大阪府下茨木市の関西大倉高校で新型インフルエンザの発症者が出た。
同校は中高一貫校。ウェブサイトによれば平成21年度入試においては、中学が入学定員160名、高校が320名だ。過去2年年間同じだったとして、定員は1400名を超える学校だ。
…大きい学校だ。
これが第一印象だった。
いくつかのニュースを読んでみると、実際は1900人程度の在籍とあった。GWをはさんだ1日~16日の間に143人の欠席だったという数字も出ていた。この間学校が何日開いていたかちょっとわからないが、「16日まで」との報道もあるので、土曜日も学校が何らかの形で開いているのだろう。カレンダー通りだとするとこんな感じだろうか。
…1、2、7、8、11~16の全部で10日間。
全校生徒1900名とする。1900名の中で143名ならば7.5%である。これは大変な数字だ。でも、同校は中高に分かれており、入学定員通りならば、クラスの定員がわからないけど、仮に中学は40名の4学級(学年160名)×3学年、高校は40名の8学級(学年320名)×3学年とすれば、学級数は36になる計算である。でも、実際は生徒はもっと多いのである。
36学級で143名の欠席というと、クラス平均4名弱である。単独のクラスならば、ない数字ではない。でも、10日間にしてしまうと、当然だが欠席数は少なくなる。朝のホームルームで担任が見て、あれ?っといつ思えるのだろう。まして、どう考えても同校は各学年2クラス程度分くらいは多くの生徒が在籍している。公立よりもいい教育環境(少人数等)を私学はセールスポイントにしている。クラス数36で生徒数を割ると、1クラス50人を超えてしまう。公立学校よりもクラスの人数が多い私学なんて、経営戦略として保護者に選択されないだろう。第2次世界大戦後のベビーブーマーのピーク時の公立学校ならばともかくも、現在の公立義務教育学校の中学校ではあり得ない数字だし、高校でないと思う。内情はわからないが、学級数は36ということはないだろう。学級数が多くなれば、平均した欠席者数も少なくなる。
いつ疑えるだろう。
GW後に欠席が増加したとのことだが、仮に11日~16日の6日間だけの割合を考える。
のべで11400名。欠席を143名とすると、1.25%の欠席率。6日間スパン、36クラスで143名の欠席。
143÷6÷36=0.66人。1人いない。
36学級だとしてもこの数字である。いつ疑えるだろう。
一部学年の学級閉鎖もしているようなので、半分の3日間に学校全体で欠席者が集中したとしてみると、生徒数はのべで5700名、欠席者は143名。欠席率は2.5%になる。3日目の状況を見て、学級・学年閉鎖を判断したとする。
1日目:3分の2のクラスで欠席1、24名の欠席。
2日目:前日の1.5倍、各クラスで欠席1または欠席2、48名の欠席。
3日目:各クラス欠席2、72名の欠席。
全部で144名である。全校まんべんなくだと、こんなに少ないのだ。36学級だとしてやっとこの状態である。
報道によれば、この間の欠席は中学生が52名、高校生が91名である。ほぼ定員の比率に近い。
このような状況に気がつけるだろうか。自分の勤務校を考えてみた。
勤務校は40名×8学級×3学年の公立高校なので、転入・転出などがあるものの、生徒在籍数はほぼ定員の960名に近い。在籍数に1日の欠席率7.5%をかけてみると、72名の欠席になる。これが3学年に散らばっていたとすると、24学級各クラスに3名の欠席である。全クラス3名ずつの欠席であれば、仮に朝気づかなくても、6コマの授業が終わる帰りのホームルームまでには、それぞれのクラスで授業をした担任・学年団が、「なんか今日休み多くないか?」と疑問に思うだろう。これだけの欠席がいれば、体調不良の者もいるはずだ。養護教諭も気がつくだろう。でも、この欠席数が特定の学年だったり、何日かに分けて徐々に増えていったとすると、これに気がつけるだろうか。3日間でこんな感じだったら、、、
1日目:クラスに欠席0か1名、6名の欠席。
学年で2名程度欠席がいる状態。
2日目:クラスに欠席0か1名、18名の欠席。
欠席ゼロまたは複数のクラスが混在状態。
3日目:クラスに欠席2名、48名の欠席。
いきなりどかんと増える。
こうすると、全部で72名である。これ以外に部活動の試合でいなかったり、長欠がいたりしたら。。。
…これは気づけないかもしれない。
大変なことである。