二つ気になる言葉がある。一つは以前にも取り上げたが、もう一つは新規のものである。
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1月2日と3日、今年も東京箱根往復駅伝競走(箱根駅伝)が開催された。そこで何度も出てきた表現。
<母校(の襷)>
母校という言葉をブログで取り上げたのは、9年前*のことだ。
フィギュアスケートの安藤美姫選手がトリノオリンピックに出場する。彼女が当時在籍していた高校で、激励会が行われた。それを報じたNHKと民放で、言い方が違っていたのである。
NHK:
「在籍する名古屋市の高校で
「激励会は安藤選手が通う名古屋市の、、、
民放:
「安藤美姫選手の激励会が母校で
僕は母校という単語の使い方に違和感を覚えて、母校とは卒業した学校のことではないかとブログに書いている。
箱根駅伝、嫌いではない。毎年何となくだが、確実に見る。今年も中継で母校という単語がたくさん出てきた。中継を盛り上げるため(?)に、「母校の」を使う。「在籍大学の」では興醒めなのもわかる。でも、気になる。もしかすると、僕の日本語が間違えているのではないかとを考えて、改めて調べてみることにした。
検索語〔母校〕
①デジタル大辞泉
その人が学んで卒業した学校。出身校。
②三省堂大辞林
その人が学び卒業した学校。出身校。また,在学している学校。
現実問題として、日テレは中継で在学している大学を母校としている。辞書にも載っているようだ。
・・・う~ん。
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もう一つは、この言葉である。
<山の神>
箱根駅伝の往路5区のランナーで、卓越した成績をのこした選手に与えられるある種の称号(尊称)である。東洋大学在学時の柏原竜二選手や、今年の青山学院大学の神野大地選手がそうだ。
山の神は読んで字のごとく、山の神様という意味である。山に住む神だったり、山そのものが神であったりなど、土地によって解釈は異なる。日本ではほとんどの場合において、女神であるとされる。だから、使うななんていわない。ただこれは、本来の意味とは違う使い方である。
この語の使われ方は、誤用ではなく、借用か転用だろう。言葉というものは時代と共に変わる。いいサンプルである。
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*2006-01-12、「母校って、変じゃない?」