納得。
<Amazon prime videoにて>
「キングスマン:ファースト・エージェント」
2021年/アメリカ/131分
監督:マシュー・ボーン
出演:レイフ・ファインズ、ハリス・ディキンソン、ジャイモン・フンスー、
ジェマ・アータートン、リス・エバンス、トム・ホランダー
歴史発掘度★★★★☆
アクション度★★★★☆
ユーモア度★★★★☆
悲劇度★★★★★
満足度★★★★★