映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「中野のお父さんは謎を解くか」 北村薫

2022年01月05日 | 本(ミステリ)

日本文学・・・、まあ、苦手でも大丈夫

 

 

* * * * * * * * * * * *

運動神経抜群の編集者・田川美希の毎日は、本や小説にまつわる謎に見舞われ忙しい。
松本清張の「封印」作品の真実、
太宰治作品中の意味不明な言葉、
泉鏡花はなぜ徳田秋声を殴ったのか……
そんな時は実家に行き、高校教師にして「本の名探偵」・お父さんの知恵を借りれば親孝行にもなる!?
愛されシリーズ第二弾。

* * * * * * * * * * * *

北村薫さんの「中野のお父さん」シリーズ第2弾。

編集者である田川美希が、仕事の中で出会ったちょっとしたナゾを、
高校教師で「本の名探偵」であるお父さんの知恵を借りて解いて行きます。

主には、日本文学史上の著名な作家などにまつわるナゾ。
そもそもそういう世界のことをある程度理解していないと
「ナゾ」自体が発生しないし、
その答を見つけるためには、かなり古今の作家や作家同士のつながり、
その周辺のことを熟知していなければ、解答を見つけることも出来ません。

私は、そのナゾ自体が発生しない部類なので、
実はこの物語を読む資格自体がないようにも感じてしまうのですが、
それでも、なんだか興味深さは感じられる。
ともあれ、著者北村薫氏の知識量こそを賞嘆すべきですね。

まあこんな私なので、例えば美希の恋模様などが注目の的だったりするミーハー読みです。
本作では、他社の編集者で手塚という人物が、なんだかいい感じになりそうな気配。
児童書担当なので、会う機会はあまり多くなかったのが、
文芸書に配置換え。
この先は会う機会も多くなりそうなのですよ・・・。

そもそも手塚を意識するようになった
「『百万回生きた猫』は、絶望の書か」の問いが、シビれます。
この先が楽しみになってきました。

「中野のお父さんは謎を解くか」 北村薫 文春文庫

満足度★★★.5

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿