全英連参加者のブログ

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<文科省調査>精神疾患で休職教員5009人 平成27年度

2017-01-08 04:00:00 | 気になる 教育行政

 昨年12月22日に新聞各紙が報じた。

 平成27年度にうつ病などの精神疾患により休職した公立学校の教員が5009人。
 全教員の0.54%、'14年度に比べ36人減。'07年度以降5000人前後で高止まり。

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 文科省の資料をDL、読んでみた。


平成27年度公立学校教職員の人事行政状況調査について
 公立学校教職員の人事行政状況(教職員の精神疾患による病気休職者数、教育職員等の懲戒処分等、指導が不適切な教員の認定及び措置等、人事評価等)について調査しましたので、その結果について公表します。

調査目的
 教職員の人事管理に資するため、公立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校における教職員の人事行政の状況について、都道府県・指定都市教育委員会を対象に調査を実施しているもの。

調査対象及び調査対象期間
 47都道府県及び20指定都市の計67教育委員会を対象とし、平成27年度の状況を中心に調査。


 病気休職者は7954人。このうち6割強が精神疾患によるもの。
 年度ごとの人数は以下の通り。全体/埼玉県である。

 H.23 5,274/214
 H.24 4,960/203
 H.25 5,079/210
 H.26 5,045/214
 H.27 5,009/201

 H.27の休職者のうち、埼玉県のデータを見てみる。

校種別にすると、以下のようになる。
 校種、病気休職、カッコ内が病気休職者のうち、精神疾患による休職者数と、その割合である。

 小学校 113(62,46.9%)
 中学校 118(77,65.2%)
 高等学校 59(37,62.7%)
 中等教育学校 なし。(埼玉県には中等教育学校はない。)
 特別支援学校 47(25,53.1%)
 合計 337(201,59.6%)

男女別にすると、以下のようになる。
 性別、病気休職、カッコ内が病気休職者のうち、精神疾患による休職者数と、その割合である。

 男性 141(100,70.9%)
 女性 196(101,51.5%)
 合計 337(201)

職種別にすると、以下のようになる。
 職種、病気休職、カッコ内が病気休職者のうち、精神疾患による休職者数と、その割合である。

 校長 4(2,50.0%)
 副校長等 9(5,55.5%)
 主幹教諭等 3(3,100%)
 教諭等 306(183,59.8%)
 養護教諭等 12(6,50.0%)
 栄養教諭 なし。
 実習助手 3(2,66.6%)
 寄宿舎指導員 なし。
 合計 337(201)

年齢別にすると、以下のようになる。
 年齢区分、病気休職、カッコ内が病気休職者のうち、精神疾患による休職者数と、その割合である。

 20歳代 44(32,72.7%)
 30歳代 62(36,58.0%)
 40歳代 63(46,73.0%)
 50歳代 166(87,52.4%)
 60歳代 2(0、00.0%)
 合計 337(201)

 20歳代、40歳代の休職者のうち7割以上が精神疾患による。多いと思う。ただ、30歳代と50歳代が低いとは言えない。

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 日本全部のデータは以下のようになる。

校種別 在職者a 病気b 精神c b/a c/a c/b
小学校 410397 3633 2237 0.89 0.55 61.57
中学校 236947 2285 1524 0.96 0.64 66.70
高等学校 186104 1147 683 0.62 0.37 59.55
中等教育
学校
1647 8 5 0.49 0.30 62.50
特別支援
学校
85397 881 560 1.03 0.66 63.56
合計 920492 7954 5009 0.86 0.54 62.97

 在職者数は学校基本調査による
 病気b:病気による休職者
 精神c:病気bのうち、精神疾患による休職者
 (以下同じ)

 表の読み方。
 高校を例にする。
 b/a:高等学校の在職者186104人のうち、病気による休職が1147人である。b÷aでパーセントを出す。
 c/a:高等学校の在職者186104人のうち、精神疾患にる休職が683人である。c÷aでパーセントを出す。
 c/b:病気休職者のうち、精神疾患による休職者のしめる割合。

 高等学校が辛うじてc/bが6割を下回っている。 

男女別 在職者a 病気b 精神c b/a c/a c/b
男性 447768 3255 2301 0.73 0.51 70.69
女性 472724 4699 2708 0.99 0.57 57.63
合計 920492 7954 5009 0.86 0.54 62.97

 男女別では、病気休職数、精神疾患による休職者数いずれも女性が多い。

職種別 在職者a 病気b 精神c b/a c/a c/b
校長 33532 74 24 0.22 0.07 32.43
副校長 37702 165 88 0.44 0.23 53.33
主幹教諭等 22794 147 82 0.64 0.36 55.78
教諭等 765130 7180 4618 0.94 0.60 64.32
養護教諭等 38550 250 125 0.65 0.32 50.00
その他 22784 138 72 0.61 0.32 52.17
合計 920492 7954 5009 0.86 0.54 62.97

 教諭等が全体の人数が多いので、人数が多くなるのは当然だろう。ただし、全在職者の83%である教諭等が、病気休職者数の90%、精神疾患による休職者数の92%になるのはどういうことだ。

年代別 在職者a 病気b 精神c b/a c/a c/b
20歳代 112039 706 564 0.63 0.50 79.89
30歳代 177727 1672 1117 0.94 0.63 66.81
40歳代 221114 2104 1390 0.95 0.63 66.06
50歳代
以上
315894 3472 1938 1.10 0.61 55.82
合計 826774 7954 5009 0.96 0.61 62.97

 50歳代以上が病気休職者数、精神疾患による休職者数、いずれも一番多い。ただし、休職者にしめる精神疾患による休職者が一番多いのは、20歳代である。80%近いのは尋常ではない。

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 毎日の報道よれば、文科省は数値が下がらない要因ついて、「多忙な労働環境」をあげている。これは改善される見込みはあるのだろうか。

 この問題をブログで取り上げ始めてずいぶんになる。

 2013-01-06、「5274人、心の病で休職...11年度
 2011-07-31、「この問題は、毎年取り上げている。なんにも改善されない。教師は見殺し、使い捨てである。
 2010-12-28、「精神疾患での休職
 2009-01-03、「病気休職
 2008-01-10、「心の病
 2006-12-21、「教師は病んで、疲れ切っている。

 結果や成果。何かというとそれらを求められているのは、学校現場である。文部科学省はこの件に関して、結果を出しているか。成果を上げているか。10年ほど前と比較すれば、若干の状況の改善は見られているかもしれないが、まだまだである。
 平成28年度は3年に一度の「学校教員統計調査」の実施年である。7月頃速報値が公表のはすだが、どうなるか心配である。

 もはや学校の多忙ぶりは、限界を超えている。また数字が跳ね上がるのではないか。

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 2014-08-10、「平成25年度学校教員統計調査について


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