2月10日に、「医学部新設」で取り上げた、東北福祉大と仙台厚生病院の医学部新設の動き。その後のことが河北新報のウェブサイトにでていた。(9月28日のこと)
それによれば、東北福祉大と仙台厚生病院が構想中の医学部について、両者が合同で設置した基本構想検討委員会が9月27日が最終報告書をまとめとのこと。
報告書には目指す医学部の姿として、地域に根付き、弱者を助ける強い意志や社会常識、心優しさを兼ね備える「良医」の育成を前面に出すこと。診断学と治療学の研究に重点を置き、東日本大震災によって発生が予想される各種疾患についての長期的調査、治療の研究を推進すること。他大学との連携による教員や人材の確保、新設も含めた施設整備に関する方針が盛り込まれた。
入試については、東北の高校生を対象とした地域枠や奨学金制度を設け、卒業生が一定期間、地域医療を義務的に担うようなシステム構築も目指すこと。医師国家試験合格率は全国平均の90%以上を目指すようだ。
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この東北福祉大学が関係するもののほか、現在複数大学に医学部新設計画中との情報がある。また、9月18日に判明したことだが、茨城県が早稲田大学に医学部新設を打診というニュースもあった。地元埼玉県でも15日、自民党県議55人が、県立大学に医学部新設を求め知事に要望書を出している。ただ、医学部を作るとなると、他の医療系学部とはハードルの高さが違う。ハードウエア、ソフトウエア(教学部門)、実習先、そして受験生のレベル確保の問題。それぞれ一筋縄ではいかない。
河北新報のニュースによれば、現在医学部新設を認めていない国(文部科学省、厚生労働省)が、方針転換をした場合、2014年に新入生を迎えることを考えているらしい。準備期間が2012年、'13年の2年間。これはいかにもムリだろう。
国の方針転換が前提のことだが、まだまだしばらくは注目しなければならない話しである。