映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

パラサイト・イヴ

2018年10月28日 | 映画(は行)

ミトコンドリアが明確な意志を持てば・・・

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瀬名秀明さん原作によるこの本は、当時すごく話題になって売れたのですよね。
そんな懐かしさもあって見てみました。

大学薬学部に所属する生物学者の永島(三上博史)は、ミトコンドリアの研究をしています。
彼によれば、人間の細胞中にあるミトコンドリアは、
言ってみれば人間の細胞にパラサイト(寄生)しているようなものだ、と。
10億年前、はじめて人類に寄生したその最初のミトコンドリアがあったはずで、
いわば“イヴ”のようなもの。


さて、彼には結婚一年になる妻・聖美(葉月里緒奈)がいるのですが、
何やら体に異変が現れている様子・・・
と思う間もなく事故で脳死状態となってしまいます。
そこで、聖美の腎臓は麻理子という少女に生体移植され、
そしてまた、肝臓は密かに永島に渡されます。
そして永島は聖美の肝臓からミトコンドリアの培養を始めるのです。
やがて、麻理子と聖美のミトコンドリアに異変が・・・。

一応ホラー作品ですが、一番怖かったのはカタツムリに寄生するという寄生虫の話。
その寄生虫はカタツムリのツノ(というか、目?)を変形させて、
鳥が好んで食べる幼虫そっくりにしてしまうというのです。
やがて寄生虫がカタツムリを滅ぼすという恐ろしい生態の話が、
いつかミトコンドリアが私達人類を滅ぼすのではないか・・・
という恐ろしい運命を予感させるわけですね・・・。


そんな想像が一番恐ろしかっただけで、後はどうということはありません。
永島が妻を愛するあまり、ほとんどマッドサイエンティストに変貌していく・・・
というところまではまあ許せる。
けれどラストの笑えるほどのセンチメンタリズムはどうもいただけない・・・。
テンポも良くないし・・・。
あ、脚本は君塚良一さんでした。
約20年前・・・やはりまだ若かったんですね・・・。

パラサイト・イヴ [DVD]
瀬名秀明,君塚良一
フジテレビジョン

<WOWOW視聴にて>
「パラサイト・イヴ」
1997年/日本/121分
監督:落合正幸
脚本:君塚良一
原作:瀬名秀明
出演:三上博史、葉月里緒奈、中嶋朋子、別所哲也、大村彩子、稲垣吾郎



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