大学進学率は初めて50%超
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文部科学省の学校基本調査速報が各紙で取り上げられていた。数字を並べてみよう。
浪人生も含む大学・短大への進学率は51.5%(前年度49.9%)と初めて50%を突破。高校進学率も97.6%で共に過去最高
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全国集計で一度に1.6%も増加するのはちょっと信じがたい。ただ=全国集計なので合成の誤謬が仮にあっても=文科省が最も基本とする調査なので、まず間違いないと思う。
浪人生を含むのだから、全部18歳(高校新卒)とはいえないのだろうけどこのアップ率はすごい。
女子の大学在学者は約1,009,000人。全体に占める割合も前年度比0.2ポイント増えて40.2%となり、過去最高
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大学への進学率の高まりは、社会全体の高学歴化といえるかもしれないが、性別を問わず「長学歴化」なのではとの意見もある。
大卒者の就職率は3.9ポイント増の59.7%で、進学も就職もしていないのは約12,000人減の約98,000人。卒業者に占める割合も17.8%と2.2ポイント低下。
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多少なりとも景気がよくなってきたのかもしれない。しかしながら新規学卒者の18%が、いわゆるニート予備軍と括ることができる。これもすごい話である。
18%。。。すごい数字である。いやしくも最高学府での学問・学習を修めたものが、就職しない・できないなんて、政情の悪い国なら暴動か革命ものである。日本は良い国だ。
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50%越えた大学進学率の社会にある大学は、もはや全てがエリート養成所になることはできない。もちろんエリート養成所として存在する学校はある。また、エリート養成所は無理、マスプロ教育機関として生き残ることを目指しても、それもできない学校が出てくる。やっていけなくなる。第3のカテゴリーとして、学びへのユニバーサルアクセスを考えた-大衆化した-教育機関としての存在価値を持つことで、生き残ることを考えなければならない大学も出てくるはずである。誰でもいつでも学び始めることができる教養系大学とでもいえるタイプの学校である。いずれにしても今決断できない大学は大変である。Trowが30年前に言ったことが日本でもおきている。
でも、、、日本にはすでに、ユニバーサルアクセス&e-learning(遠隔教育)型大学として放送大学という大規模大学がある。
私立大学の数は全国で約540校。ここに在籍している学生数が約200万人。その人数の約6割が、大規模校と、学生数6000人以上の中規模校に通っている。それらの大学の数が約85校。残りの約80万人の学生を、約460の大学で分け合っている。
大学・短大進学率は、統計が始まった昭和29年は10.1%、昭和48年に30%、平成5年に40%を超えた。昭和30年代はまだまだエリート教育だった。10人に1人しか大学・短大にいかないわけだからね。
少子化の影響で大学の総定員が総志願者を上回り、志望校を選ばなければ、どこかには入れる「大学全入時代」が二年後(2007年)に迫っており、トップレベルを除けば大学進学のハードルは下がる傾向にある。大学・短大進学率が初めて50%を超えた背景には、高学歴志向に加えて大学進学のすそ野の広がりもあるといえる。
最後の段落、参考:産経新聞(8月11日)
その他、参考としたのは、こちら
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大学は自らの有り様を決め、選ぶべき姿を考えるべきだ。そうでないと生き抜けない。その姿をしっかり高校教師である僕らは見なければならない。
大変な時代である。
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大学進学率が上がったこと、いわゆる大学生の学力低下とかいろいろ問題視されている。でも、なんて幸せなんだろう。大学に行きたくても、学校の数・経済的・社会的(女性の社会進出)に不可能だった時代のことを考えると、それが問題になること自体、贅沢な悩みかもしれない。
大学生の学力低下は確かに問題である。今の大学院生が一世代前の大学生だという意見もある。一部正解で一部不正解かと感じる。いろいろ批判はあっても大学の数の多さは、その国・社会の学問の厚みであると思う。
8月15日、そんなことを考えました。あまり、言葉とは関係なかったかな。