昨年のクリスマスごろ、こんなニュースがあった。
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グーグル買収の日本ロボットベンチャー
米国防総省の災害救助競技会で圧勝【要約】
フロリダ州で20~21日に開催された災害ロボット大会予選で、米グーグル社が買収した東京大学発のベンチャー企業「SCHAFT(シャフト)」が1位。
車の運転、凸凹道歩き、がれき除去など全8種目で高得点を記録。32点満点中27点で、2位の米フロリダ人間・機械認知研究所(HIMC)の20点を大きく上回る圧勝。
福島原発廃炉作業のような環境下において使用可能なロボットの開発に資する。
本大会は米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が主催するイベント。上位8チームが100万ドルの開発資金を獲得し、2014年12月の決勝大会へ進出する。
決勝大会の優勝チームには賞金200万ドルが授与される。
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昨年末から書こうか、やめようかと思っていたのだけど、やっぱり書くことにした。タイトルのSCHAFTという企業は、記事の通り、日本のロボットベンチャー企業。現在はアメリカGoogle社傘下の会社である。
災害救助競技会とあるが、予算元はDARPAである。原発廃炉作業でも使うことを考えているとは、いったいどんなレベルなのだろう。こんな条件設定だろうか。
『人間の作業の全部・もしくは一部の代わりができる』
『作業時に必要な自律的判断ができる』
『人間の代わりなので、ヒト型、準ヒトサイズ』
これらをすべて兼ねるもの。その基礎研究のための競技会。予算がDARPAからでる。
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DARPAだから無条件に反対とは言わない。でも、なんだかすごい話しである。なお、Google社はロボット事業について、「軍事産業進出の意図はなく、あくまでも商用・民生用ロボットの実用化」と表明している。ただ、新しい技術は常に軍事利用されるのは歴史が証明している。少なくともこれまで人間はそうしてきた。これは忘れてはならないこと。現実である。
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実はこのニュース、記事内容そのものもそうだが、そのロボットを製造した会社(の名前)も注目なのだ。
昨年9月14日、「答えあわせ」という記事で、CYBERDINEという会社のことを書いた。同社はHALという一種のパワードスーツの開発研究、製造をしているベンチャー企業である。HALも社名も、SFが好きな人間ならば、ピンとくるはずである。SCHAFTという社名も、ロボットと関係してくると、気がつく人は、やはりピンとくると思う。そして、ニヤリとするだろう。
フィクションの世界と現実の世界。妙なところでつながっている。そう感じる。なんだかモヤモヤ感があるなあ。