映画と本の『たんぽぽ館』

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ジミー、さよならのキスもしてくれない

2016年01月25日 | 映画(さ行)
ハードルを下げた父親



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本作もリバー・フェニックス目的で拝見。


リバー・フェニックス演じるジミーは17歳の多感な少年。
シカゴ郊外の中・上流階級ゾーンに越してきます。
周りの新しい友人たちは皆お金持ちのお坊ちゃま・お嬢様。
けれど、彼の家庭は経済的にはちょっとキビシイ。
彼は大学へ行くため、父親からもらった資金を使ってしまい、
父に、それなら父と同じビジネススクールに行くか、就職するか
どちらかにしろと言われてしまいます。


アメリカ映画らしく、この父と息子は反目するばかりで全くうまく行っていない。
でもね、まあ、私自身「親」の立場でもあるので、
実際ジミーのこの生活態度には全く疑問を抱かざるをえない。
女にはすぐ手を出す。
友人や妹にまで借金をして返さない。
一応本命の彼女がいるのに、母親の友人マダムに簡単に誘惑されてしまう。
挙句に、ハワイへ行くなどと腑抜けたことをいう。
なんだか途中で見るのも嫌になってくるくらいおバカな奴なんですよ・・・。
ど~するのさ、アンタ!!
破綻は目に見えている。
ありふれた青春の挫折のストーリーにしてもなんとお粗末な・・・と思った矢先、
ふっと気持ちの和むラストに少し救われました。
それはやはりジミーと父親との関係に答えがあった。


父が母の友人を家に招くことを極度に嫌がっているというところで、
わたしはピンときたのです。
ただひたすら真面目で面白みも何もないように見えるこの父が・・・?
息子が父を超えたのではない。
父親のほうが勝手にハードルを下げただけ。
そうではあるのですが、そのことによって
ジミーのただ闇雲にある父への反感が解消するのですね。
どっちも同じ穴のムジナ・・・。
なんだかしょうもないラストなのですが、
それまでと打って変わって、互いにそばにいる父と息子の力の抜け具合が秀逸。
全く、本作はこのラストがなければとんでもない駄作で終わるところでした・・・。

ジミー ~さよならのキスもしてくれない~ [DVD]
ウィリアム・リチャード,ウィリアム・リチャード
カルチュア・パブリッシャーズ


「ジミー さよならのキスもしてくれない」
1987年/アメリカ/93分
監督・脚本:ウィリアム・リチャート
出演:リバー・フェニックス、メレディス・サレンジャー、ポール・コスロ、アン・マグナソン、マシュー・ペリー

リヴァー・フェニックスの魅力度★★★☆☆
満足度★★★☆☆


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