映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

2010年06月09日 | 本(解説)
マネジメントで最も必要なのは真摯であること 

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎 夏海
ダイヤモンド社


              * * * * * * * *

表紙にかわいい女の子のコミック調イラスト。
でも、マンガじゃないですよ。
いま、ベストセラーとなっているれっきとしたビジネス書。
私には大変珍しい分野ですが、
「マネジメント」にはちょっと興味があって、私でも読みやすそうだったので・・・。


高校野球部のマネージャーみなみが、
ピーター・F・ドラッカーの『マネジメント』を読んで、甲子園を目指そうとする。
という物語形式で語られる、組織経営学の入門書です。
しかし、このみなみちゃんは、名前から想像する以上に頭の切れる子ですよね。
普通、こんな本を読んでも訳がわからず、
ハナから野球部とはカンケイナイと、投げだしますよね・・・。
まあ、それでは話が進まないというわけで・・・。

野球部であろうとも"組織"で、その目的と定義を決定する出発点となるのは顧客である。
顧客を満足させることが企業・組織の使命であり目的である、といいます。
ふむふむ、そこまでは何となくわかりますね。
ではこの場合の顧客とは??? 
みなみが悩みながらも見つけた答え。
野球部の顧客とは―――
親・先生・学校・都民・高校野球連盟・高校野球ファン・そして当の野球部員。
そうして、これらの顧客が求めているものは「感動!」。

このように一つ一つ具体的にかみ砕きながら話が進むので、確かにわかりやすいのです。
同様に、自分の勤務先・仕事についても、
『マネジメント』を応用できそうな気がしてきます・・・。
まあ、本当にできるかどうかはさておいて・・・。


この考え方でいいのは、顧客側だけではなくて、
組織側の一員としても、やりがいと満足を得られるということなんですね。
そういう風に感じられる組織は、うまくいっているということです。

・・・ということで気をよくして、
一段階上の「エッセンシャル版マネジメント」を読み継ぐべきや否や。
それが問題だ・・・。

満足度★★★★☆


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