成田長親(なりた・ながちか)役、狂言師野村萬斎さん。予想通りの出来。予想以上かもしれない。
野村さんが狂言師と知っていて見ているからか、それとも所作からにじみ出てしまうのか、他の役者さんたちと居住まい、立ち振る舞いが一人だけ違う感じを受けた。他の役者さんがダメと言うことではない。とにかく別なのだ。
いくつかのシーンで、長親の歩き方、立ち方に妙に目がいってしまった。ふらつく手こぎ船の上で田楽踊りを舞う場面が、TVCMでは使われているが、そこだけじゃない。何か全編長親には、そこここで「違う感」があった。それがなんだかうまく説明できないけど、キャラクターを際立たせていることは間違いないと思う。
こんなシーンがある。
激しい戦いのあと、忍城は開城を受け入れる。忍城方敗北である。豊臣方から、総大将石田三成(上地雄輔さん)と、大谷吉継、長束正家3名が忍城に乗り込んでくる。広間で待ち受ける長親たちが、三成らを迎え入れる。三成らが広間に到着。忍城側の侍たちの真ん中を通り、上座に座る場面。長親たちが、到着した3名を見て、一斉に座の向きを変え、左右に分かれ、真ん中に通り道を作る。その時の野村萬斎さんの動きのキレイなこと。あきらかにこの人だけ動きが別。他の役者さんはちゃんとした侍の動き。野村さんの動きだけ、何かふわっとした、床から数ミリ浮いているかのように見えた。変に印象的なシーンだった。
ネタバレは映画ファンの戒めとして、しない。ただ、本作はエンターテインメント性の高い、とてもおもしろい作品である。☆4ヶはあげていい。
僕は以下の役者さんが、やっぱり光っていると思った。
前田吟さんの「たへい」という農民役。この人がいるからこその、農民たちのまとまりである。
石田三成の腹心(で、いいのかな)大谷吉継役山田孝之さん。義に篤い。同じく長束正家役平岳大さん。非常にイヤ~なヤツ感が出ている。
もちろん忍城側の正木丹波守利英役佐藤浩市さん、甲斐姫役榮倉奈々さん、坂巻靭負(さかまき・ゆきえ)役成宮寛貴さん。それぞれうまくはまっている。全体的にかなりオールスターキャストだと感じたが、主役の次に、僕に強い印象を与えたのは、実はこの人たちではない。柴崎和泉守役のぐっさんこと、山口智充さんである。この人、ホントに「タレント(才能人)」だと思った。歌も司会をしても、上手なのは知っている。でも、お芝居で戦国武将を、身体全体を使い、いかにもという感じで表現できちゃう。ちょっとビックリした。
現在公開中である。
平成24年10月29日(月)、臨時国会招集
通常であれば、衆参両院本会議で行われる内閣総理大臣所信表明演説だが、参議院では前国会で野田総理大臣の問責決議が可決されているので、所信表明演説を実施しないことになった。
憲政史上初めてのことらしい。
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総理大臣が所信表明演説をするたびに実施している、演説の調査。今回はホントにやる気が起きなかった。何度読み直しても、心に響かない。文句を言いたいと思えない。速報でブログに上げようという気が起きなかった。
前回も書いたことだが、野田総理の演説はカタカナ語ではなく、日本語を使い、表現しようという意図がわかると僕は感じている。でも、だんだんそれだけになっているように思えてきた。
今回の演説で目についたのは、「明日への責任」だが、カタカナ語の中で気になったのは、以下の三つ。
〇エネルギー・環境政策
〇グリーンエネルギー革命
〇チルドレン・ファーストの理念
一つ目は特にコメントはない。一つ目と二つ目は関連がある。
二つ目の「グリーンエネルギー革命」は、これだけを切り取ると、まだまだ日本語としてはいかがかと思う。演説の中でも、前後関係が明瞭な使い方のところもあるが、やや唐突に出てくるところがある。まだ、日本語にはなりきっていないからだろう。
三つ目の「チルドレン・ファースト」という表現は、以下のように使われている。
『チルドレン・ファーストの理念に立脚した子ども・子育て支援については、歴史的な拡充に向けて、既に新たな扉が開かれています。』
これはいただけない。何故で突然、こんな言葉がでてきたのだ。『子どもの健やかな成長を第一に考える』では、なんでダメなのか。
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自民党の安倍総裁が、『演説の中において、明日への責任、「明日」という言葉が何回も出てきましたが、この演説を聞いていて「野田内閣には明日はない」という確信を致しました。』(以下略)
自民党のウェブサイトに、所信表明演説に関するQ&Aがでているが、この人も、、、である。
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2012.01.29
「第180回国会における野田内閣総理大臣施政方針演説を読んで」
10月最終週、仕事帰りにMOVIXさいたまで、「009 RE:CYBORG」を見てきた。
009...なんだかずいぶん待たされた気がした。
同劇場の3D方式は、通常3D映画を見る時に出かける、ワーナー・マイカル・シネマズの劇場と違う。映画が始まってしまえば、どうでもいいことなのだが、やはりメガネが使いにくい。便利さは負けている印象だ。
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映画はゼロゼロナンバーサイボーグたちが活動を停止し、おおよそ30年後の設定である。
あるものは政府特務機関に所属、社会から姿を消している。また、あるものはギルモア博士の研究所にいる。009もなかなか凄い設定で、社会に溶け込んでいる。そのプロットがもしろいと思った。少し違和感を感じたのは、9人のサイボーグたちが、バラバラに戦う印象があること。敵が敵なので仕方ないとも思うが、、、
内容について一つだけ。
003と009、明らかに原作よりも親密である。かなり。。。
・・・ちょっとビックリした。
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さあ、今月は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 」だ。
先月28日、テレビをザッピングしていたら、東京MXTVで懐かしい番組にぶつかった。『ウルトラマン』である。
途中からだったので、何のエピソードかわからずに見ていたら、出てきた怪獣が『ジャミラ』である。何と、『故郷は地球 棲星怪獣ジャミラ登場』というエピソードである。
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- ジャミラは東西冷戦時代、某国が打ち上げた宇宙船の宇宙飛行士の『ジャミラ』であり、正真正銘の地球人。
- 事故により、水のない惑星に不時着。救助を待つ間にその惑星の環境に適応して体が変異し、怪獣の姿になった。
- 母国は国際批判を恐れて事実を隠蔽、救助を出さなかった。見捨てられたことを恨み、最終的には自らの手で宇宙船を修理・改造、復讐のために地球に帰ってきた。
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このエピソード、あまり知られていないことだが、ジャミラは東西冷戦時代に宇宙にでた人という設定である。『ウルトラマン』は、1966年から翌年に放送された番組。東西冷戦時代、時期により東西対立状況は変化したが、冷戦時代であったことは間違いない。このエピソードは、当時の世界から見た近未来がものがたり世界なのだ。『ウルトラマン』という作品は、実は厳密な時代設定の統一はないのである。当時の現在を扱うエピソードも、未来を扱うものもある作品なのだ。
最後のシーンで、地球の土に帰ったジャミラの墓碑が出てくる。その中に、【1960-1993】と、生没年が見て取れる場面がある。子どものころ見た記憶がある。本放送か再放送か自信はないが、ずいぶん先のことだと思った覚えがある。その未来も、20年前になっている。
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円谷劇場「ウルトラマン デジタルリマスター版」
東京MXTV毎週日曜日、18:30~19:00放送
---緊急---
以下、引用する。
日経('12/11/2)
田中眞紀子文部科学相は2日、大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、大学3校の開設を不認可とした。
<閣議後の記者会見>
『大学の設置認可のあり方について設置認可を抜本的に見直す。
『大学設置・学校法人審議会の委員に、大学関係者以外をより積極的に登用することなどを検討する。毎日(’12/11/2)
田中眞紀子文部科学相は2日、閣議後の記者会見で「大学設置認可の在り方を抜本的に見直す」と述べ、認可を厳格化する方針を示した。
大学設置・学校法人審議会が1日に来春の開学認可を答申していた、秋田公立美術大、札幌保健医療大、岡崎女子大(愛知県)の3件の4年制大学を不認可とした。
文科相が審議会答申を覆したのは、省内に資料が残る30年間で初めてで、極めて異例の判断。
全国に4年制大学が780(国公立181、私立599)校あることに触れ『大学教育の質が低下している。そのために就職できないことにもつながっている』とし、当面は新設を認めない方針を示した。
引用ここまで。
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日経の別記事を読むと、『設置認可のあり方を抜本的に見なおすために、設置を許可しない』ともあった。
・・・これは論理としておかしい。
ダメだから認可しないのならば何の文句もない。でも、この論法は危険である。
文部科学省浅田和伸・高等教育企画課長、不認可について
---『個別の問題ではなく、大臣の政策的な判断』
答申が「可」なので、ルール上認可されるものだということ。政策的判断といえば聞こえはいいが、生殺与奪のできる立場がこれをやる以上、申請に対する審査の公明性が保証できないと思われたり、透明性が下がりそうに見える。恣意的な許認可行政と言われかねない。
・・・僕は、基本的には、いいことではないと思う。
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本来ならば審議会の構成を変え、来年度分から...なのだろうが、良くも悪くも破壊力の田中眞紀子大臣である。
高校の先生である僕の目には、小泉内閣時代の大学設置認可行政の規制緩和を、文部科学省が「行き過ぎ」ととらえ、徐々に修整(修正)しているように見える。今回の件もその流れに沿い、眞紀子爆弾大爆発なのだろうか。
大臣が自分の頭で考え、主体的に決めたのか。それとも担がれただけなのか... どちらでも、企画課長の言葉通り、『大臣判断(大臣の責任)』であることには、変わりがない。ただ、当面(数年間)は新設そのものが認められないというのは、問題である。
注視すべき動きである。
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今回の答申は、今年の4月15日に取りあげた、「平成25年度開設予定大学等認可申請一覧(4月分)」にかかるものである。大学新設申請が4件(公立1、私立3)、大学院新設申請が1件(私立1)合計5件の申請だった。
大学
①秋田公立美術大学
②札幌保健医療大学
③岡崎女子大学
④大阪総合漫画芸術工科大学
今回①②③が不認可になった。
④も、旺文社ウェブサイト、[入試情報](7月26日付)、『25年度 新設予定大学・短大、学部・学科一覧(7月末現在までの発表分)』により、申請の取り下げが確認できている。
また、大学院開設認可申請をした、『統合医療大学院大学』は、6月の段階で、「不可」になっている。
平成25年度、新たに開学する大学、大学院大学はゼロと言うことになった。4月15日のエントリで、『4大学1大学院、全部OKとはならないかもしれない。』と書いたのだが、まさかこうなるとは。
創造学園大学運営法人に解散命令が出されることが決まり、1週間である。
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今から20数年前、ある大学の開設に伴う学校説明会に出かけた。今回の件を見聞きして、そのときのことを思い出した。
新たに大学を開設するのは、関東地方であれば、少なくとも東京・埼玉・千葉・神奈川の高校教諭であれば、まず誰でも知っている専門学校の運営法人(学校法人)である。その法人が、新たに大学を作ることに決めた。学内での計画段階、設置認可、大学開学まで、10年以上という説明だったと記憶している。学園責任者の先生が、『開学まで長かった。でも、大学の最初の卒業生を出すまでは、計画に従ってきちんとこれからも学校づくりする』という趣旨のことを話された。
まだ教師になって10年ちょこっとだった僕は、大学を作ることの大変さと、維持、運営、発展させることの困難さを垣間見た気がした。
『大変なことなんだなあ。。。
そう思った。
当時は現在のように(「事前規制」から)「事後チェック」に主眼を置いた、少なくともそう標榜されている、高等教育行政ではなかった。これは行政全般に言えることだが、当時は行政指導等が、現在よりもずっと厳しかった時代である。
大学の設置認可にしても、準備期間はともかく、申請から1年間で大学ができちゃったり、学校運営会社(株式会社)立大学など、誰も夢にも思わなかったころである。それこそ『箸の上げ下ろしにまで文句が来る』と、揶揄された時代である。
今回の創造学園大学を運営する学校法人のことを見聞きし、認可そのものがバツだったと思える、当時の行政スタイルに戻せとは、間違っても言わない。そもそもこの大学は、設置認可申請に虚偽が含まれていたのだから。でも、でもである。どうしてここまでひどいことになったのか、こうなる前に、何とかならんかったのかと強く感じた。
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なお、上記学校法人が開設した大学は、開学後堅実な歩みを進めている。むやみに学部学科新増設に走らず、外国語教育に力を入れた、しっかりした大学として成長している。高校の英語の先生である僕は、そう思う。
千葉県千葉市にある神田外語大学である。
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2008.03.08
『近年の審査を振り返って』を読んで。
NPBのA球団所属B投手(26)は、2022年秋のドラフト会議で現在所属する球団に指名され、プロ入り。3年目に一軍に定着、4年目からは先発投手としてローテーションを守る。5年目からは、絶対的なエースで、人気者である。
今年7月、バント処理練習中に転倒、利き腕の側副靭帯断裂した。直ちに手術を受けることになった。
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もしも、だよ...
野球選手、特に投手の場合、ボールを投げる利き腕は商売道具である。チームが選手と契約する際、その選手の代わりがすぐ手に入るレベルならばともかく、その選手にもしものことがあると、チーム成績も興行的にも困る場合、こうなるのではないか。
【個別契約】
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このような個別契約に基づき、靱帯を構成する細胞を、注射で負傷した患部に入れ、「治療」する。
治療として、このような方法が一般化した場合、特段問題ないと思われる。でも、ケガの治療目的以外で使ったら... やっぱりまずいんだろうね。きっとそういうことをする人がでるだろう。そう遠くない未来に。