親友の夢を引き継いで
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パティシエのサラと親友イザベラは、
長年の夢だった自分たちの店をオープンするところです。
店舗も借りて、いよいよ準備に取りかかろうとするとき、
サラが突然の事故で他界してしまいます。
悲しみと喪失感で何をする気にもならないイザベラと、サラの娘・クラリッサ。
しかしやがて彼女たちは、疎遠になっていたサラの母・ミミをも巻き込んで、
再び開店に向けて動き始めます。
しかし、肝心のパティシエがいない・・・。
そんな時、ミシュラン星二つレストランで活躍するシェフ・マシューが現れます。
かつて恋人だったサラから逃げた男・・・。
イザベラの反感を買いつつも、パティシエとして協力することに。
クラリッサは、もしかするとマシューが自分の父親なのでは?と思いますが・・・。
本作の原題は「Love Sarah」なのですが、
「ノッティングヒルの洋菓子店」とはよくしたもので、うまい邦題だと思います。
何しろノッティングヒルといえばあの名作なので、
つい興味を引かれてしまいます。
ロンドンの人気デリ「オットレンギ」の全面協力を得たそうで、
本当にどれもおいしそうで、見ているだけなのがつらく感じるくらいです。
さて、最愛のかけがえのない人を失った時の喪失感・・・。
どんな場合もそれはつらいですね。
しかも全く予期せぬ突然のことであれば。
けれど、そんなこともないわけではない、というのが現実というもの。
残された人々は、一時はもう立ち上がることもできないように思われるのですが、
けれど人生は否応なく続いていくので、それでも生きなければならないのです。
サラ1人分の穴を、関係する娘と母と元恋人が補い、
彼女らはサラの夢を引き継いで立ち上がる。
でも、この近所には同じような店が何軒もあって競合しており、客足は鈍いのです。
そこで、店の特色を出すアイデアが・・・、
というところもひねりがあって楽しいですね。
ロンドンも様々な国の人々が住み、多様化しているということなのでしょう。
日本人が好むお菓子というのも出てきてビックリ。
うーん、でもここは「どら焼き」くらいにしてほしかったな。
日本由来のものではあるかもしれないけれど、
海外でわざわざ食べたいものではない・・・。
ともあれ心温まる一作であります。
<Amazon prime videoにて>
「ノッティングヒルの洋菓子店」
2020年/イギリス/98分
監督:エリザ・シュローダー
脚本:ジェイク・ブランガー
出演:セリア・イムリー、シャノン・ターベット、シェリー・コン、
ルパート・ペンリー=ジョーンズ、ビル・パターソン
立ち直り度★★★★☆
食べたい度★★★★★
満足度★★★★☆
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