前回(’14-12-25)、『「スクール☆ウォーズ」モデル 伏見工消える・・・統合で新校名公募』で、平成27年度の市立伏見工業高、市立洛陽工業高の入学定員を調べるため、京都市のウェブサイトを調べた。京都市立の高等学校は全部で9校ある。1校はブログを書き始めた頃取り上げた学校である。2校以外はどんな学校なのか調べてみた。
なお、学校名(と位置、住所のこと)は、『京都市立高等学校条例(昭和39年3月25日・条例第42号)』による。平成26年現在京都市が設置する高等学校は以下の通りである。丸数字は条例に出ている順で、便宜的に僕がつけた。
①京都市立洛陽工業高等学校
②京都市立伏見工業高等学校
③京都市立西京高等学校(読み、「さいきょう」)
④京都市立銅駝美術工芸高等学校(読み、「どうだ」)
⑤京都市立京都堀川音楽高等学校(読み、「ほりかわ」)
⑥京都市立堀川高等学校(読み、「ほりかわ」)
⑦京都市立日吉ケ丘高等学校(読み、「ひよしがおか」)
⑧京都市立紫野高等学校(読み「むらさきの」)
⑨京都市立塔南高等学校(読み「とうなん」)
条例に書かれている順番が、どんな理由かはわからない。埼玉県の場合ならば、おおよそ、歴史の長い順になるのだが、京都市はどうなのかな。
なお、京都市立高等学校は上記9校、来年度の入学者定員は1640名。9校でこの人数はずいぶん少ない。資料を読んでみるとなるほどと思えることが書いてあった。③~⑨の入学定員をまとめてみよう。学科名(入学定員)である。
①②は統合される。
③エンタープライジング科(160)
元々は商業系高校。学校創立130年近い。だが、現在の学科構成や進路先を見ると、完全に「進学」を強く意識した高等学校だと思う。なお、同校には附属中学校がある。定時制課程普通科(50)併設校。
④美術工芸科(90)
美術工芸科の源流は19世紀までさかのぼる。戦後美術高等学校に。再編を経て、現在の学校は⑦から分離独立。単独校である。
⑤音楽科(40)
同校は⑥から分離独立。音楽系単独校である。
⑥普通科(80)、探究学科群(160)
普通科はまさに普通の教育課程、探究学科群は2年次から人間探究科、自然探究科に分かれる。前者は外国語人文系、後者は理数系のカリキュラム。SSH,SGH指定校である。
⑦普通科(240)
元々は英語科(H.7~)、国際コミュニケーション科(H.21~)と外国語系の専門学科と普通科併置校。平成26年度から普通科のみの募集。
国際コミュニケーションコース、アクセラレイティッドコース 、リベラルアーツコースに分かれる。
国際コミュニケーションコースは埼玉県で考えると、普通科ではなく外国語科の教育課程である。これはこれまでの専門学科での実践を考えると当然のかたち。アクセラレイティッドコース、リベラルアーツコースいずれもかなり選択の幅が広く、教育課程だけを見て類型をいうことができない感じ。
⑧普通科(240)、アカデミア科(80)
普通科は2年次から人文科学コース、自然科学コースに分かれる。前者は3年次2単位科目を4科目選択する。後者は選択必修がないのでクラス固定なのかと思う。
総合学習、HR活動等の総単位数が3年間で99である。
アカデミア科は2年次からグローバルコース、サイエンスコースに分かれる。基礎基本の科目に加え、専門に関する科目(群)から関連科目を履修させるかたちのようだ。総合学習、HR活動等の総単位数が3年間で105である。これは土曜日に授業を入れるか、長期休業期間を削り集中講義形式を入れるか、平日7時間目を毎日組み込まないと実現できない授業時間数である。普通科と1学年で2単位違うのだから、何か特別な調整をしていると思う。
⑨普通科(240)、教育みらい科(40)
普通科は2年次から普通進学と特別進学(文系理系)に分かれる。教育課程を見ると、芸術・家庭科の必修単位が少なく、それらの分を選択にまわしている。卒業までの総単位数は、総合学習、HR活動を含め105(35×3)である。
教育みらい科は、このブログがはじまった頃取り上げた*ことがある。教育課程を見ると、専門科目『教育みらい学』以外は、普通科とあまり違いはないようだ。専門科目は大学・専門学校の教育系学科の基礎科目を手本としていると思われる。なお、学校のウェブサイトによれば、同科は平成19年4月に1期生が入学。平成22年3月に卒業。1期生のうち平成26年4月に教員新規採用者が出ている。パンフレットによれば12名である。このOBOG新規採用者が、いわゆる本採用か臨時的任用かわからないが、成果があがりつつあるのだろう。
市立高校7校を全体的に見ると、専門学科はもちろんだが、普通科もかなり思いきった学科編成・教育課程であると思う。
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*2005-10-23
「京都市立塔南高、教員養成学科(?)を新設…07年度」
上記学校のウェブサイトは、京都市教育委員会のウェブサイトから。
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