7000年もの間、人類を見守ってきた10人の守護者エターナルズ。 「アベンジャーズ/エンドゲーム」のその後、人類滅亡の脅威が迫るとき、彼らはついに姿を現す。しかし彼らに残された時間は7日間だった... |
アベンジャーズ/エンドゲームを僕は見ていない。だから、本作のものがたり世界のバックグラウンド知識はゼロ。ただ、何かド派手なものがたりが見たいと思い、11月の1本目は本作を選んだ。
何でもあり(?)
超越的能力集団エターナルズ
セルシ
物質を操作できる。
イカリス
浮遊能力、目から宇宙エネルギービームを投射する。
キンゴ
手から宇宙のエネルギーを発射できる。
スプライト
外観は12歳、幻想を投影できる。
ファストス
人類の技術的進歩を密かに支援する。
マッカリ
宇宙を動力源とするその速さを使い惑星を偵察する。
ドルイグ
宇宙のエネルギーを使い、他人の心をコントロールする。
ギルガメッシュ
最強のエターナルズ。
エイジャック
エターナルズの賢明で精神的リーダーである。
セナ
宇宙のエネルギーから武器を形成することができる。
人数、能力の設定は違うけど、00ナンバーのサイボーグたちを思いだした。
多様性だなあ
ものがたりはセルシとイカリスを中心に進む。この2人は以前、何百年も前、特別な関係だった。現在のロンドンに暮らすセルシには、人間のパートナーがいる。
ファストスは男性のパートナーがいる。一緒に子どもを育てている。マッカリは聴覚障害者の設定。キンゴはインドの映画スター。ギルガメッシュの外見はアジア人。これでもかと言うほどの多様性である。
この10人の守護者が人間の守り方で、仲違いをする。
ものがたりはメソポタミアから
海辺の集落に異形のもの、人を食らうディヴィアンツが現れる。ディヴィアンツをエターナルズが退治する。カッコいいはずのシーンだが、あまりグッと来なかった。バビロニアも登場する。その他様々な歴史的なシーン、場所が出てくるので、ものがたりを追いかけるのやや大変。まあ、7000年前から地球にいて、人類を見守っているのだから、そうなるか。
ただ、エターナルズは人類とディヴィアンツがかかわる場合は助けるけれど、人類対人類の争いごとには不可侵不介入である。
感じた違和感
ものがたりの途中で、昭和20年8月6日の広島が描かれる。ヒーローの1人が、自分が技術的進歩を人類にあたえた結果と後悔する場面。SFの一場面に使うべき出来事とは思えない。
10人のヒーローが「超絶強い」といえない。エターナルという割には弱い。幾人かは死亡する。自ら命を絶つものもいる。ややネタバレになるが、エターナルズは神のごとき能力を持つが、その存在はセレスティアルズに造られた存在(被造物)である。
超高速移動、目や手のひらからの光線・光球にもdéjà vuを感じた。「マン・オブ・スティール」(’13年)のスーパーマン、ヴィランの動きと大差ない。光球はK波にしか見えない。
本作はMCU(マーベル・シネマ・ユニバース)作品とくくられる。僕は劇場で見るのは初めてである。終映後、「幕の内弁当」のような1本と感じた。
10人のエターナルズでセナ(アンジェリーナ・ジョリー)だけが見たことのある俳優、女優さん。主役はセシルとイカリスだが、群像劇で10人のキャラクター描写に時間が取れず、厚み、深みが弱い感じがした。そのことがものがたりの盛り上がり、爽快感を弱めた感じがする。日本の戦隊もののように5人くらいに個性を集約できれば、違う作品にできたようにも思う。でも、それではエターナルズにならないのか。
MCU大好きの人は楽しい作品だと思う。