本の呪いによる冒険
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“本の街”読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。
父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めているが、深冬は本が好きではない。
ある日、御倉館から蔵書が盗まれたことで本の呪いが発動し、
町は物語の世界に姿を変えてしまう。
泥棒を捕まえない限り町が元に戻らないと知った深冬は、
不思議な少女・真白とともにさまざまな物語の世界を冒険していくのだが……。
初めて物語に没頭したときの喜びが蘇る、胸躍るファンタジー!
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敬愛する深緑野分さんの物語ですが、これは純然としたファンタジー。
本の街、読長町に住み、書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬が、
膨大な蔵書を誇る「御倉館」で、
謎の物語世界に迷い込んで冒険するストーリー。
私はどうも、虚構の上に虚構を積み重ねるような話は苦手なのです。
戦争など動かしがたい重い現実の上に立つ架空の出来事なら、
大いにのめり込み感動を得ることができるのですが・・・。
そして、この著者はそうした物語に非常に力を発揮できる方だと思っていたものですから・・・。
私には現実味の薄いこの物語世界にあまり没入できず、
読み進むのがやや苦痛でもありました。
残念。
ただし、こういう向きの物語が好きな方もいらっしゃると思うので
全否定というわけではありません。
「この本を盗む者は」深緑野分 角川文庫
満足度★★☆☆☆
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