映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

君を愛したひとりの僕へ

2023年12月01日 | 映画(か行)

父と共に暮らすことを選択した少年

* * * * * * * * * * * *

本作は、「僕が愛したすべての君へ」と2作同時にアニメ映画化されています。
平行世界を行き来する世界。
同じ名を持つ二人の少年が、それぞれの世界でひとりの少女と恋に落ちますが、
この二作、見る順によって結末が変わるという・・・?

ということで、とりあえず、本作を先にみました。

両親が離婚し、父と暮らす小学生・日高暦。
父の職場で佐藤栞という少女と出会います。
暦と栞は互いに惹かれ合いますが、やがて親同士が再婚することに。
二人は兄妹になるわけですが、これでは二人の未来はないと思い込み、
兄妹にならない運命が約束された平行世界へ駆け落ちすることに・・・。

 

暦の父と栞の母は、「平行世界」を行き来できるようにする研究を続けているのです。
研究所にはそれが可能となる試作機が設置されています。

それを使ってみようとする暦と栞。
暦は両親の離婚の際に父と暮らすことを選択しました。
でもあの時、母と暮らす選択をすれば、栞とは出会わない。
だから二人が兄妹になってしまうこともない、と考えたわけです。

しかし、二人の平行世界への移動は成功したかのようではあったのですが、
その刹那に悲劇が起こる・・・。

悔やんでも悔やみきれない悲劇。

パラレルワールドがテーマではありますが、純粋な少年少女の「愛」もまたテーマの一つ。
とある選択による人生の分岐。
そこから永久に続く未来・・・。

切なくもあるストーリーのもう一つの形も、ぜひ見届けなくては・・・。

ところで、吹き替えをされているのが、宮沢氷魚さんと蒔田彩珠さんだったとは、
ぜんぜん気づきませんでした。
おなじみのアニメ声優さんではないな・・・というのは気づいたのですが。

 

<WOWOW視聴にて>

「君を愛したひとりの僕へ」

2022年/日本/98分

監督:カサヰケンイチ

原作:乙野四方字

出演(声):宮沢氷魚、蒔田彩珠、橋本愛、田村睦心、水野美紀、余貴美子、西岡徳馬