映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「モルフェウスの領域」海堂尊

2013年08月06日 | 本(その他)
SFファンタジーっぽい桜宮ストーリー。でもやっぱり論理の応酬。

モルフェウスの領域 (角川文庫)
海堂 尊
角川書店
 

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桜宮市に新設された未来医学探究センター。
日比野涼子はこの施設で、
世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の
生命維持業務を担当している。
少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、
特効薬の認可を待つために5年間の"凍眠"を選んだのだ。
だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、
彼を守るための戦いを開始する。
人間の尊厳と倫理を問う、最先端医療ミステリー!


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ここに登場する佐々木アツシくんは
以前のストーリーにも登場していました。
といういか、海堂作品はすべてがつながっているので、当然ではありますが。
なんとそのアツシが「コールドスリープ」で5年間の眠りについている。
深海のようなひっそりとした場所で、ひたすら彼を見守り続ける涼子。
何やらSFファンタジーめいた光景ですが、
やはり海堂作品なので、
その裏では利権やらなにやらが絡んだ一部の者の思惑が蠢き、
まるで罠のような論理の応酬が繰り返されています。


その論理の応酬部分は私にはついて行き難いところもあるのですが、
そこは目をつぶって、
人々の感情の揺れを注視していくと、
とてもステキなストーリーとなります。
(女性としてはこういう読み方をしてしまうわけです・・・。)
最後に涼子がアツシを守るために下す決断とは・・・!
いや、驚きます。


それでようやく私の中でつながったのですが、
今作に続編があって、「アクアマリンの神殿」ですが、
これは我が家で購読している新聞に連載されていたのです。
頭脳明晰才能あふれる少年が
眠り続ける誰かを見守るというストーリーで・・・。
(でもそのコミック調イラストと学園ドラマっぽくなってきた所でいやになって、
途中から読むのをやめてしまった!!)
文庫化されたらまじめに読むことにします・・・。


田口医師や如月看護師も登場するので、
海堂ファンとしてはやはり見逃せません。

「モルフェウスの領域」海堂尊 角川文庫
満足度★★★☆☆


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