映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

マリー・アントワネットに別れをつげて

2013年08月07日 | 映画(ま行)
シドニーが王妃に向ける視線の意味は?



* * * * * * * * * *

マリー・アントワネットの朗読係、シドニーの物語です。
1789年7月14日。
往年の「ベルばら」ファンとしては忘れもしない、
フランス革命の発端となったバスチーユ監獄へ民衆による襲撃があった日、
ちょうどこの日から物語は始まります。
しかし、その朝、
マリー・アントワネットはいつものように退屈を持て余し、
ベッドに横たわったまま、
シドニーを呼びつけて本を読ませたり、
ドレス生地の見本帳を見ていたりします。
危機的情報が入るのはあまりにも遅く、
又本人にも危機意識がまるでない・・・、
まあ、そういう世界です。



しかしさすがに、次第に緊張を呼ぶ情報が入り始め、
王宮関係者へ「ギロチンリスト」が突きつけられるに及んでは、
宮廷中戦々恐々となってきます。
そのころ、マリー・アントワネットはポリニャック夫人に夢中。
リストには王妃はもちろんのこと、ポリニャック夫人の名前も上位に入っています。
そこでマリー・アントワネットは、
シドニーに、ポリニャック夫人の身代わりとなるよう命を下しますが・・・。



興味深い時代の物語なので見てみました。
華やかな王宮の裏側に、
使用人たちが忙しく行き来する通路があったりするのが興味深いですね。
屋敷の屋根裏部屋が使用人たちの居住区となっているというのは、
他の色々な作品にも出てきます。
当時のお屋敷やお城ははじめからそのような二重構造で作られていたのでしょう。
もっとも、私が見たことがないだけで、
今もデパートやホテルなど、
完全にお客側とスタッフルームがわかれているわけですよね。
裏側を映し出す作品がめったにないというだけのことか。



シドニーは頭も良くて、ちょっと冷めた眼でマリー・アントワネットを見ているのかな?
と思えていたのですが、
どうも設定としては、王妃を敬愛し恋焦がれている、ということだったようです。
・・・なんだか釈然としません。
ポリニャック夫人などと色恋沙汰を起こしている王妃のどこがそんなに好きだったのか、
どうして憧れるようになったのか、
そういうところをもう少しきちんと語って欲しかったような気がします。
・・・そう思うのは、
「ベルばら」ファンとしてもマリー・アントワネットを
ちっとも好きになれなかった私なので、しょうがないかな。
ただ王妃で、美しいから、ではねえ・・・。



とはいえ、ラストは、息詰まるような緊張感があり、
なかなか良かったです。
アントワネットの哀れなその後について、
あえて触れなかったのもよろしい。

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レア・セドゥ,ダイアン・クルーガー,ビルジニー・ルドワイヤン,グザビエ・ボーヴォワ,ノエミ・ルボフスキー
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「マリー・アントワネットに別れをつげて」
2012年/フランス・スペイン/100分
監督・脚本:ブノワ・ジャコー
原作:シャンタル・トマ
出演:レア・セドゥー、ダイアン・クルーガー、ビルジニー・ルドワイヤン、グザビエ・ボーボワ
時代表現★★★★☆
満足度★★☆☆☆


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