届きそうで届かない
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幼なじみの男女の12年間にわたるすれ違いの恋を描きます。
イギリスの田舎町。
6歳の頃からずっと一緒に過ごしたロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・フランクリン)。
互いのことを他の誰よりもよくわかっています。
高校卒業後は、一緒に故郷を離れアメリカの大学に進学する約束をしていました。
ところが、アレックスが他の女の子に興味を持って
パーティに誘ったことに動揺したロージーは、
張り合うように他の男子と付き合い、なんと妊娠してしまった・・・。
ロージーは進学を諦め、シングルマザーとなることに。
このいきさつについては、アレックスには内緒です。
そして単身アメリカに渡ったアレックスにはまた新たな出会いがあり・・・。
互いの気持ちを素直に伝えられないまま、別の人生を歩む二人。
ありがちのストーリーではありますが、乙女心を刺激するキュンキュンに満ちています。
とりあえずは、別の男の子供を身ごもって出産してしまうという、
予想からの大きな逸脱には驚かされました。
ロージーは恋愛以前の問題で、彼女自身の「ホテルの経営をしたい」という夢も途絶えてしまうのです。
娘が5歳くらいになってから彼女は仕事を始めますが、それはホテルの下働き。
でも、実はこれはホテルについて学ぶ、良い実地研修でもあるわけ。
彼女がホテルにこだわるのは、彼女のお父さんがホテルで働いているから。
(ドアマンなのですが)
その父に夢を励まされ、見守られるロージー。
何があっても彼女の意思を尊重し、支えてくれる家族。
ありがたいですね・・・。
アレックスとの間柄は、まさにあと1センチ。
もう少しで届きそうで、届かない。
互いに別の相手と結婚したりもした。
けれど、それは長くは続きません。
それはそうですよね、心の底に、本当に大切な人の存在があるのだから・・・。
女性好みのストーリーではありますが、そこにはロージーの確実な人生の歩みもあって、
好感の持てる作品になったと思います。
<WOWOW視聴にて>
「あと1センチの恋」
2014年/ドイツ・イギリス/103分
監督:クリスチャン・ディッター
原作:セシリア・アハーン
出演:リリー・コリンズ、サム・フランクリン、クリスチャン・クック、
タムシン・エガートン、スキ・ウォーターハウス