時は近未来、日本領土内「江戸国」の続編
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ときは近未来、ところは日本領土内、鎖国状態の「江戸国」。
上質の阿片が海外に出回り、江戸国は麻薬製造の嫌疑をかけられる。
極悪非道で知られる長崎奉行ゴメスは、異人たちが住む麻衣椰(マイヤ)村に目をつける。
辰次郎が想いを寄せる女剣士朱緒の過去が絡み合い、事態は思わぬ展開を見せるが――。
「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作の続編、待望の文庫化!
『芥子の花―金春屋ゴメス―』改題。
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西條奈加さんの「金春屋ゴメス」シリーズ第2作です。
月に人が移住して住んでいるという近未来。
そうした近代文明に背を向けて、
江戸時代同様の生活を送ろうという人々が集まり建国した「江戸国」。
前作で、日本からこの「江戸国」にやって来た辰次郎は
そのまま長崎奉行ゴメスの元で働いています。
そんなところに起きた事件は、
江戸国が麻薬製造の嫌疑をかけられたため、その麻薬の流出元を探ろうとする物語。
これが驚きのスペクタクルな展開を見せまして、
もう、私的にはやんややんやの喝采状態。
なんて痛快なストーリーでありましょう!
続編というのは大抵前作の二番煎じで期待ほど面白くないということも多いのですが、
今作については断然一作目よりこちらの方が面白いです。
まあ、前作は、この物語の設定自体を説明していかなければならないし、
何しろ著者のデビュー作でもある、ということで仕方ないのですけれど。
そしてシリーズものは、舞台設定も登場人物もしっかり把握済みなので、
すんなりストーリーに入っていけますし。
単行本にはなかった「ゴメスおまけ劇場」というのが文庫版には付加されているので、
それもお得です。
ゴメスのむちゃくちゃぶりがなんとも楽しい!
しかし本作2006年にでて、残念ながらその続きは出ていないのですね。
続きが読みたいな~。
「金春屋ゴメス 異人村阿片奇譚」西條奈加 新潮文庫
満足度★★★★★
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