映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

映画大好きポンポさん

2022年06月12日 | 映画(あ行)

映画作りとともに成長する青年

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映画作りを題材としたアニメです。

 

大物プロデューサーの孫で、自身もその才能を受け継いだポンポさん。

ですが、主人公はポンポさんではなくて、
その元で制作アシスタントを務める青年・ジーン(声:清水尋也)です。
元々映画が大好き。
内気で孤独なジーンは、これまでどれだけ映画に心を慰められたことか・・・。

ある時、ジーンはポンポさんに初めて15秒の映画CMを任され、その楽しさに目覚めます。
そしてその後、ポンポさんから新作映画「MEISTER」の脚本を渡され、
監督を務めるようにと言い渡されます。
しかも主演は伝説の俳優と呼ばれる超実力派マーティンで、
しばらく休業していた彼の復帰作になるという・・・。
相手役のヒロインは新人女優ナタリー。
いよいよ波瀾万丈の撮影がスタートします。

さて、波瀾万丈とはいいますが、撮影は案外トントン拍子。
キャスト、スタッフ、その他の条件に恵まれ、
納得のいくシーンを撮ることができて、クランクアップ。
しかし、ジーンは次の編集のところですっかり行き詰まってしまうのです。

撮りためたシーンをすべてつなげば14時間。
でもそれを2時間程度にまとめなければなりません。
どのシーンにも愛着があって、そう簡単には切り捨てられない・・・。

確かに、私たちはクランクアップですべて終了、めでたしめでたしと思いがちですが、
その先がまた大変なんですね。
しかもポンポさんは2時間以上の映画なんてダメだ!と常々言い放っています。
いやあ、分かる。
150分とか180分という作品は私もちょっと見るのをためらってしまうのです。
それだけ長時間拘束されるのは、身体的にも生活上でもちょっとしんどい。
紆余曲折を経た長編小説の映画化等の時には、
割愛しすぎて味気なくなってしまうと言うことがありますけれど・・・。
そこはもう思い切って上・下に分割してしまうとかですね、
とにかくあまり長いのは私的には歓迎できません。

本作の舞台となるのは、映画の街ニャリウッド。
ジーンは内気で生きる意欲もなくしているような青年なのですが、
ポンポさんは彼の目に光がなくて、映画がなければ社会不適合者であるような彼を見込んで、
助手に採用したという、
分かるような分からないような設定なのですが・・・。
でもまあ、彼が次第に自信を取り戻し、スタッフたちとの関係を築き、
そして自分の思いを押し通すすべをも身につけていく、
こうした成長の姿はなかなか心地よいです。

映画好きな方にオススメ。

 

<WOWOW視聴にて>

「映画大好きポンポさん」

2021年/日本/90分

監督・脚本:平尾隆之

原作:杉谷庄吾

出演(声):清水尋也、小原好美、大谷凜香、加隅亜衣

 

映画愛度★★★★★

青年の成長度★★★★☆

満足度★★★.5



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