映画と本の『たんぽぽ館』

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禁じられた遊び

2023年12月29日 | 映画(か行)

生と死のはざまにあるもの

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中田秀夫監督によるホラーであります。

 

愛する妻・美雪(ファーストサマー・ウィカ)、息子・春翔と共に
新居で幸せに暮らす井原直人(重岡大毅)。
ところが突然の事故で、妻が帰らぬ人になってしまいます。

直人の元同僚、映像ディレクターの倉沢比呂子(橋本環奈)は、
7年前の会社にいた頃、そして今、怪異に襲われていました。
比呂子が直人の家を訪ねてみると、
庭の盛り土に向かって「エロイムエッサイム」と呪文を繰り返し唱える春翔の姿が。

以前、「トカゲの尻尾を埋めて呪文を唱えると、トカゲが生き返った」と春翔は言い、
もう少しで、ここから母も再生して出てくると信じているのだと、
直人は言いますが・・・。

 

7年前、直人はすでに既婚者ですが、
比呂子は職場の同僚としてほのかな恋心を抱いていたのです。
しかしそのころ、彼女は恐ろしい出来事に何度も遭遇。
どうも彼の妻に恨まれているらしいと思い、
彼女は退社し、別の道を歩んでいたわけです。

比呂子は直人に恋心を伝えたわけでもなく、ただ思っていただけ。
具体的な接触すらなかったというのに・・・。
しかもコレは美雪が生きているときのこと。
すなわち生き霊ですね。

好きになっただけで祟られるなんて・・・
コワイコワイ・・・。

しかし、いざその美雪が亡くなると、事態はもっと恐ろしくなってきます。

とある霊能者は言う。
恐ろしいのは死者ではない。
生と死のはざまにあるものだ・・・。

いかにも適当でインチキそうな有名霊能者が、
実はやはりかなりのウデを持っていた・・・という意外なところがナイスでした。
が、この度はそれが彼の命取り・・・。
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・。

さて、ホラー作品でいつも思うのはその「魔物」とか「怨霊」が、
見えるか見えないかのときが本当に恐い。
でも終盤、それがくっきりと姿を現すと、途端に滑稽なものになってしまう・・・。
少なくとも、私はそのように思ってしまうのです。

だから結局なんだかなあ・・・という感じで。

だからほら、
「恐ろしいのは、目に見えるものではない。
見えると見えないのはざまにあるもの」
なんでしょうね。

 

<Amazon prime videoにて>

「禁じられた遊び」

2023年/日本/110分

監督:中田秀夫

原作:清水カルマ

脚本:杉原憲明

出演:重岡大毅、橋本環奈、ファーストサマー・ウィカ、正垣湊都、堀田真由、倉悠貴

 

恐怖度★★★.5

怨念度★★★★☆

満足度★★★.5