全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

8月15日に考えたこと。

2005-08-16 05:52:53 | 気になる 大学進学

 大学進学率は初めて50%超

=+==+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=

 文部科学省の学校基本調査速報が各紙で取り上げられていた。数字を並べてみよう。

 浪人生も含む大学・短大への進学率は51.5%(前年度49.9%)と初めて50%を突破。高校進学率も97.6%で共に過去最高
   ↓
 全国集計で一度に1.6%も増加するのはちょっと信じがたい。ただ=全国集計なので合成の誤謬が仮にあっても=文科省が最も基本とする調査なので、まず間違いないと思う。
 浪人生を含むのだから、全部18歳(高校新卒)とはいえないのだろうけどこのアップ率はすごい。

 女子の大学在学者は約1,009,000人。全体に占める割合も前年度比0.2ポイント増えて40.2%となり、過去最高
   ↓
 大学への進学率の高まりは、社会全体の高学歴化といえるかもしれないが、性別を問わず「長学歴化」なのではとの意見もある。

 大卒者の就職率は3.9ポイント増の59.7%で、進学も就職もしていないのは約12,000人減の約98,000人。卒業者に占める割合も17.8%と2.2ポイント低下。
   ↓
 多少なりとも景気がよくなってきたのかもしれない。しかしながら新規学卒者の18%が、いわゆるニート予備軍と括ることができる。これもすごい話である。
 18%。。。すごい数字である。いやしくも最高学府での学問・学習を修めたものが、就職しない・できないなんて、政情の悪い国なら暴動か革命ものである。日本は良い国だ。

*****

 50%越えた大学進学率の社会にある大学は、もはや全てがエリート養成所になることはできない。もちろんエリート養成所として存在する学校はある。また、エリート養成所は無理、マスプロ教育機関として生き残ることを目指しても、それもできない学校が出てくる。やっていけなくなる。第3のカテゴリーとして、学びへのユニバーサルアクセスを考えた-大衆化した-教育機関としての存在価値を持つことで、生き残ることを考えなければならない大学も出てくるはずである。誰でもいつでも学び始めることができる教養系大学とでもいえるタイプの学校である。いずれにしても今決断できない大学は大変である。Trowが30年前に言ったことが日本でもおきている。
 でも、、、日本にはすでに、ユニバーサルアクセス&e-learning(遠隔教育)型大学として放送大学という大規模大学がある。
 私立大学の数は全国で約540校。ここに在籍している学生数が約200万人。その人数の約6割が、大規模校と、学生数6000人以上の中規模校に通っている。それらの大学の数が約85校。残りの約80万人の学生を、約460の大学で分け合っている。

 大学・短大進学率は、統計が始まった昭和29年は10.1%、昭和48年に30%、平成5年に40%を超えた。昭和30年代はまだまだエリート教育だった。10人に1人しか大学・短大にいかないわけだからね。
 少子化の影響で大学の総定員が総志願者を上回り、志望校を選ばなければ、どこかには入れる「大学全入時代」が二年後(2007年)に迫っており、トップレベルを除けば大学進学のハードルは下がる傾向にある。大学・短大進学率が初めて50%を超えた背景には、高学歴志向に加えて大学進学のすそ野の広がりもあるといえる。

 最後の段落、参考:産経新聞(8月11日)
 その他、参考としたのは、こちら

=+==+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=

 大学は自らの有り様を決め、選ぶべき姿を考えるべきだ。そうでないと生き抜けない。その姿をしっかり高校教師である僕らは見なければならない。
 大変な時代である。

=+==+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=

 大学進学率が上がったこと、いわゆる大学生の学力低下とかいろいろ問題視されている。でも、なんて幸せなんだろう。大学に行きたくても、学校の数・経済的・社会的(女性の社会進出)に不可能だった時代のことを考えると、それが問題になること自体、贅沢な悩みかもしれない。
 大学生の学力低下は確かに問題である。今の大学院生が一世代前の大学生だという意見もある。一部正解で一部不正解かと感じる。いろいろ批判はあっても大学の数の多さは、その国・社会の学問の厚みであると思う。

 8月15日、そんなことを考えました。あまり、言葉とは関係なかったかな。


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The American Way

2005-08-15 05:29:13 | 全英連参加者 2005
 「弾丸よりも速く、力は機関車よりも強く、高いビルディングもひとっ飛び! 空を見ろ、鳥だ、飛行機だわ、あっ、スーパーマン! そうです、スーパーマンです!
 遠い星からやってきた奇跡の男……、彼はクラーク・ケントと名のり、メトロポリスの新聞社デイリープラネットの記者となって、正義と真実を守るため、日夜闘い続けているのです」

 "Faster than a speeding bullet. More powerful than a locomotive. Able to leap tall buildings in a single bound.
 Look! Up in the sky. It's a bird. It's a plane. It's Superman! Yes, it's Superman - strange visitor from another planet who came to Earth with powers and abilities far beyond those of mortal men. Superman (- who can change the course of mighty rivers, bend steel with his bare hands,) and who disguised as Clark Kent, mild-mannered reporter for a great metropolitan newspaper, fights a neverending battle for Truth, Justice, and the American Way."

*****

 偶然ネットでスーパーマンのページを見つけて、こどものころのことを思い出した。上のナレーション(もちろん日本語の方)に心を躍らせたことがあった。
 白黒TV時代のTVシリーズで、このナレーションの最後では確かスーパーマンが星条旗をバックに胸をはって立っていたと思います。(星が48個だったと思うんだけど。古いお話ですねえ)

*****

 英文のカッコ内を除くと、日本語の原稿とある点を除くとほぼ同じになります。それは"the American Way"と言う言葉ですが、これは何のことでしょう。

 The American way refers to an American nationalist ethos which purports to adhere to principles of "life, liberty and the pursuit of happiness."

 ethos:エトス、気風、民族精神
 purport:意味する、を主意とする、と称する、主張する
 adhere:(信念を)堅く守る、執着する

 アメリカンウェイとは、生命、自由、幸福追求というアメリカの原則を堅く守ることを主張する、アメリカの愛国主義的エトスである。
  ↓
 これから考えると自由主義・民主主義的思想・行動形態なのかな。
  …アメリカ的なもの。アメリカそのもの

*****

 これじゃあ日本語のナレーションからは除外ですね。大平透さんもこれでは読めないよなあ。

【おまけ】
 スーパーマンは高いビルディングをleapします。leap=跳ぶ、flyではありません。でも、何か空を悠々と飛ぶイメージがあるのはその後の、「空を見ろ、鳥だ、飛行機だわ...」の件があるからなんですね。


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民間(人)という言葉。

2005-08-14 06:23:54 | 全英連参加者 2005
 郵政民営化と民間。
 小泉首相は郵政の民営化に関して、「(基本的に)民間でできることは民間に。。。」「国・地方が専管すべきものは国・地方が行う」と、言い続けている。
 民間人(みんかんじん)とは、通常は公務員ではない者を指す言葉である。軍人以外の人間をそう呼ぶ場合もあるが、郵便局(郵政公社職員)は軍人でも軍属でもないから、小泉首相のいう「民間」は「公務員(組織)に因らない…」の意味である。
 公立学校の職員は、校長・副校長(教頭)・教諭すべてが公務員である。。。。 当たり前のことだが僕らは民間人ではない。
 僕は大学を出て埼玉県公立学校職員の職を拝命し、現在に至っている。採用されたその日から民間人ではない。退職したら民間人になれるのかというと、そうでもない。

*****

地方公務員法 第34条
 職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
 2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。
 3 前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。

=+==+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=

 僕は現在も退職後も職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。受け持った生徒の非行とか、成績とかを話してはいけない。当たり前だけど法律で決められている。職業倫理だけではすまされない。
 第2項でも、退職後であれば、県の教育局に許可をもらわなければならないことが決められている。窮屈だけでこれが宿命。秘密に関しては、古い言い方だけど、「口チャック&ガムテープ」である。

*****

 民間の反対語は何だろう。これは「公務」、「官業」、「国または地方公共団体による~」何かパシッとこない。
 よく第3セクターという言葉を聞く。国及び地方公共団体を第1セクター、民間企業を第2セクターとし、それらとは違う第三の方式による法人という意味である。この言い方だと第1セクターであるが、これでは意味がわからない。英語ではpublic sectorであるが、これもパッとしない。結局「国営」とか「公務」とか「公立」しかいえない。
 ホントに何か良い言い方はないものか。

 まさか民間の反対だから、体制側ともいえないし。


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泣くな大仁田、見苦しい。

2005-08-13 06:17:52 | 気になる 政治・政治家

 衆院選公示前だけど自民党が”内輪もめ”で新聞紙上をにぎわしている。一部新聞では自民党の純化路線と書いてあった。純化と言っても、(小泉)純(一郎)化ではなく、異端・異意見を排除するの意味で、純化・混じりけをなくすこと(purification)のことだと思うけど。。。

 9日の日刊スポーツにこんな記事が出ていた。
 
*****

【棄権の大仁田議員、ハマコーと怒鳴り合い】
 「中間派」の大仁田厚参院議員(47)は8日、採決を棄権し、涙を流しながら議場を出た。参院本会議場には入ったが、採決が始まっても険しい表情で席に座り続け、名前を呼ばれても立つことはなかった。

 “小泉チルドレン”を自認する大仁田氏はこの日午前、小泉純一郎首相(63)に「意見書」を出し、解散阻止などを訴えたが通らなかった。報道陣に囲まれると「優柔不断な結論を深くおわびします。寂しいだけですね。棄権しなきゃいけなかった自分も嫌だし、こういう決断を迫った(小泉)総理も嫌ですね。国会って何なんだろうな。こんなにドロドロしたものをなぜ国民に見せないといけないのか。一番大事なのは法案なのに」と苦しい胸中を語った。
 採決直後には、テレビで元衆院議員の浜田幸一氏(76)から「議決権の行使をしないものは議員の資格はない」と批判され、「僕らは小泉さんに選ばれた子どもです。親を裏切れるんですか。僕には裏切れなかったんですよ」と絶叫。浜田氏も「なんでお前が怒鳴るんだよ。スポーツマンがそんなことでどうする」と怒鳴り返す“場外乱闘”を展開した。

*****

 僕は基本的には自由民主党でも民主党でも特別強く応援するつもりはない。=弱く応援するつもりもないけど。。。

 採決の後の大仁田議員のコメントは意味不明。涙も流してもいたようだ。
 ハマコー氏から「議決権の不行使は議員として失格である」との指摘をを受けたようだ。決断できないのは政治家として不適格とのことだと思う。この件に関しては、ハマコー氏○、大仁田氏●である。
 議事堂(の中か外かにかかわらず)で政治家が人目をはばからず、涙を流すのは勘弁してもらいたい。議決権の行使以前の問題である。本当に有事の時は人が死ぬのである。。。政治家はそれでも何かを決めなければならない身分である。高い金、身分保障。普通に考えれば特権階級、貴族並みである。大仁田氏は参議院議員ではないか。自覚はないのかな?

*****

 このブログは言葉にかかわることを書くことにしているので、あまり政治のことに傾くつもりはない。しかし、大仁田氏の報道陣へのコメント僕の頭では理解できないものである。もう一度書いてみよう。

 …優柔不断な結論を深くおわびします。寂しいだけですね。棄権しなきゃいけなかった自分も嫌だし、こういう決断を迫った(小泉)総理も嫌ですね。国会って何なんだろうな。こんなにドロドロしたものをなぜ国民に見せないといけないのか。一番大事なのは法案なのに…

 これでは自分の思い通りにならないことをごねる駄々っ子である。選んだ親(小泉首相)も言語低が浅い・抜けている。子ども(本人談)も同じなのかもしれない。(残念)


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Football in UK

2005-08-12 05:29:36 | 全英連参加者 2005
 サッカーのことですよ。
 中村俊介選手がスコットランドのサッカーチームに移籍、7日にデビュー戦を飾った。

 以前から不思議に思っていたのだけれど、同じ英語圏でもイギリスとアメリカでは、どうしてこんなにプロスポーツチームのありようが違うんだろう。ウェブサイトを見ても、本当にイメージが違う。
 Celtic、どんなクラブなのかな。Wekipediaにはなんて書いてあるか調べてみた。

 Celtic F.C.
 Full name The Celtic Football and Athletic Club
 Nickname The Bhoys "pronounced boys"

 Celtic Football Club, commonly referred to simply as Celtic (pronounced 'sel-tic') or 'the Bhoys', are one of the world's most famous football clubs. Based in the Scottish city of Glasgow, the club is officially nicknamed the Bhoys, or unofficially the Hoops. Together with their city rivals Rangers, they have dominated Scottish football for over 100 years as part of the Old Firm, forming one of the most famous and bitter rivalries in sport.

 セルティック・フットボール・クラブ(セルティックと読む。ケルティックではない)
 ニックネームはThe Bhoys。発音はboys。

 Bhoys。。。 何語だ?
 非公式にはHoopsというらしい。輪っかだよな。サッカーで輪っかなの?バスケットじゃあるまいし。どんな意味なのかな。

*****

 原稿をまとめていたら、中田英寿選手がプレミアリーグに移籍するようだ。クラブはBolton Wanderersという。Wandererは「歩き回る人、さ迷う人(about)、放浪する人」が辞書の見出し語だけど、実際はどうなのかなと思って、Wikipediaを調べたら、ニックネームが違っていた。こんな風に書いてある。

 Bolton Wanderers
 Full name Bolton Wanderers Football Club
 Nickname The Trotters

 trotは馬だと早足で走る(〔馬術〕速歩する)だから、スピーディーなイメージなんだろうか。ウェブサイトを見てもあまり詳しく由来は書いていないみたい。
 もう少し調べないとわかりません。誰かしらないかなあ。


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100日きったぞ、全英連岐阜大会

2005-08-11 04:53:40 | 全英連大会-’05 岐阜

 8月11日、全英連岐阜大会まで100日きった。
 ウェブサイトを見ても特に何か変化があるわけでもなく。。。

*****

 岐阜大会で泊まるホテルがどうにか確保できた。地図を見てみたら、駅のそば。徒歩5分程度。でも、ちょっと考えてみて大事なことに気がついた。

 …JR岐阜駅って、どこからどう行けばいいの?

 JR名古屋駅から乗り換えなのかな。何にもわかってないんだな僕は。
 調べなければ。。。。

*****

 そもそも名古屋までどの列車が一番早いんだろう。「のぞみ」で名古屋に停車するのは1日に何本なのかな。
 名古屋から岐阜は、JR? 名鉄?

 調べるの大変だけど楽しい。Yahoo!の路線検索で調べてみる。

- - - - - - - - - -

 名古屋~JR東海道本線快速で17分(450円)~岐阜
 名古屋~徒歩4分~名鉄名古屋~名鉄名古屋本線特急27分(540円+特別料金350円)~名鉄岐阜~徒歩8分~岐阜
 名古屋~JR特急しなので18分(450円+特別料金1440円)~岐阜

- - - - - - - - - -

 2番目は、なしかな。

 1番目が快速で17分、3番目特急で18分。。。どうなってるの?データあっているんだろうなあ。
 もう少し調査が必要みたいだ。だんだん、平面でしかない地図が立体的になってきたかな。
 全英連岐阜大会まで、もう100日ない。あと99日だ。


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Space Shuttle Discovery Is Home

2005-08-10 07:18:22 | 全英連参加者 2005
124980main_group-s とにかく無事に帰ってきてくれた。
 無事に帰ってきたら、ブログに書こうと思っていたこと。

 
 アメリカが今回のミッション(作戦:Return to Flight)にどんな態度で臨んでいたか。このページを見てください。
 NASA - Return to Flight Poster
 PDF版もあるので、ダウンロード&保存ができます。

*****

 意気込み。わかるなあ。
 良い意味で人気がほしい。…民主主義の国でなおかつTax Payer意識の強いことで有名な国民だから、人気が出なければどうにもならない。人気で言葉が悪ければ、国民の理解(awareness)か。

 自分たちのプロジェクトについて、とにかく可能な限り公開している。文字情報、映像情報もかなりのボリュームである。言葉で、映像で人を動かそうとしている。ここまでやりたくなるのはよくわかる。でも、ここまでやるとは。。。

 でも、このポスターどこかで見たような気がしません?

 僕は最初に見たときDeep ImpactかArmageddonの宣伝ポスターかと思いました。もちろんNASAの方が「まね」をしたことになるのだろうけど。
 まあ、ひとまず無事でよかった。

*****

 おまけ
 NASA - Archiveには今回のミッションのVideoが数多くアップロードされています。この中でも、A New Journeyは必見。聴覚しょうがいの方への配慮を含め、ここまでやるのかと思いますよ。


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学力うんぬん、いまごろいわないでほしい。

2005-08-09 06:02:03 | 気になる 大学進学

 7月31日のNHKニュースで学力のことを伝えていたので、調べてみたら、7月21日に読売新聞で取り上げられていた。

*****

【私大生・短大生の「学力不足」 教員6割が痛感】
 全国の私立大学・短大の教員の60%強が、学生の基礎学力が不足していると感じていることが、文部科学省所管の社団法人「私立大学情報教育協会」の調査で分かった。
 6年前の調査結果に比べて20ポイント以上増えており、学生の学力が急激に低下している実態が、教員の意識調査でも裏付けられた形だ。大学・短大の志願者数と募集人員が同じになる「大学全入」時代を2年後に控え、同協会は「入学後の学生に高校段階までの学力を身につけさせる方法を、大学側が真剣に検討しなければならない」と指摘している。

*****

 またぞろ高校までの教育が悪いとでも言うつもりなのか。もちろん高校の責任を否定はしない。冷静で的確な批判・データ分析ならば認めたい。でも、大学生自体が増えたという視点がかけているような気がしてならない。
 あのね、現在、大学進学率は高校卒業生の50%に限りなく迫っている。これはアメリカなどでは大学教育が完全に大衆化した比率とほぼ同じであり、大学の有り様を激変させる比率である。こんなことは高校教師でも知っている常識である。マスプロ化ではない大衆化である。これは従来とは異なる学力観を持って学習者を面倒見ることが、当然のこととして求められる状態である。パラダイムシフトとは言えないかもしれないが、これまでの学生とこれからの学生は違う。たとえ入学者の偏差値、得点が同じであっても、集団として異なると、わかっていなければいけないのである。
 高校卒業生の大学進学率15%までならば、エリート教育と言えるだろう。そのあとは最近聞かなくなった、マスプロ教育である。このマスプロ教育と呼べるのも50%まで。それ以上は大衆化である。
 大衆化=高校卒業生の大学進学率が50%を越えた状態である。義務教育じゃないんだから、人気がある学校には受験生があふれ、そうではないところは人気が無くなる。それでも、座して死を待つことをよしとしなければ、入りたい人を入れるしかない。そうすればいわゆる学力は下がるに決まっている。学力には差があるのだ。

 下がったうんぬんといっている先生方。あなた方全員が旧制帝国大学で教鞭をとっているわけではないのだ。
 だんだん腹が立ってきた。でも、我慢して、もう少し読み込んでみよう。

*****

 調査は昨年11~12月、同協会に加盟する大学や短大の専任教員(教授、助教授、講師)を対象に実施。全私大・短大の専任教員の約36%にあたる約28,000人が回答した。

 授業で直面する問題点
 「学生の基礎学力がない」という選択肢を選んだ教員は、4大60.1%、短大66.0%
 1998年度の調査より大学教員が24.8ポイント、短大教員が22.1ポイント増加。

 大学教員の間には、中学で習う連立1次方程式が解けない学生や、高校で「生物」を学んでいない医学部生がいるなどと、嘆く声も少なくない。

*****

 嘆く暇があったら、それでも入れなければ嘆かせてくれる学生がいない。=講座が開けない。=失職する、ということが理解できなければいけない。これを認識するべきではないのだろうか。それを前提に、講義の内容、入学者選抜の有り様を個別大学で話し合うことを考えなければいけない。FDもかけ声倒れになれば、大学が倒れるぞ。経営者マインドがないと文句を言うしかできないことになる。
 でも、答えた人の3人に1人は学力が下がってるとは感じていないわけだ。もっとも、回答した人が全体の3分の1。回答できなかった人は、問題意識すらないのか。それとも学力下がってないぞと思っているのかな。
 同協会でも、「基礎学力低下に加え、入試の多様化で、結果として、大学での勉強に必要な科目を学んでいない学生を受け入れていることも要因の一つだ」と分析しているらしい。

 時計の針は戻せない。高卒者の30%しか大学に進めなくすれば、学力は上がるよ。でも、それはできない。
 対応できなければ滅ぶのみ。

*****

 データはとりました。
  で、どうするんでしょうか。


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穏やかではない。

2005-08-08 05:02:14 | 気になる 政治・政治家

 6日夜、森前首相は首相公邸に小泉首相を訪ね、解散回避に向け大詰めの説得を試みた。首相は法案が否決された場合の解散見送りを拒否、会談は決裂した。
 各紙(インターネット)の記事内容。

*****

 「多くの人が解散を避けるために努力している。その人たちを苦しめて何の意味があるんだ」(森)
 「(郵政民営化は)おれの信念だ。殺されてもいいんだ。解散を好んでいるわけではない」(小泉)
 …ここまでMSN-Mainichi INTERACTIVE(毎日新聞)

 「こういう時期に選挙をやってどういう意味があるのか、というのがみんなの声だ」(森)
 「(郵政民営化は)おれの信念だ。殺されてもいいという気構えでやっている」「可決させてくれ。好んで解散するわけではない」(小泉)
 「さじを投げた」(森)
 …ここまでアサヒ・コム(朝日新聞)

 「党も国民も心配している。この時期に選挙をして、どういう意義があるのか」(森)
 「(郵政民営化は)おれの信念だ。殺されてもいいぐらいの気構えでやっている」(小泉)
 「法案可決で努力した人たちが解散で路頭に迷ったらどう責任を取る」(森)
 「おれは総理大臣だ。郵政民営化をずっと言い続けてきた。絶対に可決する。可決のため努力してくれ」(小泉)
 「あなたも変人以上だな」(森)
 「それでいいんだ」(小泉)
 …ここまでYOMIURI ONLINE(読売新聞)

*****

 「殺されてもいいんだ」とは、穏やかではない。

 主義主張がどれほど異なっていても、政治的にどろどろしていても、どれほどばかげたものであっても、数が多い方に従う。以前ハマコー氏が、自分の意見と違っていても、国会で決まったことに全国民が従う(縛られる)のが民主主義のシステムの基本だといっていたことがある。言葉はちょっと荒っぽいが当を得ている。

 「通らない」=「殺される」
 言葉の選び方が、エキセントリック過ぎる。言葉を選ぶことをしない。できない。これはやはり穏やかではない。

 言葉と多数決で決まることに、生き死にが入るのは、かなりショートしている。言葉で決めることに対する見識がおかしくなっていると思う。
 以前、政治姿勢、思想信条を別として、小泉総理大臣のワンワードポリティックスには危うさを感じることがあると書いた。やっぱりこの人はじっくり説明するこができない人なのだ。国民も国会議員もきちんと説得できない。結果としてできないのであれば、やらないのではなく、できないのだ。

 浅かった言語底が、抜けてしまったようだ。
  危険な状態である。


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竹とばし現象

2005-08-07 05:57:44 | 全英連参加者 2005
知らない言葉に出会いました。

 先週のワールドビジネスサテライト(12ch)ではじめて聞いた言葉。
 消費動向のの二極化を取り上げていた。社会の中のお金持ちがを使う。自分は中流だと思っていたけど、実はそうではなかった人が消費を削る。真ん中あたりが少なくなる。…二極化
 また、社会ではなく個人でも、お金をかけるところには、「どかん」とお金をかける。消耗品などは百均ですませる。…二極化
 これを、「竹とばし現象」と、言うんだそうです。

*****

 伝統的に、寿司や、ドンブリものを松竹梅でランク付けする文化が日本にはあります。松は高いから注文できない。だけど、見栄をはって梅も頼みたくない。そうすると竹が一番売れる。その竹がとばされる現象を、竹とばし現象というらしい。上手いことを言うもんだと思う。反面、社会においての二極化は避けられなそうな状況だと、個人の中で竹とばしを行い、不満を解消することになるのかな。
 ちょっと悲しい。。。


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文教大学にでかけてきました。

2005-08-06 06:25:35 | 教師の研修 2005

bunkyo_u1 毎年夏参加している文教大学言語教育文化研究所夏期講座に参加のため、4日、5日と越谷市のキャンパスにでかけてきました。

 平成14年度からの参加なので、4年目になります。毎年、専門家の知識にふれ刺激を受けることが多いのですが、毎年感じる不満もあります。

*****

 自分のウェブサイトに書いたことでもあるのですが、どうして、日本の研修会はきちんと決まった、質問の時間がないんでしょうか。自分は研究発表は、発表と質疑応答で成り立つものであると思っています。よく、日本人は質問をしないといわれますが、うそだと思っています。時間が最初からないんですよ。
 90分の講義、休み時間10分。1日3講義。これがそもそも間違いではないのでしょうか。その上講師が時間いっぱい、それこそ脇目もふらずに、資料を読んで、話して90分使い切る。こんなことをやっていてはだめなのではないでしょうか。

 「・・・時間がなくなったので、質問がある方は後で。。。」
 というのが、パネルディスカッションや発表会などでよく聞かれます。違う気がします。

bunkyo_u2 今日も聞きたいこと、いいたいことがあったけど時間切れでした。
 教育活動(成果)の発表で何か一定のもの…ある事象…が提示されれば、発表者と発表を聞くもの複数の視点でそれは検証されるべきです。複数の人間が見れば、必ず見え方が違う。見え方の違いが、質問・同意・反論につながる。多くの目に触れた意見は、様々な反応を呼び、そこには必ず少数の異論があるはずです。
 大学の先生に小中高教員が、狭い範囲の知識から質問をぶつける。貴重な経験です。現場の状況にがんじがらめになっている可能性の高い、小中高教員の質問はレベルが低いものかもしれません。でも、大学の先生よりも守備範囲が広く、雑多な経験・知識は山ほどあります。理論と実践がぶつかり合うと、結論が出なくなったり不信感・不満が高まるでしょうか。逆でしょう。結果として学問的裏付けのある実践を後押しする可能性は、いっそう高くなるはずです。
 そのための質疑応答があまりない。Professorを名乗る人間が、質問に答えるチャンスがあまりない。いかがなものでしょうか。異論も反論も出ない意見・出せない発表。これは、見え方の違いによる、発表者の研究発表の妥当性を証明するチャンスを奪うと思います。

*****

 ごちゃごちゃ書いても、変わらないかもね。


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FORCEといえば

2005-08-05 06:18:59 | 全英連参加者 2005
 スターウォーズの「フォース」です。
 そろそろ2回目が見たいなあと思いながら、今度はエピソード4を見てからにしようかな、なんて考えています。

*****

 May the Force be with you!
 -フォースがあなたと共にあるように-

*****

 スターウォーズでこの言葉は今でこそ「フォース」という訳語が定着している。でも、はじめからそうだったわけではない。
 スターウォーズエピソード4(第1作)が日本で公開になったとき、FORCEという単語が映画のキーワードになることは知られていたし、FORCEもそのままカタカナになると思われていた。少なくとも上映を待っていたファンはそう思っていた。
 実際映画が封切られてFORCEの訳語はどうだったか。これが「フォース」ではなかった。「理力(りりょく)」だった。

 なんだそれ ! ! !

 SWを高校生の時に見た世代(僕と同じだと、高校2年生)はかなりがっくりきた。

 もっとも、スターウォーズそのものも、あまり日本では前評判が高くなかった。当初邦題も、「惑星大戦争」になりかけていたらしい。これじゃなくて本当によかった。FORCEの訳語も2作目からはフォースになっていたかな。(「力」だったような気もするけど、あまり定かではない。)

 文句ばっかりは言えない。
 第2次世界大戦。英語ではWorld War IIとかThe Second World Warといいます。このWarを-比較的正しく-発音できる人が増えたのは、この映画のおかげだと僕は思っています。
 もちろん読める人は読めたけど、WARを、「ワー」と、少なくとも頭の中で-読んでいる人、いるのではありませんか。。。(笑)

*****

 スターウォーズではいくつか日本語起原の用語が使われている(らしい)
 ジェダイ(Jedi)は、日本語の「時代劇」の「時代」が元となったと言われている。SWに与えた日本時代劇の影響小さからず。
 これ以外でも、パドメ・アミダラのアミダラや、ベン・ケノービの師匠、クワイ・ガン・ジンの名前、そもそもオビ・ワンも。。。怪しいのから間違いないのまでかなりの数があります。トリビアの泉状態です。

 次、いつにしようかな?


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Go?

2005-08-04 06:21:53 | 全英連参加者 2005

 ”Go”サイン。日本語で最近使うことが少なくなった表現かもしれない。
 ずいぶん前、職場で何かの準備が出来たことを示すために”go”と書いたら、わからない人がいた。
 「準備よし」の意味だと教えたら、OKと同じ使い方かと聞かれて、だいたいそうですよと答えた覚えがある。

 現在40代半ばの人間だと、国際救助隊サンダーバードのオープニングアナウンスで、”Thunderbirds are go.”と、いっていたのを覚えているかもしれない。

*****

 SPACE SHUTTLE DISCOVERY。今回のミッションがSTS-114なので、シャトルとしては通算114回目の飛行になる。114回の飛行を均等の数ではないものの、5機のシャトル(コロンビア号28回、チャレンジャー号10回、ディスカバリー号31回、アトランティス号26回、エンデバー号19回)で行ってきた。この間2機が事故で失われた。搭乗員合計14名が命を落としている。

 ...実機の4割が損失した。一回の打ち上げで5人から7人のクルーが乗船するようだ。-国防総省の仕事(軍事任務)の場合は、あまり報道されないのでわからない。仮に5人とすると570人、7人とすると約800人。大雑把にのべ700人位の人間が宇宙に出かけたとすると、クルーの死亡率は2%前後。えらく高い。
 114回の飛行も、予定通りに打ち上げられたわけではなく、遅れが頻発している。今回の打ち上げも2週間ほど遅れた。スペースシャトル。これはやはりまだまだ未熟な技術なんだということがよくわかる。
 2週間のフライトで、船外活動を3回。なんと3回目には修理まで行う。自分たちが乗っているオービタを、修理しながら地球に還ってくるというのも、考えたらものすごいことである。

 今日現在の報道では、修理は成功したようである。

*****

 スペースシャトルの実験機(大気圏内用・滑空と着陸訓練を行う)はエンタープライズという。そう、スタートレックファンが、大統領に山のような署名・手紙を送って、CONSTITUTIONとつくはずだった名前を、エンタープライズにしてもらった船である。でも、すべての飛行が実験飛行なんだなあと思う。
 スペースシャトル計画ができたときは、アポロ計画やその後の宇宙実験室(SkyLab)計画よりももっと安全に、かつ頻繁に宇宙にいけるようになると思っていた。でも、そうではなかったようであり、これからもそうはならなそうである。

 Is Discovery ”go” for Re-Entry?


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英単語で母音の無い単語。

2005-08-03 05:33:28 | 全英連参加者 2005
 英語の綴りでaeiouが使われない単語がある。発音でこれらの音が入っていないと言うことではありません。
 ちょっと考えてみてください。b.. c.. d.. f.. ..x.. y.. z..
 どうでしょうか。

- : - : - : - : - : - : - : - : - : -

 あるよ。。。 http://www.yahoo.co.jp/の、www
 これは不可。world wide webの略なので不可。

 HTMLもだめですよ。

 どうでしょうか。答は、「リズム」です。
 綴りが思い浮かばないかもしれませんが、こんな感じです。

 R-H-Y-T-H-Mで、rhythmです。

- : - : - : - : - : - : - : - : - : -

 辞書をひいていて気がついたときはちょっと感激。
 トリビアの泉に出してみようかな。
 みんな知ってるかな。(^^;)


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EVA...

2005-08-02 04:01:42 | 全英連参加者 2005

 スペースシャトルディスカバリー号のミッションスペシャリストの野口さんが船外活動(日本時間1日に2回目)を行っている。NASA-TVの中継でも、一般報道でも、関係者はインタビューでさかんに”EVA”という言葉を使っている。まさか単語(最初からこの言葉があった)とは思えない。何という言葉の省略なのかな。

*****

  E.. V.. A... うーん。

 この中ではAが一番わかりやすい。活動だからActivityかActivitiesだ。Eは何だろう。船外だからExtraかな。Vは船... Vesselかな。

 略語は一度使われ始めると、オリジナルが何なのか、かからなくなることがある。使う方も楽だからEVAならEVAとしかいわなくなる。

 NASAのページを見てみる。

 Second Spacewalk Under Way
 STS-114 Mission Specialists Soichi Noguchi and Steve Robinson kicked off their second spacewalk at 4:42 EDT this morning. The objective of this stroll is to replace a Control Moment Gyroscope (CMG) on the International Space Station. The CMGs provide attitude control to the Station.
 
 Meanwhile, the other Space Shuttle Discovery and Station crewmembers will continue cargo transfers.

 第2回船外活動
 STS-114(今回の飛行の作戦番号名)のMission Specialistノグチソウイチとスティーブロビンソンが、東海岸標準時4時42分から第2回目の船外活動(スペースウォーク)を開始した。今回の船外活動の目標はISS(国際宇宙基地)のCMG(姿勢制御装置)を取り替えることである。CMGは基地の高度調節を行うものである。

 彼ら以外のスペースシャトルディスカバリー号と宇宙基地のクルーはcargo transferを継続することになる。

*****

 調べたのにspacewalkと書いてある。困ったな。
 NASAのサイトでさらに検索してみたら、写真が出ていた。
 STS-110 Extravehicular Activity (EVA)

 extra vehicular avtivityなのか。。。

 ホントに船外活動なんだ。vehicularはvehicle(乗り物)の形容詞形だ。
 なるほどね。
 でも、extravehicularは1語なのにEVなのね。言葉ってわからないものだな。

*****

 英文を日本語にしながらちょっと考えた。
 『彼ら以外のスペースシャトルディスカバリー号と宇宙基地のクルーはcargo transferを継続することになる。』

 シャトルのクルーって、きわめて高度な輸送活動をしているんだね。cargo transferって荷物の運び込みの意味だもん。

 STS-110の記事はこちらです。

 無事に帰ってこい。DISCOVERY。


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