かなり前(4月頃)、政府・自民党が、「工業高や商業高、5年制職業校に再編」を検討中であると読売新聞が取り上げていた。
その後の後追い記事も見かけないので、自分の考えをまとめてみたい。
記事によれば、「職業教育を充実・強化するため、中学卒業を資格とする5年制の新たな職業教育機関を創設する検討」とのこと。読売によれば、大学進学率が高まるにつれ、現在の高等専門学校(高専)や、工業高校、商業高校など専門高校への入学志願者が減り続け、既存の機関に代わる新たな職業教育の枠組みを作る必要性があると判断したためとあった。
新たな5年制の職業教育機関の基本的な枠組みとしては、以下のようなものが考えられると書かれていた。
〇各都道府県の工業や商業、農業など複数の公立の専門高校を再編・統合する。
〇3年間の教育課程にさらに2年間の新たな高等教育課程を加える。
〇既存の専門高校や高専の教育課程を短大や専門学校と統合する。
う~ん。
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商業系学科設置校で勤務していたものとして、考えることがある。
僕の勤務していた学校は普商併設高校で、入試の成績も両者間でそれほど顕著な差異はない。仮にこの構想が具体化すると、併設高校としては、成立しなくなるだろう。現行の入学者クラス数×3から5年間の在籍にした場合、当たり前だが入学者クラス数を減らさない限り教室がたりない。
3年間で取得できない資格を5年かけて取得したとして、20歳のそのような人材を受け入れる場所(組織・会社)があるかないかが問題だと感じる。それに見合うお金が出せなければ、生徒は就職しない。理美容の専門学校の基礎資格が、10年ほど前に高卒になり、修業年限が2年間に変更になった。理美容業界が新しくなった制度に見合った採用ができているのか、よくわからない。3年生でも就職できる生徒、する生徒はするし、5年生になっても就職できない生徒、しない生徒は必ずいる。発足当初はそれなりの注目を浴びるかもしれないが、商業系・工業系高等学校が新しい組織に移行するころ(完成年度:5年後)には、あまり注目は浴びず、おそらくは経済学部系大学、工学・工業系大学への編入が今の国立高専のようになるのではないか。卒業(修了)後の資格は準学士が考えられる等とも記事にはあったけど、こうなればますます編入バイパス化する。
う~ん。
どうなんだろうねえ。。。