大事故の裏で
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ヨーロピアン航空の最新型機がアルプスで墜落。
乗客乗務員316人全員が死亡という大きな事故が起こります。
事故機のフライトレコーダー、通称「ブラックボックス」を開いた
航空事故調査局の音声分析官ポロックが謎の失踪。
調査を引き継いだマチューは、コックピットに男が侵入したことを発表。
乗客にイスラム過激派がいたことで、その分析が高く評価されます。
さらに調査を続けることになったマチューは
被害者の1人が夫に残した事故直前の留守電を聞きますが、
その音がブラックボックスに残された物と違うことに気づきます。
大企業の利益優先体質、その闇。
・・・とまあ、ありがちな方向へ話は進んでいきますが、実際恐ろしいですね。
航空事故原因究明時の最後の砦、ブラックボックス。
でもそれさえも人為的に操作する余地があるということか・・・。
本作はマチューとその妻との関係性が、一時危うく揺れながらも
うまく信頼関係を取り戻していくというのがいいし、
それなのに、エンディングはショッキング。
サスペンスがなかなか効いております。
探偵の耳を持つ男、マチュー。
事故機の残骸を集めた格納庫で瞑想。
彼の脳内で現場の状況が再現されていくというシーンがステキでした。
それにしても、マシンにすべてを委ねる自動操縦については、
確かにちょっと恐いものがありますね。
そういうことも示唆している作品でもあります。
<Amazon prime videoにて>
「ブラックボックス」
2021年/フランス/129分
監督:ヤン・ゴズラン
出演:ピオエール・ニネ、ルー・ドゥ・ラージュ、アンドレ・デュソリエ
サスペンス度★★★★☆
企業の横暴度★★★★★
満足度★★★★☆