
「禍家」 美津田信三 光文社文庫
ホラーミステリです。
ホラーは普段あまり近づかないようにしているジャンルなんですけどね。
新聞の書評の推薦により、読んでみました。
主人公は12歳の少年貢太郎。
両親を亡くし、祖母と二人である町の大きな一軒家に越してくる。
しかしなぜか光太郎はそのあたりの風景に強い既視感を覚える。
そしてまた、夜になるとこの家でおこる、恐怖の怪異現象。
怖いです・・・・。
感動してしまうのは、この少年。
祖母に心配をかけまいと、この恐怖体験も決して語らず騒ぎ立てず、自分で対処しようとするところ。
・・・すごいです。
それから、すぐに友達になった、礼奈。
彼女が、きちんと彼の話を聞き、信じて、一緒に考えてくれる、こんなところも救われるのですね。
調べるうちに、以前、この家で大変な事件があったということがわかってきますが・・・。
なんと、このような心霊現象だけのストーリーではなく、土壇場で、生きた人間のとんでもない「悪意」が登場。
ホラーというだけでなく、仕掛けられた、ミステリでもあったのかと、ここでようやく気づきました。
結局、幽霊より、生きた人間の方が怖い・・・。
そういうことかも・・・です。
この本の中では、家に鉤の手に曲がった廊下があったり、
くの字に曲がった道、九十九折の道があったり、
まっすぐ見渡せない、曲がった道がよく出てきます。
「曲がる」ことと、「禍々しい」ことが関連して、意識されているようです。
まっすぐ見通せない、その曲がった先。
何か恐ろしいものが潜んでいるように思えるその先。
怖いのだけれど、確かめずにはいられない、その先。
そういう恐怖心をテーマとしているように思います。
満足度★★★★
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